毎年のように発生する異常気象の影響や対策について知る

このところ毎年のように、豪雨や竜巻などの「異常気象」が発生しています。このコーナーでも2010年12月に異常気象をテーマに取り上げましたが、その後もさまざまな現象が起き、私たちの生活に影響を与える一方で、新たな対策が進められてもいます。そこで今回は、そうした現象や対策を中心に、異常気象に関連して、中学入試などでも問われることが予想されるさまざまな事柄を解説しましょう。



クイズde基礎知識

2012年7月に使われた気象情報の新表現は?/竜巻が迫った際に呼びかけられるのは?/
2012年夏にアメリカを襲った異常気象は?/「深層崩壊」とは何のこと?


時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、入試・適性検査対策に、お役立てください。

Q1

2012年7月、気象庁予報部が発表した「全般気象情報 第4号」の中で使われた新しい表現は?


A.ゲリラ豪雨
B.集中豪雨
C.これまでに経験したことのないような大雨


A1 正解は 「C.これまでに経験したことのないような大雨」 です。

気象庁ではこれまで、災害に結び付く気象現象が発生する恐れがある場合、「24時間に予想される雨量は○ミリ」などといった細かいデータなど、雨量や気圧配置などに関して詳しく説明する、長文の気象情報を発表していました。しかし、2011年の紀伊半島豪雨の際、防災関係者から、「こうした表現では危険度がわからない」などの意見が寄せられました。

そこで気象庁では、2012年6月、重大な災害が差し迫っている場合にいっそうの警戒を呼びかけるため、長文の本文を記述せず、短い見出し文のみで伝える気象情報の発表を始めました。その最初の例として、2012年7月12日に熊本県や大分県で大雨による災害の危険性が高まった際、短い見出し文だけの気象情報が発表され、その中で「これまでに経験したことのないような大雨」という表現が使われたのです。

Aのゲリラ豪雨は、2008年頃、突発的かつ局地的に多量の雨が降る現象が続いたことからテレビや新聞に登場するようになった言葉です。ただし、これは正式な気象用語ではなく、気象庁では、Bの集中豪雨という言葉を使っています。


Q2

竜巻が発生する恐れが0~1時間以内に迫った際に呼びかけられるもので、最近、その重要性が増してきているのは?


A.竜巻注意情報
B.竜巻警報
C.竜巻注意報


A2 正解は 「A.竜巻注意情報」 です。


竜巻とは、発達した積乱雲などによって発生する激しい空気の渦巻きのことで、短時間で狭い範囲に集中して大きな被害をもたらします。移動スピードが非常に速い場合があるのも特徴で、近年、日本ではこの竜巻による被害がたびたびもたらされています。

竜巻などの激しい突風に関する気象情報は、気象庁から発生の可能性に応じて段階的に発表されます。半日~1日程度前には、気象情報で「竜巻などの激しい突風のおそれ」と明記して注意を呼びかけます。数時間前には、雷注意報でも「竜巻」と明記して特別な注意を呼びかけます。そして、今まさに竜巻が発生しやすい気象状況となった段階で発表されるのが、「竜巻注意情報」です。

NHKでは2012年5月6日に北関東などで発生した竜巻で大きな被害が生まれたのをきっかけに、竜巻注意情報が気象庁から発表された際の運用を見直して、重大ニュースの速報で使われるのと同じチャイムを鳴らし、テロップで速報するようにしました。また、「急な風の変化や雷・ひょうなどの兆しがある場合は頑丈な建物の中に」といった、具体的な行動を呼びかけるメッセージも加えて、被害を少なくしようと試みています。


Q3

2012年の夏にアメリカを襲い、トウモロコシや大豆の価格の高騰などをもたらした異常気象とは?


A.豪雨
B.干ばつ
C.冷夏


A3 正解は 「B.干ばつ」 です。


干ばつとは、長い間雨が降らないことや気温の上昇などから、土地が乾燥し、農作物などに被害を及ぼす現象のことです。2012年、アメリカは記録的な猛暑と水不足のため56年ぶりとなる大規模な干ばつに襲われ、トウモロコシや大豆などの収穫が大きく減り、価格が高騰しました。

アメリカは世界でも有数の穀物生産国です。さらに、近年の世界的な異常気象により、アメリカ以外でも干ばつが起きているため、世界的な食糧不足が心配されています。また、生産された穀物は、人間の食料となるだけでなく、家畜のエサとなったり、燃料用アルコールの製造に使われたりしており、さまざまな面での影響が懸念されています。

また、干ばつをもたらした猛暑や水不足は、アメリカ国内の原子力発電所の停止という影響ももたらしました。原子力発電に欠かせない冷却用の水の温度が上昇しただけでなく、冷却用の水そのものが足りなくなってしまったからです。


Q4

異常気象の影響として増加が指摘されている「深層崩壊」とは何のこと?


A.大規模な山崩れ
B.北極の氷の減少
C.海水面の上昇


A4 正解は 「A.大規模な山崩れ」 です。


表層崩壊と深層崩壊

深層崩壊とは、山の地表近くだけが崩れる通常の山崩れ(表層崩壊)とは異なり、奥深くの土壌までが崩れてしまう、大規模な山崩れのことです。日本では近年、深層崩壊が増加しているとの疑いがもたれ、今後のさらなる検証が必要とされています。深層崩壊は雪どけや地震に加え、近年の異常気象がもたらす記録的な豪雨が大きな原因ではないかと考えられています。

山々にある森林は土中にしっかりと根を張り、降雨によってもたらされた土の中の水分を吸い上げることなどから、山崩れを防ぐ機能があると考えられています。しかし、異常気象によって大量の雨が降り、深層崩壊をもたらすほどになると、こうした森林による防止機能は働かないと指摘されています。

深層崩壊によって根こそぎ土壌が崩れてしまうと、回復までには数百年から数千年もかかるといわれており、今後の研究や対策が求められています。


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