地震・台風・火事といった天災は、ある日突然起こるもの。
しかし、「実際、災害が発生したら、何をするのが正しいの・・・? うちの子は大丈夫・・・?」など、実は大人でもわからないことがあります。
そこで今回は、保護者のかたがいない状況下でも、お子さま自身が適切な判断できるように、防災の知識をクイズ形式でご紹介します。危機管理教育研究所の国崎信江先生が監修。9月1日の防災の日のタイミングに、ご家族でぜひチャレンジしたり共有したりしてくださいね。
家にいる時に大きな
地震が起こったら?
ABどちらか1つをタップしてください
-
- トイレに避難する
-
- 廊下に避難する
トイレの安全神話は昔の話
閉じ込められる危険も
以前は、柱によって囲まれているトイレは住宅の中でもっとも安全な場所、と言われていました。ただ柱の多さよりも「耐力壁(地震など横からの力に抵抗して建物を支える壁)」の多さが重要で、トイレを含む部屋の仕切り壁が必ずしも耐力壁とは限りません。
むしろ、トイレに避難していると揺れでドア枠がゆがんで、扉が開かなくなってしまう危険があります。特にマンションなど、窓のないトイレの中に閉じ込められたら脱出は困難です。
お子さまが一人で家にいるときに大きな地震が起きた際は、「まずは物の少ない廊下へ。もしもトイレに入っている場合は、いつでも出られるように、必ずドアを開けて」と伝えましょう。
自転車に乗って帰宅中、
雷の音が聞こえてきたら?
ABどちらか1つをタップしてください
-
- 自転車を停めて
近くの建物の中に
入る
- 自転車を停めて
-
- 雷の音が
小さいうちに
急いで自宅に帰る
- 雷の音が
雷鳴が聞こえる
範囲すべてに
落雷の可能性アリ
雷雲の下ではいつ落雷してもおかしくはありません。音が小さいと、「まだ遠いから大丈夫」と思いがちですが、速やかに建物の中に避難するのが正解。車や電車など乗り物の中も安全です。
また直撃しなくても、雷が自分のそばに落ちた場合、落雷の電流が飛んでくる「側撃雷(そくげきらい)」を受けてしまうおそれも。特に木の下や建物の軒下で雨宿りするのはとてもキケンです。
雷に当たった場合の死亡率は直撃で90%、側撃雷で70~80%です。雷鳴が聞こえたら建物の中へ逃げることをぜひ徹底してください。
冷たい風と共に
積乱雲が近づいてきた!
これから何が起こる?
ABCDどれか1つをタップしてください
-
- ひょうが降る
-
- 雷が落ちる
-
- 竜巻が起こる
-
- ゲリラ豪雨が
発生する
- ゲリラ豪雨が
地球温暖化の影響で海面温度が上昇し、積乱雲が発生しやすくなっています。積乱雲は発生から消滅までわずか1時間程度。ひょう、雷、竜巻、ゲリラ豪雨をもたらし、あっという間に大きな災害をもたらすことも少なくありません。
「大気の状態が不安定」と予報が出されたら、その日は積乱雲による災害が起こることを想定し、天候に合わせてご家族の予定を見直しましょう。
もしも屋外にいるときに積乱雲が近づいてきたら、すぐに頑丈な建物の中に避難します。建物内では突風などでガラスが割れてケガをしないよう、カーテンを閉めて窓から離れてください。
ひょうが降ったときの
避難方法
ひょうは直径50~100mmほどの大きさが普通ですが、天候条件が重なるとピンポン玉くらいの大きさになります。
2022年に発生したスペインの巨大ひょうは最大100mmを超える大きさで、死者も出ました。ただしひょうは一般的に数分~10分程度でやみます。外にいる時に降ってきたら、かばんなどで頭を守りながら移動し、建物の中でやむのをじっと待ちましょう。
竜巻が発生したときの
避難方法
竜巻の直径は数十~数百mで、猛烈な風力で進んでいきます。周囲のものを吹き飛ばすので、車の中に避難するのはむしろキケン。
ただちに鉄筋コンクリートでできた頑丈な建物の中や地下に逃げてください。
ゲリラ豪雨が発生したときの
避難方法
局地的に猛烈な雨が降ると、河川の氾濫、洪水、冠水などが起こる可能性があります。川や用水路のそばは通らず、浸水しない建物に避難しましょう。
水は低い所へと流れるので、地下浸水のキケンもあります。地下施設にいる場合は速やかに地上に移動しましょう。浸水が始まるとエレベーターが使えなくなることがあるので、階段での避難を選びましょう。
防寒・トイレ・給水袋など多用途に使える 黒のポリ袋(45Lサイズ以上)
災害の際の体温保持、トイレの目隠し、突然の雨、休憩で座りたい時に万能に使えるのが45Lサイズ以上の黒のポリ袋です。頭と腕の部分に穴を開けて着用すれば防寒具や雨具に、そのまま広げて座れば敷物になります。
長時間トイレがない状況に置かれたときはポリ袋に頭を通す穴を開け、ポンチョのように被ってしゃがめば目隠しをした状態で用を足すことが可能。さらに給水袋にするなど、物入れとしても便利です。
コンパクトに畳めるのでかばんのポケットなどに常備しやすいです。
貼るだけで応急処置ができる 止血AID(止血用パッド)
止血AIDを傷口に貼ると、出血を止めることができます。災害現場ではすり傷、切り傷を負う可能性が高いです。すぐに病院にかかれない場合、止血AIDがあれば応急処置に役立ちます。
止血AIDは、ハンカチや包帯などで固定するとよいです。
長時間閉じ込められたときにも 携帯トイレ
電車内やエレベーター内に閉じ込められるなど、非常事態に備えて持ち歩きたいのが携帯トイレ。交通渋滞やレジャーでも役立ちます。ティッシュと一緒にかばんに入れておきましょう。
スマホと一緒に常に携帯 モバイルバッテリー
中高生のお子さまはスマホを持って通学する場合もあると思います。スマホは連絡手段だけではなくライト代わりにもなるので災害時はとても重宝します。電源切れに備えてモバイルバッテリーを持ち歩くことをおすすめします。
- ※モバイルバッテリーの持参については校則に従ってください。
防災の正しい知識を身に付け、できることから備えを始めてみることが被害を小さくする第一歩になります。いざというとき、お子さまと離れていても連絡がとれるように、公衆電話や災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を教えておくとよいですね。
お子さまに限らず、大人も緊急事態になると電話番号を思い出せないことがあります。家族や親せきの電話番号はメモ帳やカードに記し、落とさないようにあまり開閉しないポケットに入れて持ち歩くようにすると安心です。