思春期によくある「起立性調節障害」 家族はどう向き合う?

思春期によくある「起立性調節障害」 家族はどう向き合う?朝起きられず、学校も休みがちに……。自律神経系のアンバランスによって、しばしば思春期に発症する「起立性調節障害」。もし我が子が診断されたら? 起立性調節障害の専門外来を持ち、数多くの子どもたちの治療に当たってきた、もりしたクリニックの森下克也氏に起立性調節障害の適切なサポートについて伺った。

 

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起立性調節障害の子どもに話を聞くと、「学校に行きたくない」と言う子はまずいません。「行きたいけど行けない」「体調がよくなったら行く」と言うのですが、その裏にはしばしば「行きたくない」気持ちが潜んでいます。学校のある日の朝に症状がひどくなるようなら、本人が何かストレスを感じていないか気にかけ、よく話を聞いたうえで、どうすればよいか一緒に考えてあげてください。本人が自分のストレスや悩みに気付き、向き合うことが症状の改善につながります。

 

「起きなさい!」「怠け者!」などと叱り飛ばしていると、症状の悪化を招くばかりか、子どもの自立心の芽を摘むことになります。一方、「調子が悪いなら寝ていていいよ」と放置していると、子どもは「病気だから学校に行かなくていいんだ」と思い、無意識のうちに病気を利用するようになります。すると、病気が治りにくくなるばかりか、目の前の課題を乗り越える力が育たなくなります。一番の問題は、病気を理由に「逃げ癖」がついてしまうことなのです。

 

起立性調節障害をもつ子どもたちの多くは、「このままではいけない」と思いつつ、悶々(もんもん)としながら日々を過ごしています。当面の生活に問題がないうちはなかなか治りませんが、受験や、留年や退学といった事態に直面して初めて、動き出すきっかけをつかめる子が多いようです。具体的な目標ができたり、自分の在り方に自信を持てたりすると、表情もはつらつとしてきて「もう大丈夫」と思えます。

 

思春期の子どもは、自立心が育ちきっていない「未熟さ」ゆえに、心身に現れるさまざまな症状に負けてしまいがちです。自立心の成長には時間がかかります。「今は仕方がない。でも、いつかは自分で動き出さなければいけないときが来るんだよ」などと声をかけて、本人が自立心を育て、この先もさまざまな課題と向き合っていけるよう、子どもを信じ、長い目で見守ってあげてください。

 

出典:なぜ、朝起きられない? 身近な病気、起立性調節障害【後編】 -ベネッセ教育情報サイト

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