集中力をつけてていねいに物事を扱えるようになってほしい[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学校1年生の男の子です。宿題、片づけ、着替え、歯磨き等、日常の作業をやりきるのに、ものすごい時間がかかります。ボーッとしたり、他のことに気を取られたりして、遅くなっては、注意をされて、元の作業に戻り、ガァっと大雑把にやりきるので、「時間がかかる=ていねい」でもありません。文字も筆圧の薄い雑な字で、間違っても面倒くさいと消しゴムで消さずにグチャグチャに塗りたくって平気です。忘れ物も多く、10回、口で唱えることを勧めているのですが、そのこと自体を忘れてしまうのです。何とか集中力をつけてていねいに物事を扱えるようになってほしいのですが、私が注意しすぎではと心配です。何かアドバイスお願いいたします。(ともまあさん)

 

【親野先生のアドバイス】

ともまあさん、拝読いたしました。

「宿題、片づけ、着替え、歯磨き等、日常の作業をやりきるのに、ものすごい時間がかかります。ボーッとしたり、他のことに気を取られたりして、遅くなっては、注意をされて、元の作業に戻り、ガァっと大雑把にやりきるので、『時間がかかる=ていねい』でもありません」

このような場合、私がよくお勧めしているのは、ストップウオッチで時間を計るという方法です。タイマーや砂時計もいいかもしれません。時間を計ることの良さは、一種のゲーム的要素を持たせることができるということです。
なんといっても、子どもたちはゲームが好きですから、その習性を利用するわけです。

目標タイムを決めて、クリアしたら花丸をつけたり、シールを貼ったりというのもいいかもしれません。ストップウオッチでタイムを計り、タイムをクリアしたら、勇者の秘密アイテムをゲットできるなどとすれば、子どもがのってくるかもしれません。

秘密のアイテムは、時間が来るとボンッと爆発する時限爆弾型のタイマーというのはいかがでしょうか。おもちゃやさんに売っています。
検索サイトで「おもちゃ 時限爆弾 タイマー」などの言葉で調べれば、出てきます。

「文字も筆圧の薄い雑な字で、間違っても面倒くさいと消しゴムで消さずにグチャグチャに塗りたくって平気です。忘れ物も多く、10回、口で唱えることを勧めているのですが、そのこと自体を忘れてしまうのです。何とか集中力をつけてていねいに物事を扱えるようになってほしいのです」

筆圧の弱い子には、HBよりもBや2Bの鉛筆がいいと思います。
また、消しゴムで消さないで塗りたくっているのを見つけたら、その場で消させるといいと思います。「消しなさい」と言って消させてください。ただ、そのとき、余分なことは言わないことです。
「何度言ったら分かるの?」
「だらしがないね。もっとしっかりしなさい」などのような余分なことは言わない方がいいと思います。

言い始めると、どんどん言ってしまいますから。顔を見ると小言ばかりというような関係になることは、絶対に避けるべきです。かといって、なんでもいい加減にしてしまうのはよくありません。ですから、ただ淡々と「消しなさい」と言って消させればいいのです。それだけでも、ずいぶん違います。

いつも言っていることですが、このような状態を完全に改善するということは、かなり難しいのです。整理整頓ができないとか、字が雑だとか、ていねいでないとか……。このような状態を改善するのは本当に難しいのです。
ですから、まず、そのことを理解してください。とても多くの親や教師が、それを試みてきましたが、成功した人はどれだけいるでしょうか。ほとんどの人は、成功していないと思いますよ。

でも、まったくあきらめてしまってもいけません。それでは、いっそうひどくなるかもしれませんから。問題点に対して、具体的な方法を工夫して実際にやることが必要です。でも、あまり成果を求めすぎないで、淡々とやっていってほしいと思います。目指すところは、現状維持くらいにしておいたらどうでしょうか? もしくは、ほんの1ミリの進歩くらいです。そのくらいの気持ちでやってください。

「私が注意しすぎではと心配です」

これが一番心配です。
これで自信喪失になる子もいますし、親の愛情への疑いをもつ子もいます。
この弊害がとても大きいのです。

今のあなたは、我が子が苦手とする面ばかりに目が向いていませんか?
そこにばかり関心がいってしまい、その点だけが必要以上に大きくなっているのではないでしょうか?

我が子が苦手とする面には、具体的な手立てを考えて、それを淡々と進めながら、もう一方で、その子のよい面を伸ばすことがぜひとも必要です。

我が子がよくやっていることは何ですか?
その子が多くの時間を割いていることは何ですか?
それを大いに伸ばしていけるように手助けしてやってください。
そして、たくさんほめてやってください。
そうすると、あなたの関心もそちらに向くようになります。
親も子も楽しく明るい毎日を送れるようになります。

いい点を伸ばしてやっていると、自信をもってくるので、子どもは生き生きと輝いてきます。そうすると、だんだん苦手な面が見えにくくなってきます。
苦手とする面が消えたのでなくても、それが見えにくくなり、気にもならなくなります。

そのように育てていってください。
そうすれば、今悩んでいることは、自然に気にならなくなります。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ともまあさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A