家に遊びに来るよその子に、マナーを教えるには?【前編】[教えて!親野先生]

今週の相談

 

最近ある団地に引っ越したところ、息子に友達がたくさんできて、4、5人の子がよく遊びに来てくれます。息子もとても喜んでいて、私もありがたいことだと思っています。ですが、中にはマナーができていない子もいて困っています。靴が脱ぎっぱなし、勝手に冷蔵庫を開ける、デッキに録画してある番組を勝手に見る、お菓子を食べるときこぼしても平気、勝手に小鳥に餌をやる、などです。ティッシュを勝手に引き出して使うのも気になります。せっかくできた友達なので大切にしたいのですが、このままの状態ではいけないと思います。どうしたらうまく叱れるでしょうか?(ちょいな さん)


家に遊びに来るよその子に、マナーを教えるには?【前編】[教えて!親野先生]

 

【親野先生のアドバイス】

ちょいなさん、拝読いたしました。

これは、親としてはけっこうストレスが溜まりますね。
このことで悩んでいる方もけっこういるようで、私がNHKの「となりの子育て」という番組に出たときもこの話題で盛り上がりました。

もちろん、友達が遊びに来てくれるのはありがたいことですよね。
しかも、引っ越しをしたばかりで友達ができたのですから、本当にありがたいことです。

そうは思いつつも、忍耐にも限度がありますので、なんとかしたいところです。

ところで、私が1つ気になるのは、ご相談が「どうしたらうまく叱れるでしょうか?」という問いかけになっていることです。
「叱る」というのは、広辞苑によると「声をあらだててとがめる」ことです。
どんな状況でも、ひとを「声をあらだててとがめる」のは、決していい方法ではないと思います。

ましてや、ちょいなさん一家はまだ引っ越したばかりとのことです。
つまり、ちょいなさんと遊びに来てくれる子どもたちとは、まだそれほどなじみになっていないはずです。
その段階で、これをやってしまうことにはリスクがあります。

親の中には、たとえよその子に対しても自分流で言いたいことをズバッと言うひともいると思います。
自分はそういうキャラだ、と考えているひともいると思います。

もちろん、子どもたちが自分のことをわかってくれていて、「このひとはこういう言い方をするひとなんだ。その分とてもさっぱりしていておもしろいし、実はいいひとなんだ」などと理解してくれているなら、それでもうまくいくことがあるかも知れません。

でも、相手にそういう受け入れ態勢がない場合は、大きなリスクがあると考えるべきです。
「自分はそういうキャラだ。これが自分の言い方だ」と思っていても、相手のほうがそれを理解して受け入れ態勢ができていない場合は、ひどい誤解を招くことになります。

つまり、相手の子どもが、「なんてこわいお母さんなんだろ」「もう○○君と遊びたくない」と思ってしまう可能性もかなりあるわけです。
もしかしたら、家に帰って、「靴を脱ぎっぱなしにしただけで、すごく怒られた」と親に言うかも知れません。

というわけで、私は、叱るよりも、効果的な作戦を立てたり言い方を工夫したりするほうがいいと思います。
まず、オススメなのは、子どもをたくさんほめることです。

「○○君て、絵がうまいんだね~。おばさん、びっくりしちゃった」
「すごく友達に優しいんだってね。□□君が、ケガをしたときずっと保健室で看ていてあげたんだってね」
サッカーがうまい、習字が得意、髪型がかっこいい、おしゃれだね、笑うとかわいい、虫に詳しい……などなど、なんでもいいのです。

また、その子の親をほめるのも効果があります。
「△△君のお母さん、声が素敵ね」
「上品でうらやましい」

このとき気をつけて欲しいのは、子どもたちに平等に接するということです。
誰かがひがむようなほめ方は、決してしないでください。
もちろん、誰かと比較してほめるのは厳禁です。

このようにして、子どもたちをたくさんほめてあげてください。
そうすると、ちょいなさんと子どもたちの間にいい人間関係ができていきます。
子どもたちは、ちょいなさんのことを「いいひとだな」「信頼できるひとだな」「ぼくのことをわかってくれてるな」「ぼくのことを認めてくれてるな」と思うようになります。

こういう人間関係になれば、子どもたちは、ちょいなさんの言うことを自然に聞いてくれるようになります。
この反対の人間関係になってしまうと、子どもたちは言うことを聞かなくなってしまいます。
そして、ちょいなさんはますますイライラして叱りつけ、その結果、子どもたちの気持ちがますます離れる……という悪循環になってしまいます。


……この続きは次回で紹介します。



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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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