小学校入学準備「文字と数の学習。本当に必要なこと」

入学前の学習準備で気になるのが、「ひらがなはある程度、マスターしておいたほうがよい?」「数はどこまで理解していればよい?」という問題。本当に必要な学習準備について、幼児教育と小学校教育の連携について研究されている和田信行先生に伺いました。


机に向かってではなく体験をとおして学ぶ時期

幼児期は体験をとおして学ぶ時期。机に向かっての学習はなじみにくいものです。それなのに、ドリルなどの教材をノルマにしてしまうと、「字を書くのがきらい」「勉強がきらい」といった逆効果になることも。本人がやりたがるのなら良いですが、無理強いは禁物です。小学校でひらがなの学習が始まると、さまざまな単語を読み書きする練習もします。その際、その単語が何を指すのかわからないと、学ぶ意欲もそがれてしまうでしょう。幼児期は豊かな生活体験をとおして、さまざまな言葉や感覚と出会うことを重視しましょう。


幼児期は文字や数に興味関心を持つことが大切

読み書きの練習をする必要はありませんが、文字や数に興味関心を持つことはとても大切です。日常生活や遊びをとおして文字や数に興味関心が持てるよう、親が働きかけましょう。


学習につながる遊び体験の例
カルタ……文字に対する興味関心が持てる
すごろく……数に対する感覚が育つ
積み木……「三角と三角を合わせると四角になる」など形に対する興味関心が持てる

子どもは読めれば書きたくなる!

近年は保育園・幼稚園の就園率が高いため、入学前にひらがなが読める子どもは増えています。ひらがなを読めるようになってきたら、子どもが自分で読めるような絵本を用意してあげるのも、おすすめです。読めたら、「○○ちゃん、絵本が読めてすごいね!」「ひらがなが読めるのね。えらいね」など、ほめてあげて。ほめられることで学習意欲は高まります。
読めるようになったら「次は書けるようになりたい!」と思うのが自然の欲求。子どもがやる気になったとき、すぐに取り組めるよう、鉛筆と紙は常に子どもスペースに用意しておきましょう。この時期は、書く意欲があるだけで十分。「書き順が違うでしょ」「そうじゃないでしょ」といった間違い探しはしないこと。子どもがやる気をなくしてしまいます。


鉛筆が正しく持てるのは、はしが正しく持ててから
絵を描くときも、「鉛筆を正しく持たせよう」とあせらないで。たくさん描いているうちに自然と合理的な持ち方すなわち正しい持ち方になるものです。いつも身近に鉛筆と紙がある環境づくりをして、描く機会を増やしてあげましょう。
また、鉛筆が正しく持てるようになるためには、順序だった発達過程を経ることが大前提です。鉛筆の持ち方にこだわる前に、はしがきちんと持てているかを見てみましょう。はしが正しく持てるようになれば、鉛筆も正しく持てるようになります。


鉛筆の正しい持ち方にたどりつくには……
スプーンを握り持ち → スプーンを正しく持つ → はし・鉛筆を正しく持つ


プロフィール

和田信行

和田信行

東京成徳短期大学教授。小学校教諭を経て、1988年から都立教育研究所統括指導主事など教育行政に携わる。小学校長、幼稚園長などを経て2008年より現職。著書『小学1年生「わくわくドキドキ」カリキュラム』(学陽書房)、『「生活科」「総合」の授業づくり』(小学館)

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