【数学】2022年1月大学入学共通テストを徹底解説 昨年と比較した共通点・相違点まとめ

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日常の課題を数学的に考察していく問いが今年も出題

数学の共通テストのもっとも特徴的なことの1つは、日常の課題をテーマにして、それを数学的に解決していく問いが出題されることです。

今年の数学Ⅰ・数学Aではある地点から山頂を見上げた角度についての考察が扱われました。
また、数学Ⅱ・数学Bでも歩行者と自転車が移動と停止を繰り返したときの出会う時刻・位置についての考察をする問いが出題され、昨年同様日常の課題を扱った問いは共通テストを代表するテーマと言えます。

これらの問題は、扱っている題材に対する特別な知識が必要なわけではなく、文章の中から必要な情報を読み取って、解答をする力が必要で、なかなか普段の学習の中では練習しにくい部分かと思います。
模擬試験や共通テスト対策の教材を使用して、同様の形式の問題で対策をすることが有効です。

今後も、このような日常の課題を用いた問題は数学Ⅰ・数学Aでは必出、数学Ⅱ・数学Bにおいても出題を努めるという発信もありますので、それに向けた準備をしていきましょう。

長文や会話形式の中から情報を読み取って解答する形式の問いが引き続き出題

昨年から引き続き、長文や登場人物の会話による形式の出題がされました。
これは、先ほどの日常の課題に関する出題と、二大テーマとして対をなす共通テストの特徴です。

今年その特徴がもっとも顕著に表れたのは、数学Ⅱ・数学Bの第4問です。
この問題では丸々1ページ、式や図もなく文章のみで問題の設定が記載されました。その長文の中で、自ら解答に必要な情報を取捨選択し、整理して答えていく力が求められました。

今年の数学Ⅱ・数学Bでは昨年よりも会話形式での出題が増えており、今後もこの形式の問いは多く出題されると予想されます。こちらも日常の課題についての問いの対策と同様、似た形式の問いで演習をすることが大切です。

センター試験から問われ続けている、基本的な計算力、定理・公式を扱う力

共通テストというと、上述したような日常に関する問題や、長文・会話形式の問題が目立ちますが、センター試験のころから続いている、基本的な計算力を問う問題や、定理・公式を丁寧に扱うことができるかを問う問題も出題されています。

そのため、こういった点の練習もおろそかにしてはなりません。さらに言えば、こういった力があるからこそ、日常の課題を解決できたり、長文・会話文の意味を読み取れたりすることにつながりますので、引き続き定理・公式の理解と計算演習は欠かさないようにしましょう。

問題の誘導が減り、難化した今年の試験

ここまでは昨年と今年とで共通した点をまとめましたが、今年ならではの特徴として、問題による解法の誘導が減ったことが挙げられます。

特に数学Ⅰ・数学Aが顕著ですが、昨年は誘導も丁寧で、大問の最初の小問から順に解いていけば、最後の問題を解くための方針を迷わずに立てることができました。
しかし、今年は誘導が減り、自分で考えて方針を立てる部分が多くなりました。このことは、今年の数学Ⅰ・数学Aが難化した、と言われていることの一因となっています。

来年以降、問題の誘導がまた丁寧になるのか、あるいは現状のまま続いていくのかはわかりませんが、一つ言えることは、今年の問題も、問題を解いたあとにもう一度問題の意味を考えながら解きなおすことが大切だということです。

今年は誘導が減ったとはいえ、依然として問題全体を通した大きな流れ自体はあります。この問題を解きなおすことで、それぞれの小問がどのような役割を果たしていたのかを考えることは、ベースとなる数学的思考力を高めるだけではなく、共通テスト形式の問題への取り組み方を学ぶものとして大変有効です。
ぜひ一度解いて解きっぱなしにするのではなく、振り返って考えてみることまでセットで学習してみてください。

まとめ & 実践 TIPS

数学の共通テストの特徴をまとめると、以下の4つが代表的なものといえます。

  • ①日常の課題を解決する問いが今年も出題
  • ②長文や会話形式の問いが引き続き出題
  • ③基本的な計算力、定理・公式を扱う力も問われる
  • ④今年の特徴として問題の誘導が減った

これらのうち、特に①、②はいかにも共通テストという問題であり、なかなか普段の学習では対策しづらいところかと思います。もちろん、そういった問題を教材から探して解いていくことは大切ですが、まだ③の基礎力に不安がある方は、そちらをまずは身につけることが大事です。
基本的な問題は十分解けるという状態になった後、①、②の共通テストの“形式”に対する対策をして慣れていくことが効率的かと思われます。

今年と昨年の共通テストを比較して、共通点も多く見えてきましたが、まだまだ難易度や誘導の増減など不確定な要素も多く残っており、不安に思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、対策として行うことは基礎の定着と形式への慣れであることに変わりはありません。
他の受験生にとっても同じ条件ですので、ぜひ上記の対策をして、一歩リードしてみてください!

株式会社プランディット 編集事業部 数学課 相澤
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、数学の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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