文科省などが「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を開始

もうすぐ新学期が始まります。高校や中学校への進学を契機に、子どもにスマートフォン(スマホ)を持たせることを考えている保護者も多いのではないでしょうか。ただ、パソコン並みの性能を持つスマホは、情報化社会の便利なツールであると同時に「ネット依存」や「ネットいじめ」などの弊害も招いています。そこで文部科学省や総務省などは、関連企業などと共同して「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を始めました。

新学期を前にした春の一斉行動は昨春に続く2回目で、文科省・総務省・内閣府・経済産業省・法務省・警察庁・消費者庁などのほか、PTA団体や関係業界団体、関係企業などが参加しています。子どもが自分専用のスマホを初めて持つ機会が一番多い中学校や高校への進学時期に合わせて、学校や子どもだけでなく家庭や社会でもスマホなどの正しい使い方や情報マナーなどについて考えてもらおうという狙いです。ますます進む情報化社会の中で、子どもにスマホなどの情報端末を持たせることを規制するのではなく、情報マナーなど適切に情報端末を使う知識を保護者も含めて社会全体で考えることを求めているのがポイントといえるでしょう。

具体的な取り組みとして挙げているのは、第1に危険なサイトに接続できないようにする「フィルタリングの徹底」です。子どもにスマホなどを買い与える場合、利用者が青少年であることを事業者に申し出る義務が保護者にあること、その時事業者は原則としてフィルタリング機能を設定する義務があることなどを、さまざまな機会を使って周知するよう学校やPTAなどに求めています。第2は「家庭におけるルール作りの推奨」です。LINEなどソーシャルネットワークで「ネットいじめ」や犯罪被害に巻き込まれないような対応の仕方、「ネット依存」など生活習慣に悪影響を及ぼさないようなスマホとの付き合い方など、必要なルールは明確にしておくことが大切です。第3として「学校や地域における取り組み」を挙げ、さまざまな機会を使って子どもや保護者に啓発活動を行うよう求めています。
一斉行動に関する文科省のサイトなどでは、スマホの性能や利用上の留意点、ネットトラブルの対処方法、家庭におけるスマホのルールの決め方などのほか、関係企業によるネット接続型ゲーム機の安全な使い方などの関連サイトも紹介されています。

小さなころからゲーム端末機器などになじんでいる現在の子どもたちは、スマホを利用し始めるとすぐに保護者以上に使いこなすことができるようになります。そうなると、保護者などが予想もしなかったトラブルに巻き込まれる可能性も出てくるでしょう。スマホやソーシャルネットワークに慣れてしまってからでは、利用の仕方を改善するのに苦労するかもしれません。新学期が始まる前に、スマホの使い方のルールを決めたり、個人情報をみだりにネット上に書き込まないといった情報マナーについて親子で話し合ったりするなどの機会を、ぜひ設けてみてはいかがでしょうか。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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