次世代を担う子どもたちの安全を守るために【後編】

次世代を担う子どもたちの安全を守るために 前編」では、学校安全と心のケアの充実に総合的に取り組む「子ども安心プロジェクト」や「学校への不審者侵入時の危機管理」など、国が子どもの安全に対してどう取り組んでいるかを文部科学省スポーツ・青少年局 学校健康教育課の井上惠嗣課長補佐にお話しを伺いました。「次世代を担う子どもたちの安全を守るために 後編」では、登下校の安全確保の捉え方と子どもの安全に対して、
文部科学省が果たす役割について、引き続き井上課長補佐のお話をお届けします。

登下校時の安全確保について

学校内の安全確保はもちろんですが、昨今は登下校時の安全確保が、大きな問題となっています。ところが、登下校時の安全確保は、学校だけの取り組みだけでは困難のため、学校や保護者だけでなく、地域の方々や警察などの協力が必要となってきます。そのためにも、学校からの地域への働きかけ、さらに学校と地域のより密な連携が必要となってきます。そこで文部科学省は、2005年12月6日に「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」という文書を、各都道府県教育委員会教育長等に対し発出しました。この文書では、安全な通学路の設定と定期的な点検の実施、登下校時の幼児児童生徒の安全管理の徹底などを呼びかけています。さらに、犯罪から子どもを守るための対策に関する関係省庁連絡会議が設置され、2005年12月20日には「犯罪から子どもを守るための対策」がまとめられました。この対策では、第一章の「登下校時の安全確保等のための対策」には、「緊急対策6項目」を掲げています。なお、この対策については今後、内閣府等から広く広報されることになっています。(下記参照)

<犯罪から子どもを守るための対策>
第一章 登下校時の安全確保等のための対策
 第1節 緊急対策6項目(全通学路の緊急点検、全ての学校における防犯教室の緊急開催、全ての地域における情報共有体制の緊急立ち上げ、学校安全ボランティアの充実、路線バスを活用した通学時の安全確保、国民に対する協力の呼びかけ)

 第2節 重点的に推進する事項

  1. 学校における対策(1学校の安全管理対策 2防犯教育の推進)
  2. 地域における対策(1犯罪を起こしにくい環境整備 2子どもを守るための諸活動の充実 3情報通信技術の活用)
  3. 犯罪対策(1取締りの強化 2再犯防止等)

 第3節 既に設置した事項(1内閣府における最近の対応 2警察庁における最近の対応 3文部科学省における最近の対応 4厚生労働省における最近の対応)


第二章 犯罪から子どもを守るための総合対策
 第1節 重点的に推進する事項

  1. 学校における対策(1学校の安全対策の充実 2防犯教育の充実 3学校施設の安全)
  2. 地域における対策(1犯罪を起こしにくい環境整備  2子どもを守るための諸活動の充実 3情報通信技術の活用)
  3. 犯罪対策(1取締りの強化 2再犯防止等)

 第2節 既に設置した事項(経済産業省における最近の対応)


このような取り組みの結果、地域全体で子どもを見守る環境が作ることができれば、犯罪の抑止力になりえます。また、子どもと地域の方々とのふれあいは教育的にも重要であり、さらに子ども自身が「自分は見守られている」と思えることが、大事なことなのではないでしょうか。さらに「いざというときに入りやすくするために、『子ども110番の家』を一度訪ねておくなど、様々な働きかけをしてほしいと思います」(井上さん)というように、普段の生活のなかで子どもと一緒に安全対策について考えたり、実際に試してみることも大切です。

子どもの安全に対して文部科学省が果たす役割について

このように子どもの安全について、国により数々の取り組みがなされていることはわかりました。ところがこうした情報は、保護者レベルまでなかなか周知されにくいものです。その点については、「施策や配布文書の内容などは文部科学省のホームページで広く開示していますが、広報活動についてはより盛んにしていけるように努めていきます。そうして、保護者や教職員、ボランティアの方など、なるべく多くの関係者に情報を提供し、協力を得たいと考えています」(井上さん)。保護者も教職員も、インターネットなどを通じて、今まで以上に「子どもの安全」に関する情報を収集していく必要がありそうです。

最後に改めて、子どもの安全に対して、文部科学省が果たす役割について、井上さんに伺いました。
「我が国の将来を担う子どもの安全確保は、文部科学省だけでなく、警察庁をはじめ関係省庁などとも連携し、国をあげて取り組むべき問題として捉えています。そもそも学校は子どもたちにとって、一番安全な場所でなくてはいけないはずです。ところが、その常識が今脅かされており、社会全体にとっても憂慮する事態となっています。こうしたなかで、学校安全の確保が充実するような環境を整備していくのが、我々の基本的な役割だと考えます。また、実際には各地域、各学校で実情に応じた安全対策が必要であるため、そうした学校や設置者が対策に取り組みやすいように材料を提示するのも、我々の大切な仕事となります。さらに、中央で関係省庁と連携がうまくいくように働きかけたり、各地域における学校と警察をはじめとする関係機関の連携を支援していくことも役割の一つです。このような取り組みの結果、子どもたちが安全に穏やかな気持ちで学習することができ、また自らの安全はもちろん、他人の安全も大切にするような考えや、態度を身につけることができると考えています。また保護者の皆さまのなかには、『共働きで協力したくてもできない』といったケースもままあると思いますので、それぞれの立場で今何ができるのかを、考えていただければと思います。さらに、地域の皆さまには、地域全体で子どもを見守る体制がとれるよう、学校安全のためのボランティア活動などに積極的に参加いただけるようお願いしたいと思います」

次の世代を担う子どもの安全は、社会にとって大事な課題です。国としての施策が必要なのはもちろんですが、保護者や教職員、地域全体が協力して取り組まなければならないということを、今一度意識したいと思います。

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