[調査]保護者と学校のかかわり

文科省は6月18日に「義務教育に関する意識調査」を発表しました。この調査は現在進められている中央教育審議会などに反映され、今後のわが国の教育政策に大きく影響するものです。その膨大な調査のひとこまに保護者の考える学校の姿があります。保護者は学校とどう関わりを持とうとしているのでしょうか。

過去に例のない本格的な調査

今回発表された『義務教育に関する意識調査』は、文科省から2004年度にベネッセコーポレーションが委嘱されて行ったものです。調査対象は、小学校児童、中学校生徒、小・中学校の保護者、小・中学校の校長・教頭・一般教員、学校評議員、教育長、首長で、約36000名を対象として7種類の調査を当社が今年の3月に同時に行いました。

これほどの大規模な調査は実は過去に例がありません。この調査結果を、今後文科省は義務教育改革や次期教育課程改訂など、さまざまな教育政策に活用したいと考えているようです。現在審議中の中央教育審議会などでデータに基づく熱い議論が生まれそうです。

今回は中間発表ですが、分析結果などを載せた最終の報告書は10月ごろになる予定です。

もちろん貴重な調査結果ですから、これからこの教育ニュースハイライトのコーナーでも、順次さまざまな視点で紹介したいと考えています。今回は、その中から「保護者と学校のかかわり」をテーマに扱おうと思います。

学校参加は母親が多いが、「学校への期待」では父親も母親も同じ傾向

調査によれば、1年間学校に出向いた回数は全体的には3〜5回が37%で最も多いのですが、6〜9回が27%、10回以上も27%です。9割以上の保護者が年に3回以上は学校に出向いています。

子どもの担任に会った回数も3〜5回が45%、6〜9回24%、10回以上14%という結果です。ただ、回数の多さでは父親に比べて断然母親が多いという結果が出ています。

出席・参加した行事や活動では、運動会や学芸会などの学校行事、授業参観、学級懇談会(保護者会)、先生との面談、PTAの活動などです。これも母親の参加が多いという結果です。

ところが、面白い調査結果として「もっと学校の活動に参加したり、先生に協力したいと思いますか」の質問には、父親も母親もほとんど同じで「とても思う+まあそう思う」の合計が7割を超えています。

そのためか「子どもが通う学校に望むこと」では、父親と母親はほとんど変わらない調査結果でした。小学生の保護者と中学生の保護者の場合もほとんど同じです。その調査結果の「とても望む+まあ望む」のスコアですが、次のようでした。

【子どもが通う学校に望むこと】

1 子どもの学校での様子を保護者に伝える 97%(93%)
2 学校の教育方針を保護者に伝える 93%(88%)
3 保護者が気軽に質問したり相談できるようにする 92%(84%)
4 講演会などで子育てに役立つ情報を提供する 74%(59%)
5 休日や放課後に子ども向けの体験活動やイベントを開催する 63%(62%)
6 いつでも自由に学校を見学できるようにする 62%(52%)
7 学校で使っていない施設やスペースを保護者や地域に開放する 58%(58%)
8 保護者がボランティアで学校を支援するしくみをつくる 51%(50%)
9 学校の教育方針を保護者の代表が参加する委員会で決める 37%(33%)

(  )内は父親の数値

学校が一層開かれたものになることへの「期待」が、母親同様に父親にも強く表れている調査結果と考えることができます。学校への高い期待の現われともいえますが、単に学校への一方的な要望や、要求になってしまっては、家庭と学校の相互でともに作り上げていくべき教育は成立しにくくなるでしょう。

学校の果たすべき説明責任(アカウンタビリティー)と、家庭の学校教育に対する基本理解、そして「共育」の姿勢が欠かせません。

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