2022年首都圏私立中学受験者動向分析・男子校・共学校編

2022年2月18日に森上教育研究所が主催する「2022年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーがオンラインで行われました。今回は、サピックス小学部広野雅明氏の発表をもとに男子校と共学校の今年の中学入試の入試日別の志願者数の増減や合格者の偏差値分布の推移といった動向を詳しくお伝えします。

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>>【中学受験】2022年の特徴は?首都圏私立中学受験者動向分析

入試日別入試動向

1月校(男女合計)

1月には主に埼玉と千葉で入試が行われました。この1月校の中で志願者数を大きく伸ばしたのが栄東です。特にA日程は昨年比157.9%の増加となり、合計で7,000人近くが受験しました。千葉、埼玉が遠いというかたにとっては佐久長聖の東京入試が人気を集め、昨年比189.8%と人気を集めました。

志願者数1月校(男女合計)

受験校名 募集回数 2022年 2021年 2020年 昨年比
栄東 A日程(10日) 4709 2983 6220 157.9%
市川 1回 2457 2463 2736 99.8%
洪谷幕張 1次 1921 1758 2142 109.3%
佐久長聖 東京入試① 2840 1493 1529 189.8%
東邦大東邦 前期 2233 2258 2500 98.9%
立教新座 1回 1802 1741 1929 103.5%
栄東 B日程 2907 2789 2799 104.7%
栄東 東大特待I(4科型) 1262 1205 1274 104.7%
栄東 A日程(11日) 2303 3061 75.8%
早稲田佐賀 1月入試(首都圈) 567 537 671 105.6%
開智 先端1 1427 1448 1513 98.5%
芝浦工大柏 1回 1197 1134 1107 105.6%

学校別のサピックス生の合格者の偏差値分布の過年度比較を見てみると、志願者の増えた栄東は偏差値52~68以上の成績上位層が増えています。渋谷幕張についても、偏差値60未満の層が減り、64~68以上の上位層が増えています。いずれも明らかに昨年より難しくなりました。近年難化の進む大宮開成も偏差値40~52以上が増えさらに難化が進んでいます。

2月1日午前(男子)

2月1日午前入試においては、武蔵が昨年比109.6%、芝は106.9%、麻布が106.0%と志願者数が増加しました。逆に駒場東邦は87.6%、サレジオ学院は89.0%とやや減少しました。サピックス生の合格者の偏差値分布を見ると、武蔵は偏差値の低い層の合格者が減り偏差値60以上の上位層の合格者が増加し、受験生が増えた分難しくなっています。

志願者数 2月1日午前(男子)

受験校名 募集回数 2022年 2021年 2020年 昨年比
開成 1206 1243 1266 97.0%
麻布 934 881 1016 106.0%
駒場東邦 565 645 605 87.6%
𪊴應普通部 619 603 634 102.7%
早稲田 1回 756 798 864 94.7%
海城 1回 545 551 539 98.9%
早大学院 470 448 460 104.9%
武蔵 640 584 601 109.6%
本鄉 1回 522 533 490 97.9%
1回 525 491 488 106.9%
攻玉社 1回 396 393 453 100.8%
サレジオ学院 A 379 426 369 89.0%

一方駒場東邦は、偏差値の低い受験生の増加は多少見られますが、上位層はほとんど変わっていません。ボーダーラインのところはやや入りやすくなりましたが、合格者のレベルは下がっていないということです。今年は、チャレンジ志向が薄くできるだけ安全に手堅く早く合格したいという受験生が非常に多く、駒場東邦もチャレンジ層が減少したため全体のレベルは変わらなかったと考えられます。

2月2日午前(男子)

2日午前入試では、本郷が昨年比121.1%、攻玉社が114.8%、東京都市大付属が110.9%と多くの志願者数を集めました。その一方で桐朋は79.3%、世田谷学園と巣鴨は81.8%と志願者数を減らしています。本郷の合格者の偏差値分布を見ると、偏差値52~60未満の中堅上位の合格者が増加しています。攻玉社は偏差値60以上の上位層が減り、偏差値44前後の中堅以下の層が数多くがんばって合格ラインに辿り着いています。

志願者数 2月2日午前(男子)

受験校名 募集回数 2022年 2021年 2020年 昨年比
本鄉 2回 1165 1045 1163 121.1%
聖光学院 1回 650 623 746 104.3%
栄光学園 750 811 827 92.5%
攻玉社 2回 590 514 561 114.8%
城北 2回 746 723 777 103.2%
美鴨 II期 485 593 678 81.8%
東京都市大付 2回 608 548 578 110.9%
明大中野 1回 1042 1050 1001 99.2%
世田谷学園 2次 469 573 718 81.8%
洪谷幕張 2次 302 312 404 96.8%
桐朋 2回 512 646 674 79.3%
学習院 1回 471 484 486 97.3%

志願者数が減少した世田谷学園と巣鴨についても見てみると、世田谷学園は偏差値56以上の上位層の合格者が減少していますが、逆に巣鴨は偏差値56以上の上位層の合格者が増加しています。

付属校に着目してみると、目立った志願者数の増加はありませんが、人気は続いており上位層の受験が増えています。明大中野は志願者数は昨年比99.2%とほぼ横ばいでしたが、合格者の偏差値分布を見ると偏差値60以上で人数を増やし、上位層の合格が増えています。

2月3日午前(男子)

3日午前入試は、成城の志願者数が昨年比108.6%と増えた以外はあまり大きな増加は見られませんでしたが、国立中学でやや減少傾向が見られました。筑波大附属は昨年比76.0%、筑波大駒場は85.1%と志願者数を減らしています。成城の合格者の偏差値分布を見ると、偏差値36~47で増加しており、年々上位の合格者が増加しています。

3日午前に入試が行われた神奈川の学校に注目してみると、浅野は志願者数は94.2%とほぼ前年並みですが、偏差値52~55の中堅層が減り56~59の上位層が増加しやや難化しています。逗子開成は志願者数昨年比92.3%ですが、偏差値44~47の層が増加し、下位での合格が若干難しくなった印象です。

2月4日以降(男子)

4日以降に行われた入試では、東京都市大付属が昨年比114.9%と志願者数を増やした以外は大きな増加は見られませんでした。逆に巣鴨は72.9%、成城は81.6%、サレジオ学院は86.9%と減少しました。今年大人気となった東京都市大付属の合格者の偏差値分布を見ると、偏差値48~59、64以上、68以上で合格者が増加しており、年々上位にシフトしています。一方サレジオ学院は、志願者数を減らしたものの偏差値60以上、64以上で合格者が逆に増える結果となっています。

ここで各学校の最終回の入試で募集定員に対してどの程度の合格者を出しているか着目してみます。城北の第3回は定員約30名に対して合格31名、本郷の第3回は定員40名に対して合格42名とほぼ募集定員通りの合格者数しか出していません。定員の倍以上の合格者を出す学校ももちろんありますが、最終回の入試を頼りに受験すると厳しい結果になる場合もあるといえます。やはり入試は前半が勝負ということを念頭に置く必要があるでしょう。

2月午後入試(男子)

午後入試は年々受験率が高まっており、多くの学校が志願者を増やしました。特に昨年度午後入試を始めた暁星と獨協は、暁星が昨年比125.4%、獨協は120.5%と今年も大きな伸びとなりました。暁星の合格者の偏差値分布を見ると、偏差値40~47の下位層の合格者が減少し、偏差値48以上に合格者がシフトしています。暁星は入試改革が成功し人気が高まった結果と考えられます。

獨協についても偏差値48以上、52以上、56以上で合格者が増えています。獨協は近年人気が下がり気味でしたが、やはり午後入試の導入が契機となって志願者が増え、合格者のレベルが上昇しています。

また、広尾学園小石川は、志願者数は101.8%と昨年並みですが、この2年間で最も難化が進んだ学校です。女子のデータも含めた結果ですが、偏差値52~63の上位層の合格者が増加しており、昨年までは合格できた層が今年は合格できない、広尾学園とも難易度の差がない状況になっています。

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>>2022年首都圏私立中学受験者動向分析・女子校編

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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