出願から入試までの過ごし方 公立高校の前に私立高校を受ける際の注意点[高校受験]

入試にむかうにあたっていちばん怖い「し忘れ」を防ぐためにも事前に準備することが大切です。ただ、入試に向かって入念な準備をしなければいけないのは第一志望の高校だけではありません。
そこで、今回は推薦入試や公立高校の前に私立高校を受ける際の注意点についてお伝えします。

■推薦入試を受ける場合

推薦入試はほとんどの場合、第一志望であることが原則ですから、この学校が本命校ということになります。全国的に12月に中学校の先生と私立高校との間で入試相談があり、その入試相談の結果、推薦入試の出願が認められたらひと安心となります。実際にお子さまが受ける入試の内容は面接と作文(小論文)です。
ほとんどありませんが、面接で不合格になるケースもあります。私が耳にしたところでは、次のような事例があったようです。


 ・「我が校は髪形、服装には厳しいですが、入学したら守れそうかな?」と質問したのに対し、「この学校は個性を大切にしていると聞いたので受けました。個人個人の自由は認められていないのですか?」と答えた受験生。

 ・面接の間中、下を向いていて、返事も「ハァ」とか「えっ、そう」とかしか言わなかった受験生。学校側としては、コミュニケーション面で問題がある、これでは友人と学校生活が営めないと判断したそうです。

 ・「我が校を志望した理由は何ですか?」という質問に対し、「近いから」とだけ答えた受験生。この学校に入りたという熱意がまったく感じられなかったそうです。

  
保護者のかたからすると、なぜわざわざこんなことを言うのか、こんな態度をとるのかと思うようなものばかりでしょうが、15歳くらいの中学生だと、思春期の難しい年頃ということもあり、わざとこんな態度に出ることもあるようです。
ですから、今のうちからごく自然に受験校のことを話題にし、話し方、声量、態度などに気になるような点があったら直しておきましょう。
作文は、中学校生活のこと 高校生活への抱負など、ごく一般的なものが多いので、こうしたテーマについては今のうちに400字、600字、800字くらいのパターンそれぞれで実際に書いてみるよう指導してください。完成形を前もって用意しておくのです。もちろんこれ以外のテーマが出ることもあるわけですが、それぞれの字数でまとまりのある文章にする練習をしておくことは、本番にも極めて有効です。
また、直前の学校説明会、入試問題研究会(入試問題解説会等、名称はいろいろ)では、これまでの出題テーマを公表する学校もあるので、できれば参加したいものです。

■本命校でなくてもきちんと準備する

ほとんどの都道府県で、私立高校を推薦入試で受験する場合以外は、私立高校の一般入試を受け、その後に公立高校を受けるパターンだと思います。また、私立高校は「安全校」として受けるケースが多いかと思います。
案外これが盲点になることがあります。「安全校」ということで、どうしても準備、対策が本命である公立高校ほど熱心に取り組まないのです。公立高校は「過去問」を何年分もやっていながら、私立高校は一度もやらずに受ける受験生がいたりします。いくら模試で安全圏の判定が出ていても、これでは危険です。
最低でも1年分はやって、各科の問題量は全体としてどのくらいなのか、問題形式はどのようになっているのか、各科の問題のレベルはどうか、記述問題が多いのか選択式問題が多いのか、数学の問題の並びはやさしいものから並んでいるのか、社会の人名・用語はひらがなでもいいのか漢字指定なのか……そうしたことを承知しているだけでもずいぶん違うものです。
入試直前でわざわざ過去の問題集を買うのは躊躇(ちゅうちょ)するかもしれません。それでしたら、書店で受験予定校の「過去問」の2014年度の問題に目を通すだけでもさせてください。塾に通っていれば、塾にあると思いますのでそこで目を通してくるようアドバイスしてはどうでしょうか。

要するに、「安全校」を受験する時も、「必ず合格を取る」「万が一の場合は通うつもりがある」といった強い意思を持って、準備して臨まないと危険だということです。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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