海外の習慣と自宅のしつけの兼ね合いに困っています[教えて!親野先生]

今週の相談

 

南米ボリビアでアメリカンスクール系の学校に通わせているのですが、学校からお金を持って帰ってきたり、お金を持っていっていないのに、買い食いをしてきたりすることがあります。先生の机の上から、50円程のお金を取ったり、友達のかばんからお金を取ってしまったりすることがありました。自宅では、買い食いは認めておらず、菓子等は自宅から持っていっているのですが、こちらの習慣で、幼少のころからお金を持たせて、自由に学校購買部で購入することが一般的なので、自宅とのしつけとの兼ね合いに困っています。泥棒することについては、何度も本人と話し合いをしましたが、どうしてするのかは本人にもわからないという状況です。最近は、このようなことはなくなりましたが、また突然このような問題が起こるのではないかと心配です。愛情が足りなのでは、との主人の言葉にも傷ついてしまいます。(ボリビアママさん)

 

【親野先生のアドバイス】

ボリビアママさん、拝読いたしました。

子育てはどの親にとっても初めてのことであり、ただでさえ難しいものです。ましてや、自分が育ってきた日本とはいろいろな面で事情が異なる海外での子育ては大変です。そこには、経験した人たちにしかわからない難しさがあると思います。

今回のご相談のお金についても、それぞれの国によって大きく事情が異なってくると思います。

「自宅では、買い食いは認めておらず、菓子等は自宅から持っていっているのですが、こちらの習慣で幼少のころからお金を持たせて自由に学校購買部で購入することが一般的なので、自宅との躾の兼ね合いに困っています」

小学校の中にある購買部で自由に買い食いをするという習慣は、日本にはないものです。ところによっては、ノートや消しゴムなどの文房具を扱う購買部をおいている小学校はあります。でも、お菓子を扱うところは日本中探してもないと思います。

そこで、親御さんとしては、その習慣とどう付き合うべきか悩むのは当然だと思います。ゆくゆくは日本に戻って来たいとお考えなら、なおさらのことです。

でも、目の位置を少し変えて、子どもの立場に立って見てみたらどうでしょうか。「幼少の頃からお金を持たせて自由に学校購買部で購入することが一般的」ということは、友達のほとんどはそうしているということなのでしょうか。ほとんどの友達が好きな物を買い食いしているなかで、自分だけできないという状況なのでしょうか。

もしそうだとしたら、これは子どもにとってはかなりつらい状況といっていいと思います。大人が思う以上につらいことだと思います。先生や友達のお金を取ってしまった原因は、その辺にあるのではないでしょうか。

ですから、私は、このケースでは、その学校の習慣に合わせた方がいいのではないかと思います。つまり、その子にもお金を持たせてやって、ほかの子どもと同じように買い食いをさせてやった方がいいと思います。その方が無理がなく自然だと思います。郷に入っては郷に従えというわけです。

そして、それを前向きにとらえてしつけに役立てていったらいいと思います。つまり、お金の使い方のしつけに役立てるのです。いわゆる金銭教育です。この機会に金銭教育をすると決意すれば、いろいろな可能性が見えてきます。

たとえば、毎日お小遣いを渡すやり方から始めて、1週間にいくらという定額制に進めていくこともできます。そうすれば、お金を計画的に使うようになっていきます。また、お小遣い帳をつけさせることで、自分のお金の使い方を振り返らせることもできます。

もしかしたら、学校での買い食いを許すと日本に帰って来てからが心配とお考えかもしれません。でも、私はそういう心配はないと思います。

というのも、日本では、学校で買い食いをすることなどそもそもできないのですから。

それに、ボリビアにはボリビアのやり方があり、日本には日本のやり方があるということは、きちんと話してやれば子どもにもわかります。いろいろなことが違うなかで、お金のことも当然違ってくるということが子どもにもわかります。ですから、日本に帰って来てしまえば、その辺のけじめはつくと思います。

私ができる範囲で、精一いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ボリビアママさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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