中学受験は合格率25%

 

森上展安先生(森上教育研究所所長)


 実は私も驚いたのだが、今年の中学受験合格率は大変低かった。合格率の低さで言えばいわゆるお受験(小学校受験・幼稚園受験)が16%くらいで際立っているが、さすがにそれほどではない。では大体どのぐらいだと想像されるだろうか。

 これが25%なのである。25%といえば4人に1人しか合格しない。その率の低さは勿論、高校受験では考えられないし、比べるとすれば大学受験の難関校の実倍率に似ているだろうか。しかしすべてがそう厳しい倍率であろうはずはない。勿論、偏差値45以下に志望校を絞り込めば倍率は1倍台だ。しかし、中学受験の全体の受験者数の7割程が、この4倍の入試状況なのである。そして、その入試というのが偏差値にして70台、60台、50台のいわゆる上位校の入試であるという実状があるのである。つまり多少とも受けさせたい一定レベル以上の学校に人気が集中していることになる。

 このレベルの学校の数は、全体の三分の一(男子)か四分の一(女子)に満たない。しかし数にしてわずか3割足らずの上位校に受験生の7割が殺到しているという状況だ。これではいくら努力しても25%の合格確率だとすれば余りに実りがないことになる。そのためにも長くて重い負担を家族も本人も負わなければならない。またこれでは失敗がつきものだから、どうしてもと成功を願う親からすると非常にストレスの多い入試だということになる。 

 正直言って、計算してみるまでここまで厳しい入試だという実感がなかった。なぜそういう錯覚をしていたかと言えば、難関校といえども3倍前後という実態があったからだ。勿論、3倍前後だ、という事実は今も変わらない。例えば年によっては今春の武蔵のように急に易化した偏差値になれば4倍という数字に跳ね上がることもあるだろうが、むしろ例外というべきだろう。ひいては二番手や三番手となると、附属を除けば同じくらいの倍率と考えてもおかしくはないはずだが、そして以前は確かにそうだったが、近年は事情が変化した。というのは、これらの二番手、三番手の学校が2回に入試を分けて行うようになったし、又、慶應の系列校も今春の2月3日の中等部の移動も含めて併願がしやすくなった。つまり、ビッグネームの学校に受験生が何度も受験しやすくなった点が影響している。また、これまでの上位、中位とされる学校の頑張りもあって、東大などの大学受験も上昇していて受験生に人気が高いこともこうした入試事情を支えている。

 さらに、1月入試の郊外校の人気がこれに加わっている。1月入試の学校はもともと高倍率にはなりにくかったのが、近年の受験生の近県への拡大が影響して、急速に難化し、同時に倍率も厳しくなった。これらが偏差値50台以上25%の合格率という現在の状況をもたらした。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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