親子でできる在宅避難への備え 楽しむ備蓄で不安を安心へ! 【withコロナの防災】

毎年9月は防災月間。「水害や地震で在宅避難になった時の備えをしておきたい」と考えている方も多いのではないでしょうか? 地域や親子の防災活動に力を入れている名古屋市港防災センター長の大場玲子さんより、親子で一緒にできる「在宅避難のための備蓄」をお伝えします。

この記事のポイント

停電したら何が起きるか、知っていれば準備できる

災害時でも、家が安全であれば「在宅避難」が基本です。それは、新型コロナの感染拡大防止にもなります。しかし、災害時にしばしば起きるのが停電。停電になると、エアコンが効かない、冷蔵庫が冷えない、ポンプで水を汲み上げるマンションでは断水が起きて水道やトイレが使えない、電動駐車場では車が出せない。そして、夜は真っ暗。……想像すると気持ちが萎えてしまいます。でも、実はこの状況はキャンプに似ています。
キャンプに行くと、電気がなくて夜は真っ暗。水は自分たちで運んでこなくてはならないし、電子レンジもない。そう、キャンプをすれば、災害時に必要な知恵や工夫がわかるのです。コロナ禍で不自由を強いられている方も多いと思います。そんな中、お子さんと一緒に、“自宅でキャンプあそび”をしてみてはいかがでしょう。大切なのは、「不便なことを楽しむ」気持ち。停電を体験し、その時に備えることをオススメします。

親子一緒に、在宅避難の予行演習を

停電、断水を前提として自宅に備蓄しておきたいのは、停電で不安にならないためのヘッドライトや部屋を照らすランタン、簡易な食事準備に使えるカセットコンロ、そして水です。
家族がお休みのある日、「今日は電気を消して、家でキャンプしてみようか」と言うと、お子さんは喜ぶのではないでしょうか。ヘッドライトやLEDランタンをつけて明るさを確認し、保存している水や食料などで夕飯を準備し、食べてみる。そして、断水中だと想像し「手や食器をどうやって洗う?」「トイレをどうする?」と、お子さんと話をしてみましょう。
災害対策だと思うと億劫になりますが、楽しい視点を加えて「特別な日」の感覚で試してみると、「これが必要だね」「もっと、こうしよう」と、きっと親子で気づきがあるでしょう。こうした日常の予行演習が、モノの準備だけでなく心の準備につながるでしょう。
停電になってもライトがあれば安心できることを体験しておくと、いざという時に「うちは大丈夫。さぁ、ヘッドライトをつけよう」という落ち着きと行動につながります。

食料備蓄は食べ慣れているもの+特別感のあるものを

次に、食料の備蓄についてお話しします。
皆さんは、「災害用に特別な食料を備蓄しなくては」と思っていませんか? そんなことはありません。調理が複雑なものを避け、そのまま食べられるもの、カセットコンロでお湯を準備したり温めたりすれば食べられるものでかまいません。特に、お子さんが好きなレトルト食品や保存のきくラーメンなど、ふだん食べ慣れたものがいいですね。それらを、災害時用を含めて少し多めにストックし、[食べる→補充する]を習慣にしましょう。また、缶詰は保存がきくし、開けたらそのまま食べられるので便利。お気に入りの缶詰があれば、いろいろな種類をそろえて楽しむのもいいですね。せっかく備蓄するなら、保存がきいて、便利なうえ美味しいもの、食べ飽きない好きなものがオススメです。
最近は、水やお湯を加えるとご飯になるアルファ米、パンやおでん、ハンバーグの缶詰など、災害備蓄用食料もたくさん売られています。それらを、先ほどお伝えした「自宅でキャンプあそび」の時に試してみるといいでしょう。
「今日は台風だから、お気に入りの鯖缶ととっておきのフルーツ缶を開けてみようか」と、特別感を持ってお子さんと食事してみるといいですね。不安な状況になったとき、食べ慣れているものと特別な食料があれば、お子さんはもちろん、大人も不安を和らげることができます。
災害時には、商店も被害を受けたり、買い物客が殺到したりして欲しいものが入手困難になることも考えられるので、食料備蓄は大事です。災害が起こった時、どのような食事をするのか? 普段から楽しく実践しておくといいですね。

<在宅避難に備蓄しておきたいもの>
□電源(乾電池、モバイルバッテリーなど)
□電灯(最低一人1つのヘッドライト、各部屋にLEDランタンまたは懐中電灯など)
□熱源(カセットコンロ、ボンベ)
□ラジオ
□トイレ用品(非常時用トイレ〈凝固剤、ビニール袋など〉、トイレットペーパー)
□水の保存用(ポリタンク、バケツ)
□ポリ袋、ゴミ袋
□ウエットティッシュ、消毒剤(消毒用アルコール、ハンドソープ)
□マスク
□体温計

□飲料水(一人一日3リットルが目安)
□食料(一週間分を備蓄)
□常備薬(お薬手帳なども一緒に)

まとめ & 実践 TIPS

停電や断水を想定した自宅の備蓄は、「やらねば」ではなく、「親子一緒に楽しもう」という気持ちを持つといいですね。食料は好きなもの、食べ慣れたものがオススメ。不便なことを楽しむくらいの気持ちで、お子さんと一緒にキャンプあそびで停電や断水を疑似体験しておきましょう。
また、コロナ禍では自宅でも衛生面の準備や体調管理を忘れずに。

プロフィール

大場玲子

大場玲子

名古屋市港防災センター センター長(指定管理者:丹青社・コニックス共同事業体)
名古屋市生まれ。2008年名古屋大学生命農学研究科博士課程修了。日本科学未来館で科学コミュニケーターとして勤務。2011年東京で震度5弱の震災を経験。地元名古屋で出産育児を経て、2012年より名古屋市港防災センター副責任者となり、2016年より現職。幼児と小学生の2児の母。学芸員、防災士として防災普及啓発活動をしている。
名古屋市港防災センターHP
https://www.minato-bousai.jp/

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