子ども同士のふざけやいじめについて、学校の対策をどう聞けば?[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学5年生の娘の親です。子ども同士のふざけやいじめについて、学校として、またクラスとしてどんな対策をしているのかを、どのように聞けばいいのかを悩んでいます。自分の子どもがいじめられているわけではないのですが、ちょっとしたイヤなことは多分いっぱいあると思います。いじめ対策について聞くことで、かえって先生がたに意識されるのもイヤだと思うと、なんだか聞きづらいです。(えゆりんさん)

 

【親野先生のアドバイス】

えゆりんさん、拝読いたしました。

このような思いをもっている方々は、たくさんいらっしゃると思います。大切な子どもを預けている学校やクラスが、どのような方針をもって教育に当たっているのか? いじめや学力向上などについては、どのような対策を立てているのか?

これらは、親として当然知っておきたいことです。特に問題があると感じていなくても、あらかじめ知っておきたいと思うのは親として自然な気持ちです。

では、そのためにどうしたらいいのでしょうか? 親としてできる情報収集には、どのようなものがあるでしょうか? まず、第一歩としては、すでにある情報を有効に活用することをおすすめします。

まず、年度初めのPTA総会はとてもいい機会なので、ぜひ出席するといいでしょう。そこで、学校長が学校の方針について話すはずです。そのなかでは、その学校の経営方針が話されます。つまり、現状や実態、昨年度の成果と今年度の課題、課題解決に向けた具体的な対策などです。これは、年度初めの学校長の話としては欠くことのできない内容です。

親の情報収集としては、まず、これをよく聞くことが大切です。もし、大切なことに触れなかったら、質問することもできます。勇気は必要になりますが、そのためのPTA総会でもあるのです。学校長が直接親たちに向かって学校経営方針を話す機会は、そのときだけだと思います。

また、そのとき配られる総会資料に、話の要旨が出ていることもあります。その資料に、学校経営方針や具体的な取り組み方法が出ていることもあります。

次に、学校便りからも、いろいろな情報収集ができます。学校によって違いますが、1カ月に1回くらい出すところが多いようです。これは、学校長や教頭が、そのときどきの学校の様子や教育計画などを書くものです。

次に、学年便りや学級便りがあります。これは、その学年の先生たちが書くので、その学年に関係したことが中心になります。これらのお便りからも、いろいろ読み取れるものがあると思います。

次に、学級懇談会があります。これは、クラス担任の考えを聞くのにとてもいい機会ですから、ぜひ、有効活用してほしいと思います。学級懇談会にもいろいろなやり方があります。親同士の話し合いを多くする方法、先生からの話を多くする方法、その中間の方法などです。

いじめ対策について担任から話してもらいたいときは、あらかじめ学級委員さんを通して依頼しておけばいいでしょう。深く掘り下げて聞きたいときは、その場で質問するのが一番です。それはちょっと……という場合は、あらかじめ学級委員さんに頼んでおいて、代わりに質問してもらえばいいのです。そのための学級委員さんですから。

私は、現役教師時代いつもクラスの親たちにこう言っていました。
「私へのご意見、ご要望などはどんどん言ってください。そのほうが私も助かります。直接言いにくいときは学級委員さんを通して言ってください。そうすれば、誰が言ったかわかりませんから」
これは、私の決まり文句でした。

皆さまには、この学級懇談会という機会を最大に有効活用してほしいと思います。学級懇談会の出席率は年を追うごとに下がっているようなので、とても残念です。

他にも次のような方法があります。学校では、学校経営書という冊子を毎年度作ります。これには、その年度の学校教育計画の全体像が書かれています。各教科の指導、生活指導、道徳指導、保健指導、行事計画、いじめ対策などなども出ています。

本当は、これを各家庭に配布すればいいのですが、そうするとかなりの金額になってしまいます。そこで、その一部を印刷して先程のPTA総会の資料につける場合もあるのです。この学校経営書を見たい旨を申し出れば、いつでも見ることができます。市町村の教育委員会にも各学校の学校経営書がおいてありますので、見せてもらうことができます。

PTAのなかには、広報誌をもっているところも多いと思います。広報部にリクエストして、いじめ対策について取材してもらうという方法もあります。 広報誌は行事の記事が多くなりがちですが、親が知りたいことを代わりに取材してもらうという活用方法もあるのです。

何事も、問題が出てからの対応では遅過ぎです。これはどうなっているのかと、親のほうからあらかじめ聞くことも必要だと思います。それが刺激になって具体的な対策が出てくるということもあるのですから。そして、もし対策が不十分だと感じたら、親のほうから対策を依頼することも必要です。

その際にも、クラスのことでしたら学級委員に、学校全体に関することでしたらPTA役員や会長に代表でやってもらうのも一つの方法です。もちろん、問題を感じた人が中心になって動いてもいいのです。または、有志を集めてやってもいいのです。

緊急性を感じたら、一人で学校に行って直接担任や学校長に依頼することも必要です。真摯に依頼すればいいのです。いじめ問題は、おろそかにできない問題ですから。悠長に構えていられないときもありますから。

近頃のいじめによる自殺の例を見ていると、教師も親も本気の取り組みが必要だと強く感じます。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。えゆりんさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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