小2の息子は、勉強や宿題をいつも後回しにします[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学2年生の息子は、勉強や宿題を「やりなさい」と言うと、グズグズとやります。そして、私がイライラして大きな声を上げると泣きだしてしまいます。ゲームはするのに、肝心なことは後回しなので、いつも同じ繰り返しです。悪循環とはわかってはいるのですが……。(キューブ)

 

【親野先生のアドバイス】

キューブさん、拝読いたしました。

それは、第37回の回答で「最も根本的な問題」に触れていなかったことに気がついたからです。第37回のご相談と今回のご相談を合わせてお読みください。

では、「最も根本的な問題」とは何でしょうか? それは、勉強や宿題をやる気がない子は、そもそも勉強が好きではないということです。

そして、勉強が好きではないのは、いろいろなことへの知識が不足していることと知的な興味関心が育っていないことが原因です。この点が問題なのです。この点を変えていかないと、付け焼き刃的にいろいろなことをやってみても長続きはしないのです。それをしないでいて、「勉強、勉強」「宿題、宿題」と、いくら言ってみても大した効果はありません。

では、勉強を好きにさせるためにはどうしたらいいのでしょうか? 絶対的に必要なのは、毎日の生活や遊びのなかで楽しみながら知的に鍛えることです。私はそれを「楽勉」と言っています。

これは、一見遠回りのようですが、結局は一番の近道なのです。そして、子どもを勉強好きにするためには、これより他に道はないのです。このことを肝に銘じてほしいと思います。

勉強が好きな子、勉強を進んでやる子、勉強ができる子……、そういう子の家では必ずこのような楽勉を実践しています。楽勉という概念を意識してはいないかもしれませんが、同じようなことをやっているのです。このような知的な環境にない子が勉強を好きになることはあり得ないのです。ただ座ってやる勉強だけをやっていて勉強が好きになるということは、絶対にあり得ないのです。


では、楽勉について、もう少し具体的に見てみましょう。

たとえば、カステラを食べるときにただ切って食べさせるだけでは、知的に鍛えることはできません。次のようにやりとりしながら切ってやれば、分数について触れることができます。

 「4つに切った1つ分を4分の1というんだよ」
 「8つに切った1つ分は何というかな?」
 「カステラ8分の2と4分の2のどちらが食べたい?」

こういう経験があれば分数を教わるときに、おおいに興味をもてますし、またよく理解することができま。

普段から図形パズルで遊んでいれば、算数の図形の勉強はばっちりです。正方形、長方形、三角形、四角形、平行四辺形、台形、ひし形などの特徴も、体で覚えてしまいます。宿題で三角形と四角形の違いを描きなさいなどという問題がでても、楽々できます。

漢字の秘密を扱った学習漫画を読ませておけば、漢字について詳しくなります。漢字の歴史、部首の種類、同音異義語の使い分け、書き順の秘密など、漫画を読みながら学べるのです。

たとえば、小学2年生くらいだと次のような楽勉グッズがあります。お風呂で遊びながら「九九」を覚えられるパズルが100円ショップなどにあります。「5×3= 」の答えのところに、数字を当てはめます。同じように、足し算、引き算、割り算のものもあります。

時計の読み方を遊びながら覚えられるパズルもあります。この頃は、デジタル時計が増えているので、アナログ時計の読み方がわからない子が多いのです。パズルで遊びながら身に付けておけば、楽々マスターできます。宿題で時計の問題がでても、どんどんやれます。

小学2年生くらいですと、500以上の数が言えない子もいます。お風呂で数を数えるときに、いつも1から10ではなく、「今日は530から540まで数えてみよう」などと変化をつけるだけでも違います。

いつも漢字の書き取りだけではなく、粘土で漢字を作らせたり、クッキーで漢字を作って焼いてやったりするのも楽しいです。鉛筆ではなく、色鉛筆やクレヨンでカラフルな漢字を書くのも楽しいです。しかも、結構覚えます。

家の数カ所に温度計を設置して、日頃から次のような会話をしていれば、理科が好きになります。

 「今日は暑いね。何度あるか見てくれる?」
 「わあ、すごいよ。30度もあるよ」
 「どおりで暑いと思ったよ。おやまあ、2階はもっと暑くて35度もあるよ」

毎日の月齢がわかるカレンダーをトイレに掛けておけば、月の満ち欠けなどの天文に興味をもちます。各地の特産物が描かれた日本地図を掛けておけば、地理に興味をもちます。歴史年表を貼っておけば、歴史に興味をもちます。

リビングに地球儀や地図帳を置いてテレビで出てきたところを調べれば、地理が得意になります。星座カルタで遊べば、星座に詳しくなり天文に興味をもちます。百人一首や俳句カルタで遊べば、古典文学に興味をもちます。

親子で散歩して地域の歴史遺産について話してやれば、歴史が好きになります。小学生新聞を毎日読めば、いろいろな知識がぐんぐん身に付き、全ての教科にいい影響がでます。

その他、私がメールマガジンや著作で提案している楽勉をいろいろやってみてください。工夫すればいくらでもあります。日々の生活を知的な刺激にあふれたものにしてやってください。生活や遊びのなかで、楽しみながら遊びながら知的に鍛えてやってください。

親がその気になっていろいろな知的刺激をするようになると、子どものほうもどんどん知的になっていきます。そうすると、だんだん勉強が好きになっていきます。いろいろな例から、私はこれを断言します。

ただし、子どもに無理強いするのは厳禁です。それでは楽勉ではなく苦勉です。無理強いすると、かえってそれが嫌いになるだけです。「生活や遊びのなかで楽しみながら」という原点を大事にしてやってください。

勉強を好きにさせたい、宿題をどんどんやるようにさせたい、そう思ったら、親が楽勉の工夫をしてやることです。それも、一つや二つではなく、たくさんやってください。100でも200でもいいのです。親子で楽しみながらやってください。

しばらく続けているうちに、ある日突然、思いがけない形で、あなたはその効果を目にすることでしょう。そして、その効果の大きさに驚かされることでしょう。

そうしたら、ぜひ、私にメールをください。そして、共に喜びをわかち合いたいと思います。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。キューブさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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