【読書感想文 書き方のコツ】「ココロが動いた」体験を先生に伝えるのが、読書感想文

読み手に伝わりやすい読書感想文を書くために、わたしたちは
「はじめ」
「なか1」
「なか2」
「まとめ」
の4部構成で書くことをおすすめします。

「はじめ」
の部分には、本を読んだきっかけや、本の簡単な内容を書きます。
ここで、先に挙げた「読み方のコツ」の(1)「読み始めたときの印象と、読み終えたときの気持ち、そのギャップ」を思い出し、必ず盛り込みます。

「なか1」
には、おもしろかったことやわくわくしたこと、ドキドキしたことなど、「心が動いた」体験を具体的に書きます。

「なか2」
では、「なか1」とは別に、もっと印象に残ったことを具体的に書きます。

「なか1/なか2」のパートを書くうえで材料となるのは、「読み方のコツ」の(2)の付箋を貼った箇所です。
もし付箋の箇所がたくさんある場合には、読み手にじっくりと伝えられる程度の数、2~4つ程度に絞って書いていきましょう。

「まとめ」
には、「なか1」「なか2」に共通している感想や思いを書いて、自分の考えを書きます。ここで役に立つのが、「読み方のコツ」の(3)「作者がこの本を通して訴えたかったことは何か?」を考えながら読んだことです。作者の考えたこと、伝えたかったこと、それらを受け取って、自分が何を感じたのか、それが、読む前の自分と読んだあとの自分にどんな変化をもたらしたのかを書きましょう。

以上が、読み手にすんなり伝わって、失敗のない構成です。
もし、作文がある程度得意だというお子さまならば、「はじめ」の書き出し部分に「なか2」の要素を少し持ってくるというテクニックを使うのもよいでしょう。本の中でいちばん印象に残った会話を引用するなどして、読み手を一気に惹きこむ効果があるからです。

全体を通して注意していただきたいのは、お子さまが思ったこと、感じたことを「きれいな言葉でまとめてしまわない」ということです。本を媒介として、その子自身がどう考えたか、何を感じたか、その子らしい言葉で素直に書かれたものが、読み手にとっては面白いのであり、きれいな言葉や一般的・抽象的な言葉に言い換えてしまうことはむしろよくありません。お子さまにアドバイスをしたり、書かれた感想文に意見を言ってあげたりする際に、「あれ?」と思うような表現があったとき、それが誤用ならば指摘するのは構いませんが、そうでない限りは、そのお子さまらしいユニークな表現は、むしろ「魅力」と捉えて、尊重してあげましょう。

もし、書いているうちに行き詰まってしまったら……文章を書くのが得意な子にとってもそうでない子にとっても、読書感想文コンクールの優秀作品など、よい見本を読んでみるのはとてもよい勉強になります。WEBで公開されている場合もありますので、探して読んでみましょう。

いかがでしょうか。
これらを踏まえて読書感想文を書いてみても、やっぱり「いかに表現するか」を試行錯誤する部分はあると思います。けれども、それは必要なプロセスではないでしょうか。その必要なプロセスに集中できるようにするためにも、ここで紹介した方法で、必ずしも必要でない動きは省いてしまいましょう。



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