中だるみの中3~高1時期を利用!? 中学受験から見たキャリア教育

中学受験のメリットは、中高一貫校の場合、目先の大学受験にすぐ追われがちになる高校受験に比べて将来のキャリアについてじっくり向き合える時間がある点だといいます。
具体的にはどういうことが行われているのか、森上教育研究所がお伝えします。

中学受験のメリットはキャリア教育の充実度

中学受験で付属校の受験を考えている保護者のかたや受験生の場合、系列大学の学部が大きな進路選択の動機になる場合が多いかと思います。
一方、進学校を選ぶご家庭は、より広い可能性のある大学に行けそうな学校、つまり偏差値の高い学校に人気が集まりますから、どちらにしても、進路保障を考えながら受験する学校を選ぶことになるでしょう。

中学受験と高校受験の大きな違いは、将来のキャリア形成についてじっくり考え向き合えるという点があります。というのも、高校受験を経て高校に進学すると、どうしてもすぐ目先の大学受験に追われる形となり、その先のキャリアを描いて大学を選ぶというよりは、学力(偏差値)に合わせて大学を選ぶことに終始しがちです。

一方、中学受験を経て中高一貫校に進学すると、受験期に当たる中学3年~高校1年の間は、いわゆる「中だるみ」するような時期となります。そこで、中高一貫校では余裕のあるこの時期に、キャリア教育を導入し、将来の仕事について考えるきっかけになるようなイベントを導入している学校が多くあります。

具体的には、企業に足を運んで職業体験をしたり、それぞれの生徒が興味のある職業に就いている先輩に話を聞いたりする学校があったり、起業に重点を置き、経営者の話を年に何回か聞く機会を設けている場合もあります。また、よりグローバルな視点を持っている学校では、起業家の多いシアトルで起業家の話を聞くツアーを実施している学校もあります。

キャリア教育という面も考慮に入れ、お子さまに合った進路選択を

そういった意味では付属校の場合は大学の持っている資産=学部がはっきりしており、先輩をロールモデルとして将来のキャリアが描きやすい一方、学部が限定されている分、選択肢が狭まるという考え方もできます。

入学したあとに学部や専攻を変更することの多い欧米の大学とは違い、日本の大学の場合、入学時に選んだ学部によって就職先が決まることの多いのが現実です。大学の進路の背景に職業選択があり、それぞれのご家庭の考え方により付属校・半付属校・進学校を選ぶことになるかと思います。

以前までは、キャリア教育に関しては学校ではなく、保護者のかたが自ら工夫をして、さまざまなイベントにお子さまを連れて行ったりすることが必要で、これには当然、活動範囲や広い視野が求められますから、とても大変なことでした。こうしたことを学校が積極的に行事として行ってくれるということになれば、保護者のかたにとっては、キャリア教育が充実している学校を選びたいというのが本音でしょう。

このように、受験する学校を選ぶ際は、キャリア教育という面も頭に入れながら、お子さまに合った進路を選択できるといいですね。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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