お子さんの学校のALT(外国語指導助手)、どういう人がなっているのか?

学校に外国人のALT(Assistant Language Teacher=外国語指導助手)がいる風景は、今や当たり前になりました。しかし中には授業を参観して、ALTと日本人の先生との間にぎこちなさを感じたことのあるかたはいませんでしょうか? というのもALTには、さまざまな雇用形態があるからです。

文部科学省の調査(外部のPDFにリンク)によると2010(平成22)年度、小学校の外国語活動や中学校の外国語(英語)でALTを活用した授業の割合は、それぞれ54.4%、21.7%を占めています。とりわけ英語の教員免許を持っている先生が少ない小学校では、ALTへの依存度も高くなるのが現状です。Benesse教育研究開発センターの調査でも同年度、小学校の90%以上でALTを加えた授業が行われ、来校の回数も4年前に比べて急増しています。もはや学校にとってALTはなくてはならない存在です。
文科省調査によると雇用形態の内訳は、「JETプログラム」21.8%、「直接雇用」19.1%、「業務委託契約」44.8%、「労働者派遣契約」10.6%、「その他(地域のネイティブ・スピーカー等)3.8%となっています。このうちJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)とは、文科・外務・総務の3省などが協力して1987(昭和62)年度以来、外国から若者に来日してもらってALTになってもらうもので、英語教育の充実と、外国の若者に日本への理解を深めてもらうという一石二鳥を狙った事業です。この場合は自治体などに直接雇用されることになり、かつてはこの形態が一般的でした。

ところが外国人による授業を増やすために近年、業務委託や派遣による形態を採用する自治体も増えてきました。財政難で人件費を抑制せざるを得ず、直接雇用がしづらくなったことも背景にあります。しかし業務委託が「請負契約」(外部のPDFにリンク)に当たる場合、ALTに指示できるのは派遣業者であって、教育委員会や学校が授業について直接指示することはできません。そのため学校の先生がALTと顔を合わせても授業の相談ができず、お互いが協力して進めるチーム・ティーチング(TT)もできないということになります。授業参観でぎこちなさを感じたとしたら、そうした事情があるのかもしれません。
もちろん、請負契約であっても適切な役割分担をすれば問題なく授業が進められるという指摘も教委や学校にはあります。しかし派遣されるALTが頻繁に変わるというケースも少なくありません。文科省調査で2011(平成23)年度の予定を見ても、業務委託の割合は減少しています。ただし財政事情の深刻化からか、JETなどの直接雇用も伸び悩んでいます。

英語教育を効果的に実施するためには、日本人の先生と外国人のALTによる綿密な協力が欠かせません。そのためにどんな体制が必要なのか、財政面も含めて充実を図ってほしいものです。保護者の方々も、お子さんの学校のALTがどんな雇用形態なのか、注目する必要がありそうです。


プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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