娘が嫌がる習い事……続けさせるべき?[教えて!親野先生]

今週の相談

 

保育園児(年中)の娘についてです。本人が「やりたくない」と言っている習い事について親としてはどう対応したらいいのでしょうか。本人の意思を尊重してやめたほうがいいのか、ほめたり励ましたりして続けさせたほうがいいのか。アドバイスいただけたらとても参考になります。(ニャッキ!さん)

 

【親野先生のアドバイス】

ニャッキ!さん、拝読いたしました。

習い事を始めた以上できるだけ続けてほしい、というのは親の率直な願いだと思います。できればある程度極めるまで続けてほしい……、少なくともなんらかの成果が出るまでは続けてほしい……、ほとんどの親はそう思っているはずです。

そして、その思いの奥には、次のような心配があるようです。
(A) 今は一時的に困難に直面しているのではないか? この困難を乗り越えればずっと続けられるのではないか?
(B) ここで簡単にやめさせると、嫌なことがあったらすぐやめる子になってしまうのではないか?
これらの心配もまた、親としては当然のものだと思います。

まず(A)についてですが、これは見極めがとても難しいというのが実感です。確かに、最初は嫌々でもだんだん好きになるということはあり得ることです。でも、何年たっても好きになれないということもまたあり得ることです。
それが子どもの心に重くのしかかって、気持ちが晴れない状態が続くことにもなりかねません。
そうすると、子ども時代のたくさんの時間をそういう精神状態のなかで過ごすことになります。早めに切り替えていれば、もっとその子に合う習い事に出会えて、いきいき生活できていたかもしれません。

次に(B)についてですが、私は、それほどこのような心配をする必要はないと思っています。それは時代が変わったということがあるからです。
以前は、大人の社会も終身雇用制で、一つの会社に入ったらそこで一生過ごしていました。それが美徳であり、利益も一番大きかったわけです。

でも、今は時代が変わってきています。ある会社であるキャリアを身に付け、別の会社で別のキャリアを身に付け、それらを元にさらに大きくステップアップするというのが新しいやり方になっています。そのほうが自分の能力も収入も上がる場合が多いのです。
そこでは、思い切りのよさが求められます。そこには、「一つの会社で勤めあげられないような人が、別の会社でやっていけるわけがない」などという発想はありません。新しい時代には新しい生き方があるのです。子どもたちの習い事にも、そういう面があっていいと私は思っています。もともと一つの習い事を選んで始めるときというのは、一種の賭けのようなものです。うまくいくかどうかなどわからないで始めるのです。

これは絶対この子向きだと思って選ぶこともあるかもしれませんが、そうそう大した確信もなく選ぶことも多いわけです。また、確信していて外れることもありますし、確信がないまま選んだものが当たることもあります。つまり、やってみないとわからないのです。
いくつか試しているうちに、その子に合うものが見つかると思います。本当に合うものが見つかるまでいろいろ試してみる、という発想も必要なのです。それで飽きっぽい子になるということはないと思います。自分に合うものが見つかれば、無理なく続けられるようになりますから大丈夫です。

繰り返しになりますが、困難を乗り越えてうまくいきだすこともありますし、そうならないこともあります。それは、個々のケースで判断するほかないものです。でも、私は、ここまで書いてきたように、必ずしも無理に続けることが得策とは限らないという考えです。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ニャッキ!さん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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