自閉症とADHD両方の状態が見られると言われました【後編】[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学2年生の息子が授業中、席についていられないので、おかしいと思い検査をしたところ、自閉症の状態とADHD(注意欠陥多動性障害)の状態が両方見られると言われました。ですが、治療法があるわけではないし、とにかく親子げんかになった時などの対処法だけを月に1度の診察で言われるばかりです。学校での加配や特別支援学級へのクラス替えなどは一切ありません。というよりも、そこまでの支援が必要だとは思えないぐらいの程度なのです。ですが、宿題をしなくて毎日が嵐です。好きなことなら何でもできる息子が、こと宿題となると無気力になってしまいます。また、たとえば今は眠たいから宿題をできない……と言われ、じゃあ朝起きてからね、と約束しても毎回「そんなこと言ってない」と逆切れして約束を破るので、そんな態度を取る息子が許せません。最近では、この子さえいなければ……とふと思っていたり、優しくしないといけないのに、そこらじゅうのものをひっくり返して鬼のようになって、暴言で叱責する自分がいます。もう、心が壊れそうです。どうしたらいいでしょうか? アドバイスをお願いします。(ぼのぼのさん)

 

【親野先生のアドバイス】

ぼのぼのさん、拝読いたしました。

前回に引き続き、ぼのぼのさんへのアドバイスです。

それと、これは私がいつも言っていることですが、一人で抱え込まないようにしてください。
今、ぼのぼのさんはかなり苦しい状況なので、他の人に話を聞いてもらったり助けてもらったりすることが絶対に必要です。

一人でこの苦しさを抱え込んでいたら、ろくなことはありません。
いろいろな人に話を聞いてもらったり、相談に乗ってもらったり、具体的に助けてもらったりしてください。
話を聞いてもらうだけでも、たまっていたものが発散されてかなり気持ちが楽になります。

ご主人はもちろんですが、おじいちゃん、おばあちゃん、兄弟姉妹、親戚、友人、知り合い、ママ友達、近所の人などです。
この他にも、次のようなものがあります。
保健の先生、学校のカウンセラー、心理カウンセラー、臨床心理士、教育委員会の相談窓口、自治体の相談窓口、児童相談所、各種電話相談、心療内科医、精神科医、子育てサロンや子育て広場……

自分の地域で相談可能なところを調べるには、インターネットで、「子育て 相談 ○○市」「子育て 悩み ○○市」などと入れて検索するといいでしょう。

できたら、同じ悩みを持つ人たちのサークル、広場、サロンなどに参加するといいと思います。
地域にあれば一番いいですが、なければネット上のものでもいいでしょう。

そういうところなら、たっぷり悩みを聞いてもらうこともできますし、いろいろな情報を得ることもできます。
自分の中にたまっているものをどんどん吐き出してください。
また、他の人の悩みを聞くのも効果があります。
そうすれば、悩んでいるのが自分だけではないということもわかります。

また、そのような同じ悩みを持つ人たちの集まりがなければ、普通の子育てサロンのようなものでもいいのです。
とにかく、大事なのは一人で抱え込まないということです。

一人で抱え込まないということについて、第88回89回の「子どもをかわいいと思えない……」にも詳しく書きましたので、参考にしてください。


それと、これもまた、いつも言っていることですが、自分自身の精神衛生とストレス解消に努めてください。
今のぼのぼのさんには、最優先事項だと思います。
ため込んだものを吐き出して、心を軽くすることで、また新しい展開が見えてくることは大いにあり得るのです。

それついては、第82回の「子どもに対してイラつき、カッとなってしまいます」のところに詳しく書きましたので、こちらもぜひ、参考にしてください。


「優しくしないといけないのに、そこらじゅうのものをひっくり返して鬼のようになって、暴言で叱責する自分がいます。もう、心が壊れそうです」。

本当に苦しい毎日ですね……。
暴言と叱責のあとに、自分を責める長い時間もあったでしょう。
これまでどれほど苦しんだことか……。
その苦しみを思うと、胸が痛みます。

でも、あえて言わなければなりません。
このようなことは、もう絶対にしないでください。
十分おわかりだと思いますが、あえてもう一度言います。
このようなことは、もう絶対にしないでください。
ここで、一大決心をしてください。
「もう二度と繰り返さない」という不退転の一大決心を、今すぐしてください。

この決心は必要です。
この決心がなければ、変わることはできません。
不退転の一大決心をして、自分を変えてください。
自分の人生をかけて、不退転の一大決心をしてください。
そうすれば、人生を変えることができるのです。

決心した人には、必ず新しい勇気と力がわいてきます。
決心した人には、必ず新しい道が開けます。
勇気を持って自分の新しい人生を切り開いてください。
ぼのぼのさんには、できます。
絶対できます。

ここまで私が書いてきたようなことを、実際にやってみてください。
そうすれば、だんだん良いほうに行きます。
必ず、良いほうに行きます。

そして、今までのことで、あまり自分を責めすぎないようにしてください。
自分を責めすぎると、それがまたストレスになって、子どもに向かって出てしまいます。

反省して一大決心をしつつも、今までの自分は許してやってください。
ぼのぼのさんにしても、優しくしたいという気持ちは十分あったのです。
でも、なかなか難しい状況だったのです。
他の誰がやっても、同じようになったと思いますよ。

今までのことは、自分の反省点として生かしていけばいいのです。
今まで十分苦しんだのですから、それをこれからに生かしていけばいいのです。
苦しみの経験は必ず生かされます。
苦しみの経験を無駄にすることなく、一大決心の土台にしてください。
そうすれば、泥水の中からハスの花が生まれてくるように、あなたの苦しみの中からすばらしいものが生まれてくるのです。

大事なのはこれからです。
私が書いてきたようなことを、実際にやってみてください。

大丈夫です。
絶対、良いほうに行きます。
何年かあとには、「ああいうこともあった」「一番大変な時期を乗り越えたようだ」「このごろ楽しい」「一大決心してよかった」と思えるようになっています。
親子で笑い合ったり、子どもの成長に驚いたり、そういう毎日になっています。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
ぼのぼのさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。


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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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