子どものおしゃれトラブル ~具体例と対処法~

前回に引き続き、近年急増する子どもたちのおしゃれトラブルについて、岡村皮フ科医院長の岡村理栄子先生に伺いました。今回は、トラブルの具体例と対処法を紹介します。



近年急増中のトラブル例

最近は、簡単に手に入るおしゃれ用品が多く、安易な気持ちでおしゃれを楽しむ子どもたちが増えています。しかし、それらおしゃれによるトラブルには、けっこう深刻なものも多いのです。また、近年はおしゃれを楽しむ男の子も増えていて、男女問わずおしゃれトラブルは急増中です。ではどんなおしゃれトラブルがあるのでしょうか? 主な皮膚トラブルの具体例を紹介しましょう。


【主な皮膚トラブルの原因と症状例の一覧】


最近目立つケースが、アイメークによるトラブルです。中・高生はもちろん、小学生でもまつ毛をカールさせて登校する生徒が増えていますが、そのためビューラーによる金属アレルギーを起こす子どもも多くなりました。また、最近はつけまつ毛やまつ毛パーマの流行で、接着剤や化学薬品によって目の周りに炎症を起こすケースが急増しています。
特にピアスのトラブルは深刻で、耳たぶや舌、へそなど人体の一部を金属が貫通するため、体内に金属が入り感作を起こして金属アレルギーを引き起こす原因を作ったり、場合によっては肝炎などの感染症を招いたりする恐れもあります。このアレルギーは、一度起こると一生治らない可能性もあるため、発症すると死ぬまで悩まされることになる、怖いトラブルでもあります。
近年多くなっているのが、タトゥーやタトゥーのように身近な道具を使って自分で体を傷つけ絵や文字を入れるトラブルです。タトゥーは一生消えないものだという自覚が薄い人が多いためか、大きくなって就職や子育ての時期を迎えたころに、中・高生の時に入れたタトゥーの除去手術をするというケースがとても多くなっています。

ほかにも、一重まぶたを二重まぶたにしようとおしゃれグッズを使用して、まぶたを腫らしてしまう人もいます。また、なにげなく使用しているリップクリームでも、メンソールや香料、色素などの中にはかぶれやすい成分が入っている場合もあり、中には唇に水疱(すいほう)ができたり唇の周囲が黒ずんだりというケースもあります。化粧品にしろ、ピアスやタトゥーにしろ、特別な場所で特別な器具を使わなくても、簡単におしゃれが楽しめるようになってきている昨今、トラブルを発症する年齢はますます低下し、小学生といえど深刻なトラブルに見舞われる危険性が高まっているのです。



おしゃれトラブルから子どもを守るために

このようなおしゃれトラブルは、早期に発見し対処することで未然に防げたり、また軽度の症状で抑えたりすることができます。それには、日常生活における保護者の方々の注意が重要になってきます。では、どのようにしてトラブルの種を発見したらよいのでしょう? ピアスやパーマ、染毛など、見てすぐわかるもの以外の、トラブルを発見するためのチェックポイントを紹介しましょう。

トラブルを発見するためのチェックポイント
・爪のトラブルの場合=二枚爪になっていないか、またカサカサになっていないかチェック
・つけまつ毛のトラブルの場合=まぶたが赤くなっていたら要注意
・化粧によるトラブルの場合=顔の表皮が乾燥しすぎていないか注意。ニキビを隠すために化粧をすることがあるので、ニキビが普通より治りにくい人は要注意
・足のトラブルの場合=足指の形や爪が変形していないかチェック

そもそも、子どもがするおしゃれとは、お正月や七五三などハレの日にする特別なもので、決して継続的にするものではなかったはずです。現在のような、おしゃれに強い関心を寄せる子どもたちが急増するという傾向は、体だけではなく心も成長過程にある未熟な存在の子どもたちへ、社会全体が与えた悪影響と言ってよいと思います。
子どもたちがあとで後悔しないようにするために、おしゃれトラブルを未然に防ぐ、あるいは最小限で食い止められるよう、保護者の方々が日頃から意識して子どもの様子を見守り、適切なアドバイスを心がけてくださることを願います。そのためにも、まずは保護者の方々が正しい知識を身につける努力をしていただきたいと思います。


『おしゃれ障害 ~健康を害する誤った〝おしゃれ″に警告』『おしゃれ障害 ~健康を害する誤った〝おしゃれ″に警告』
<少年写真新聞社/岡村理栄子(著、編集)/1,995円=税込み>

プロフィール

岡村理栄子

岡村理栄子

東京女子医科大学卒。同大学付属病院講師を経て、米国エモリィ大学へ留学。1988(昭和63)年より、岡村皮フ科医院を開業。主な著書に『おしゃれ障害 ~健康を害する誤った〝おしゃれ″に警告』(少年写真新聞社)などがある。東京都皮膚科医会学校保健委員長。

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