小学校英語は今「国際理解? 英語教育? 小学校英語の実態とは」[英語レポート]

今回で3回目となる「小学校英語に関する基本調査(教員調査)」からのデータのご紹介です。ところで、初回の「ご存じですか?小学校英語の実態」で、ほとんどすべての公立小学校ではすでに英語教育が行われているという結果をご紹介したところ、「子どもの小学校では英語の時間はない」「あっても週1回、外国人の先生がきてゲームをしたり、自国の文化を紹介したりするだけ」などのコメントが寄せられました。そこで、今回は調査結果とこのような保護者のかたの認識とのギャップがなぜあるのかについて、二つの方向から考えてみたいと思います。
そもそも「小学校英語」とは?
1点目は、「小学校英語」とはそもそもどのような教育活動のことなのか、という点です。前回の「小学校英語の活動の中心は?」でご紹介しましたが、調査結果からほとんどの学校で英語自体を教える活動(英語を聞いたり話したりする活動など)を行っていることがわかりました。

外国人との交流など、保護者から見ると国際理解を目的とした活動と思われるものの中にも、学校としての教育活動の目的は英語を聞いたり話したりするなどの英語教育である場合もあるのかもしれません。

また、現在の小学校英語は高学年でも平均16時間という年間時数、つまり月1回から2回程度であり、中学校や高校で行われているような系統的な内容での英語教育とはかけ離れた活動とならざるを得ず、この点も今回の調査結果(教員の回答)と保護者のかたの認識とのギャップにつながっているのかもしれません。

 【図1 英語教育の内容】
* 低学年・中学年・高学年それぞれについて、行っている内容をすべて選択
* 英語教育を「行っている」学校(3,292人)のみ対象

教育内容は、どの程度伝えられているのか?
2点目として、保護者のかたはお子さまの小学校での英語教育についてどこまで認識しているかという点について、データを見てみましょう。今回の調査ではありませんが、Benesse教育研究開発センターが小学生の保護者を対象として行った調査では、「小学校でおこなわれている英語の授業は、どのようなものかを知っていますか」という質問に対して、「知っている」と回答した保護者は半数以下でした。英語教育の実施率に関する今回の調査結果と保護者のかたの認識とのギャップの背景には、学校から保護者に対して英語教育の実施状況やその内容が十分に伝えられていないということもありそうです。

このまま進む? 小学校英語
小学校段階での英語教育については賛否両論ありますが、ここまででお伝えしてきたように、現状としてすでに小学校での英語教育は始まっています。このまま小学校で英語教育を行うのであれば、その実態が明らかにされ、議論の土台として共有されることが大切であると考えます。
さらに、その先の議論においては、中学校・高校以降の英語教育との関係も含めて小学校段階での英語の意義や目指すべき教育目標を明らかにし、さらにそれらが実現できる環境を整備・充実していくことが必要です。次回以降は、小学校英語の実施環境の現状と課題についてお伝えします。

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