パートナーの子育て参加は合格点!?
今回から2回にわたって、「父親・母親の役割」をテーマに報告します。皆さまは父親として、母親として、どのように子育てや家事を分担していますか? お互いがお子さまにとってどのような存在でありたいと思っているでしょうか? 教育発見隊メンバーの皆さまにご協力いただいたアンケートの結果から、パートナーが子育てにどのくらい協力的か、どのようなことに参加しているかなどが見えてきました。
パートナーの子育て参加、6割が「満足」
平成17年度版の「国民生活白書」(内閣府)では、子育てを担う世代の意識と生活に関する調査結果をまとめています。これによると、出生率が低下している要因として、結婚をしない人の増加や晩婚化に加えて、結婚や子育ての経済的・心理的な負担感の高まりが指摘されています。一方、いずれは結婚して子どもを持ちたいと考えている人が多く、理想の子どもの数も2.56人と、子育て世代の意識はこの20年以上大きく変化していないそうです。育児休業取得率の向上や保育サービスの拡充など、負担感を抑えるための国の対策が急がれています。
家庭のなかを考えても、夫婦にとって、子育ては二人の共同作業でありたいもの。さまざまな事情でそれが難しい場合もあるとは思いますが、周囲のサポートも得られないまま、育児も家事も一人の肩にのしかかっている状態が続いては大変。皆さまのパートナーは子育てにどのくらい協力してくれていますか? その協力の度合いに対して、満足していますか?——こうした現状を把握するために、教育発見隊メンバーの皆さまにアンケートに回答していただきました。ご協力くださった799名の方々、ありがとうございました。
「あなたは、パートナー(妻/夫)の子育て参加に満足していますか?」という質問に対して、「満足」(「とても満足」と「まあ満足」の合計。以下同じ)と答えた人は全体の約6割でした。家事への参加についても同様に尋ねたところ、5割強が「満足」と回答しました【図1、2】。全体的に見ると、パートナーに対する評価は家事よりも子育てのほうが高いようです。
【図1 あなたは、パートナー(妻/夫)の子育て参加に満足していますか?】

【図2 あなたは、パートナー(妻/夫)の家事参加に満足していますか?】

働きかけをあきらめないで
どのような理由で満足/不満足なのかを自由回答形式で伺ったところ、「満足派」「不満足派」ともにさまざまな意見がありました。以下、子育てについて満足/不満足な理由の一部をご紹介します。(カッコ内は子どもの学齢。以降同じ)
<パートナーの子育て参加に「満足」派>
- 子どもが小さいときに、夫が「幼児期は君の専門分野(=私が保育所に勤務していた)だから君が主体になって!! そして小学校に入学したら僕が責任をもつ」と言い、本当に実践してくれた。(高校生以上)
- もう少し子どもを見てほしいと思うこともあるけれど、本人の意識が向いていないのに無理に見てもらっても仕方ないと思うので。(小2)
- 主人なりに子育てに参加してくれている。(小3)
- 子どもはすでに手がかからない年齢なので、悩み事とかの相談にのってくれればいいと思っている。(小5)
- 仕事で忙しく、でも常に子どものことを考えてくれているので今のままで……。欲を言えば、もう少しということです。(小5)
- 現在は子ども二人とも中学生になってしまいましたが、かつて保育園の送りは毎日してくれていましたし、小さい頃はほとんど毎日子どもとかかわっていましたので、まったく不満はありません。(中学生)
<パートナーの子育て参加に「不満足」派>
- 子どもの機嫌がいいときはよく遊んでくれるが、泣いたりすると私に任せようとする。(小学校入学前)
- (父親は)朝早く出て夜遅く帰ってくるので、仕方ないかもしれない。でも、家事などはしなくていいから、せめて1時間でも子どもと外遊びする時間をもってほしいと思う。(小1)
- (母親である私に)任せると言われるが、とても悩む。大事な決断は一緒にするとはいえ、普段の生活においては私が決めなければならない。(小2)
- パートナーはとても参加しているつもりになっている。でも、実はそうではないということに気づいてほしい。また、子どもの送り迎えなどは思っている以上に時間がかかって大変だということにも気づいてほしい。(小5)
- 子どもと一緒にいられる時間は限られているので、その時間を大切にしてほしい。(小6)
- (父親が)転職してとても忙しくなったため、まったく家のことを顧みなくなりました。子どもが小さいときは本当によく面倒を見てくれたのだが、今はまったく見てくれない。忙しいのはわかるけれど、正直「これでは家族じゃない」と思うときもあります。(高校生)
ここで、少し興味深い結果が見えてきました。【図3】をご覧ください。
パートナーの子育て参加に「不満足」な人の9割近くが「もっと参加してほしい」と思うのは当然かもしれません(表の(1))。注目していただきたいのは、「満足」な人の半数以上が「(子育てに)もっと参加してほしい」と答えていることです(表の(2))。パートナーに対して、子育ての協力度合いに一定の満足感はあっても、できればもっと参加してほしい、と思っている人が多いようです。「満足」と答えた人の自由回答を見ても、パートナーの就労状況やパーソナリティなどを考えて、半ばあきらめの気持ちを抱いたり、自分でやったほうが早いから任せないなど、「できることならもっと参加してほしい。けれども現実的には……」という、いわば“限定付き満足”のケースが見られます。
【図3 パートナーの子育て参加に対する期待と満足度】

父親の参加度が高いのは、「子どもが病気のとき、面倒を見る」と「ごみを出す」
では、パートナーが子育てや家事に実際どの程度参加しているのでしょうか? アンケートの結果を見てみましょう(【図4】参照)。
【図4 あなたのパートナー(妻/夫)は、次のことをどれくらいしていますか?】
パートナーが参加する頻度がもっとも高いのは「子どもが病気のとき、面倒を見る」47.2%(「いつもする」「ときどきする」の合計)、「ごみを出す」46%(同)でした。これに「園・学校・習いごとなどへの送迎」38%(同)が続きます。逆に頻度が低いのは「子どもと一緒に外で遊ぶ」「掃除をする」で、9割以上のパートナーが週1〜2回以下と答えています。また、「寝かしつける」や「お風呂に入れる」は、ある年齢以上になるとそもそもの必要性がなくなるため、他の項目よりも低めの値が出たと考えられます。そして、今回質問した項目を「子育て系」と「家事系」とに分けてみると、全体的に子育てへのかかわりが多い傾向が見られ、パートナーに対する満足度とも一致しています。
今回紹介したアンケート結果をご覧になって、どのような感想をお持ちになりましたか? 皆さんのご意見を是非お聞かせください。次回は、引き続き「父親・母親の役割」についてです。今回最後に紹介した子育て・家事への参加頻度とパートナーの帰宅時間との関係は? 子育てに関する考え方の違いは? などについて報告する予定です。ご期待ください。
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