『みんなもやっていないので宿題はやらない』などと言います[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学6年生の息子のことです。高学年になったら、今まで気にならなかった他人の目が急に気になりだした様子。「みんなもやっていないので宿題はやらない」「みんなと同じ文房具を持ちたい」「みんなと同じふうにしないと不安」などなど。その気持ちを理解できないわけではないのですが、息子が言う「みんな」は自分の友達のことで、クラス全員ではないのですよね。宿題をやる子もいるのですが、都合の悪いことは言わないで、親を説得しようとしてくる年ごろになってきました。子どもにどのように話せば、親の気持ちがわかってもらえるでしょう。(そらまめさん)

 

【親野先生のアドバイス】

そらまめさん、拝読いたしました。

 

これは、お気付きのとおりですね。他人の目が気になるというより、自分の考えを正当化するために「みんなも……」と言っているわけです。

 

それと、第二反抗期に入ってきているということを、頭に入れておく必要があると思います。反抗期には、それまでとは違い、いろいろと親に要求してくるようになるのです。しかも、高学年になりいろいろと知恵がついてきているので、言い方もうまくなっているわけです。

 

この時期は、親として子どもとどう対応したらいいのか悩むころだと思います。まず、大切なのは、これは反抗期なのだということを親が常に頭に入れておくことです。

 

順調に成長してきた結果として、反抗期がきているのです。そして、これからも順調に成長するためには、この反抗期がこの子にとって必要なのです。常にそう思っていれば、親の心に余裕がでてきます。余裕があれば、子どもと同じレベルになって感情的に争うなどということをしないで済みます。

子どもが反抗期だということを忘れて、子どもの態度にキレてしまってはいいことはありません。ひどい言葉を子どもにぶつけて、そこから親子の絆にひびが入ることもあるのです。

 

次に大切なのは、子どもの言い分にまずは耳を傾けることです。つまり、受容的共感的に聞いてやることです。でも、受容的共感的に聞くということは、子どもの言い分を全て丸飲みすることではありません。そうではありませんが、完全否定や門前払いをしないということです。

 

たとえば、「みんな○○の筆箱を買っているから買って」と言ってきたとします。そういうとき、「だめ、だめ、買わないよ」とか「筆箱ならいいのがあるでしょ」と言ってしまいがちです。でも、これは子どもの気持ちの完全否定であり、言い分の門前払いです。

 

親がこういう態度だと、子どもは自分が親に受け入れられていない、愛されていないと感じるようになります。そうすると、ますます反抗的になってきますし、要求もエスカレートしてきます。その反対に、親を完全に無視するようになることもあります。そして、このときの心の行き違いが一生のトラウマになることもあるのです。

 

そうではなく、「ふうん、○○の筆箱が欲しいんだ……」とか「確かにかっこいいよね」などと言ってやるのです。これが、受容と共感です。これだけでも、子どもは少し気持ちが落ち着きます。その後で、「でも、やっぱりこの前買ったばかりだからもう買えないよ」と断ることは当然あっていいのです。

 

それでも言ってきたら、親子で相談することも必要でしょう。相談して、交渉して妥協点を見つけていくプロセス自体が、非常に大切な勉強でもあるのです。そして、そのときは、子どもの言い分も聞き、親として主張すべきことはしっかり主張することです。

 

それでも、ゆずれないものは、親が壁のように立ちはだかってちゃんと筋を通すことも必要です。そのとき、なんでも子どもの言い分を丸飲みしてしまっては、子どもは反抗を経験することができなくなってしまいます。

相手の気持ちや言い分を受け入れつつ、ときには交渉で妥協をはかりつつ、それでも筋を通すことは通す、そして、いつも冷静でいることです。

 

難しいですか?
確かに、誰がやっても難しいのです。難しいのは確かですが、ぜひがんばってください。なんと言っても、他ならぬ、かわいい我が子のことなのですから。

 

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。そらまめさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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