オープンキャンパスで保護者がすべきことは?

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夏休みに向けて、オープンキャンパスの開催が本格化していきます。
コロナ禍の影響でオープンキャンパスがWebで行われるようになり、現地に行かなくても大学の情報が得られるようになりました。

しかし、リアルな場だからこそ感じられることもたくさんあります。
高校生本人に一緒に行ってほしいと相談された時はもちろん、本人に行く気配がない場合は、ぜひ保護者のかたから声をかけて一緒に参加してみてください。

事前準備で気を付けること

(1)早期に予約する

現地でのオープンキャンパスでは、事前予約・定員制で、同伴者の人数を制限する大学も多く、早めの動き出しが必要です。
申し込みが遅れて、行きたい大学のオープンキャンパスに参加できないとなると、特に高校3年生の場合、気持ちのうえでマイナスに働きかねません。
志望大の案内状況をすぐにホームページで確認するよう、高校生本人に促してください。

また、高校1・2年生の時に現地でのオープンキャンパスに参加できていない高校3年生も多いと思います。
これからの時期、勉強に時間を使うべき、という考えもわかりますが、第一志望大の変更もありえます。

受験する可能性がある大学には一度足を運んで、大学および周辺の状況を知っておいたほうが、安心して勉強に集中できるようになります。
高校1・2年生についても、学校推薦型・総合型選抜の充実によって、早期に志望大を決めることが求められるようになってきていますので、オープンキャンパスに積極的に参加し、どの大学で何を学ぶのか、ということを早期に考えてもらいたいと思います。

(2)行って何をするか、を考える

オープンキャンパスでは、一般的に、学部・学科ごとの模擬授業や入試に関する説明会、キャンパスツアー、保護者向けの説明会などが行われます。
加えて、ブースを設けて、高校生からの進路相談や保護者からの寮や学費・奨学金などに関する相談を受け付けてくれるところもあります。

高校生本人は模擬授業や入試に関する説明を中心に、保護者は保護者向けのプログラムやお金に関することの情報収集や相談を中心に、と分担をして、それぞれどのプログラムに参加するか、計画を立てておきましょう。

また、大学のキャンパスはとても広いので、キャンパスマップや地図アプリなどで広さを確認し、どれくらい歩くのかイメージしておきましょう。
どの建物にもだいたいエレベーターはありますが、多くの人が集まるなかでは階段での移動が多くなります。

さらに、屋外はとても暑い時期です。
体力に自信のない保護者は、疲れを訴えて高校生本人に気を遣わせないように、余裕のある計画を立てましょう。

保護者はスーツなどのフォーマルな服装をしていく必要はありません。
熱中症にならないような、かつ、相手に失礼にならないようなカジュアルな服装でOKです。

保護者が現地で見るべきこと

現地では、大学のホームページやパンフレット、募集要項などからはわからないことを見てきましょう。
それは主に次の2つです。

(1)周辺環境

自宅から通う場合は、駅などから大学までの環境・安全性を、自宅を離れることになる場合は、寮や賃貸物件などの住宅環境も含めた周辺の状況を確認しましょう。
大学の近くには学生用の物件専門の不動産業者があることが多いので、店頭の賃貸物件の貼り紙も要チェックです。

保護者向けの説明会や相談会などでは、生活まわりのことについて、在学生の状況等を確認することができますので、通学、住居、奨学金、アルバイトなど気になることがあれば、しっかり質問や相談をし、安心できる材料を持ち帰りましょう。

(2)本人の様子

駅を出てから大学までの間、校門を入ったところ、模擬授業の体験が終わったところなど新しいものに触れた時に高校生本人がどのような表情をしているのか、きちんと見ておきましょう。

大学周辺の地域、キャンパス内、授業、すべてあわせて大学生活です。
それらに求める充実度のバランスは人によって違いますが、もし高校生本人がネガティブな第一印象をどこかで抱いているとしたら、できるだけポジティブな気持ちになれるよう、大人の目でその大学のよい面を探してアドバイスをしてください。

せっかく縁あって志望大として考えた大学なので、ポジティブな気持ちで受験に向かうことが合格に、そして入学後の活躍・成長にもつながります。

まとめ & 実践 TIPS

「この大学に行きたい」という気持ちを高めることが、勉強へのモチベーションにつながります。
ポジティブな気持ちでオープンキャンパスへの参加が終えられるようにサポートをしてください。

特に高校3年生の場合は、以後の勉強のギアをトップに持っていくための切り換えの場としても意識させましょう。

現地でのオープンキャンパスに同行しない場合も、Webでのオープンキャンパス、地図アプリ、賃貸物件検索サイトなど、大学や周辺の情報を収集できるツールはたくさんあります。
ぜひ高校生本人と一緒に確認してください。

プロフィール


西島 一博(にしじま かずひろ)

ベネッセ文教総研所長。株式会社ベネッセコーポレーションで、高校、中学校、小学校対象のさまざまな教材開発に携わる。2016年度より高校用教材・生徒手帳などの制作・販売を行うグループ会社、株式会社ラーンズの代表取締役社長を務め、2021年度より現職。ベネッセ文教総研では、主として中高接続、高校教育、高大接続の領域での研究、情報発信を行っている。

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