やっぱり?意外?な人気の職業
期間 2005/11/9・2005/11/15 有効回答数532人
お菓子屋、先生、スポーツ選手・・・皆さんが小さかったころ、なりたかった職業は何でしたか? ちょっぴり甘酸っぱい気分で昔を思い出しながら、今の子どもたちの夢・人気の職業や、その夢を支えるために保護者ができることは何か、一緒に考えてみましょう。
当時の夢、実現したのは7人に1人
今回の「親の夢・子の夢」についてのアンケートにご協力くださった532名の皆様、ありがとうございました。まずは、回答者ご自身が抱いていた子どものころの夢について、アンケートの結果をご紹介しましょう【図1】。子どものころ就きたかった職業が「あった」と回答した方は全体の約75%でした。そのうち、実際にその夢が「叶ってその仕事に就いた/以前その仕事をしていた」という方は14.3%で、85.7%の方は「叶わなかった」と回答しています。
【図1 子どものころ就きたかった職業はありますか? → その夢は叶いましたか?】

そんなお母さんご自身の経験から、子どもには夢を叶えてほしい、できるだけのサポートをしたい、とお考えの様子が、いただいた自由回答からも伺えます。カッコ内はお子さまの学年です(以降同じ)。
- 子どもに「お母さんは大きくなったらなりたいものがあった?」と聞かれ、自信を持って答えたが、私の夢は実現していなかった。子どもに「でもがんばったのに、普通の主婦じゃん!」と言われ、二の句が継げませんでした。子どもに夢を持ってもらいたいが、その夢に向かってのサポートができるか心配です。(小5)
- 親の考え方に縛られず、自分の力で将来を築いてほしい。自分が本当にやりたいことが何かわからないまま大人になってしまったので、同じ思いをさせたくない。(小6)
- 自分(のなりたかった職業)が、親に「そんな職業つまらん」と言われたことで進路から外した経験がある。多分、親は大変さを伝えたかったのだと今は思うけれど、私には否定されたように感じた。自分の体験から、親の意見の表現の仕方には気をつけたいと思った。(高校生)
- 私が小さいころ、将来の職業をじっくり考える機会はなく、親からもっと早く真剣に見聞を広げてもらっていれば良かったと思う。わが子にはたくさんの職業があることなど、折りに触れ親子で考えていきたい。(小3)
そこで、子どものころ就きたかった職業を具体的に伺ったところ、【図2】のような結果となりました。
【図2 親の夢!・子どものころ就きたかった職業 トップ10】
※ 回答者の方のうち98%が母親、2%が父親である点にご注意ください。このため、女の子がなりたい職業が上位にきており、野球選手や運転士など、女の子より男の子に人気の高い職業は上位に入っていません。
ご覧のとおり、上位には「せんせい」として子どもと接する、親近感の高い仕事が並びました。また、当時(ン年前?!)はやっていたテレビ番組や歌手の影響も伺え、メディアの世界が子どもに与えるインパクトは今も昔も変わらないことがわかります。なかには、幼少期から高校生までの夢の「遷移ぶり」を、最大で6種類(=6つの職業)、順に説明してくださった方もいました。
「好き」が夢へとまっしぐら!
【図3 子の夢!・子どもが就きたい職業 トップ10】
次に、「子どもが就きたい職業」のトップ10を示したのが【図3】です。これは男女・全学年を合計したものです。そこで、ご参考までにベネッセが2005年に発表した別の調査(「第1回子ども生活実態基本調査報告書」)より、男女別と学校段階別の「将来なりたい職業」の結果をご紹介します【図4】。
【図4 学校段階別・男女別 子どもが就きたい職業 (第1回子ども生活実態基本調査報告書より)】
これらの結果から、小学生のなりたい職業は、実現の可能性に捉われないストレートな憧れが反映されているようです。ところが、中学生、高校生と学年が上がるにつれて、しだいに現実的で比較的安定した、社会性の高い職業志向へと変化していく様子が見られます。
- 将来についてはまだ「夢」の段階だと思います。好きなことを好きなようにやれるということを夢見ているようですが、実際はそんな甘くはありません。現実に目を向けさせることが必要かな?とは思いますが、まだ夢を見させておいてもいいかなという気持ちもあります。(中学生)
- まだ小学1年生なので、子どもも私も将来について具体的に考えてはいない。しかし、なりたい職業ができたときに精一杯、取り組める力を子ども自身に身につけてほしいと思う。挑戦しないであきらめるのと、挑戦してダメなことがわかって違う道を進むのでは、雲泥の差だと思うので。(小1)
- まだまだ世の中のことをよくわかっていないと思います。だから身近な人が就いている職業に簡単に影響されますが、本当に自分がしたいと思うことは、何なのでしょうね。自分の内から出てくるような、やりたい職業に、早い時期に気がつけばラッキーだなと思います。(中学生)
このように、「教育発見隊」アンケートの自由回答からも、子どもが目を輝かせて話す夢と、今後ぶつかるであろう壁や現実との差について、特に小さな子どもを持つお母さんが考えたり、悩んだりしている様子が伺えます。
夢と現実のはざまで・・・保護者ができること
保護者としては、わが子の夢が叶うことは無上の喜び。ですが、叶えるのは子ども自らの意志や意欲、知力、体力です。そんな子どもをどう見守り、サポートしていくか--「教育発見隊」アンケートの自由回答で多く見られたキーワードとしては、「選択肢を広げる」「(基礎)学力をつけさせる」「経済的支援」などがありましたが、それ以外にもさまざまなご意見をいただきました。
- どんな職業に就くにしても、最低限学力は必要ですので、勉強するのは自分の夢のためなんだと子供に教えています。いつかはっきりと目標を見つけた時、全力で応援できたらいいなと思っています。(小1)
- 仕事をするということは、それなりの責任を担うことだから、嫌なことでも我慢しなければならないこともある。決して楽な方に流れることはしないでほしい。よい社会人になることが大切だと思うので、高学歴にはこだわらず、人間性を広げていけたらいいと思う。(中学生)
- 自分の力で生きていける(食べていける)ようになってほしいし、なってもらわないと困る。最低限の親の願いですが、今の世の中ニートという存在もあり、あたりまえのことが難しくなっているのかな・・・と感じます。そのための資金づくりは今からコツコツがんばっています。最悪(?)、大学院まで×子供の人数だとめまいがしそうですが・・・日々がんばっています。(小3)
- 女の子の母親です。女性の社会進出は進み、社会的な地位を得ている人は増えてきていますが、制度的に働く女性をサポートできるまでには至っていないと思います。娘達が働きながら育児ができる制度が充実してほしいと思っています。(小2)
将来の夢を実現するためには、学習、周囲との人間関係、子ども自身のやる気や自信、それぞれの積み重ねが欠かせませんね。ベネッセの調査などでも、今どきの子どもは自分を前向きに捉えている傾向が見られる一方で、他人の目を非常に気にしたり、わずかな挫折や気分の落ち込みに弱い、デリケートな一面も持っているようです。
そんな子どもたちを立派に成長させるためには、家庭での豊かなコミュニケーションや、豊かな体験が欠かせません。大人になるということがどういうことなのか、社会に出るということがどういうことなのか、職業を持つことの大切さ、充実感、達成感など、ひとつひとつゆっくり話をして、子どもの考えを聞いてあげる、そして徐々に将来について一緒に考えてみる。このような時間をかけたコミュニケーションが、親子の信頼関係を強くし、やがては「生きる力」や将来の夢や就きたい職業に就くための力を養う土台になるのではないでしょうか?
「夢」を描く力の源は、子ども自身が「自分自身を前向きに捉えている」ことから生まれてきます。次回は、夢の実現に向けた子どもの姿勢・努力や学力との関係などを学年別に見ることで、将来の夢を夢で終わらせないためのヒントを考えてみたいと思います。
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