誰もが絶対じょうずに書ける、読書感想文(2)
「教えて! 親野先生」でおなじみの、親野智可等先生に「誰もが絶対じょうずに書ける、読書感想文」について伺いました。2回目は「事前の準備について」です。
(2)書く前が決め手! 構想メモを完成させれば、もう書けたも同然!
お子さんに合った本を選んだり、ホンモノ体験をしたりすれば、自然と良い読書感想文は書けるはず……。しかし、あまり読書が好きではないお子さんや、書くことが苦手なお子さんはどうでしょう。前回に続いて親野智可等先生に、読書感想文が苦手なお子さんがどうすれば楽しく、じょうずに書けるかを伺いました。
書く前に親子でおしゃべり。それを構想メモにしましょう
さて、いよいよ読書感想文を書くことにしましょう。しかし、真っ白な原稿用紙を前にしたら、ほとんどのお子さんはどんよりしてしまいます。
そこで、書く前に親子でおしゃべりしながら、このような構想メモをつくってみましょう。これが完成すれば、情報が整理されて、書く焦点もはっきりし、感想文が書きやすくなりますよ。
あとは、各項目をつないでいけば完成です。
読書感想文 構想メモ
Q:本を読んで、いちばん心に残ったことはなに?
このように問いかけるだけで「友情って熱いと思った」「一生懸命練習して、えらいと思った」など、読んだ結果焦点がしぼれ、話をふくらませやすくなります。
Q:自分にも似たことはある? 自分だったらどうする?
「2月に猫が死んだとき、私も主人公のように、本当に悲しかった」など、物語を自分の心情や体験に照らし合わせることができると、内容が深くなり、オリジナリティーのある文になります。
特に照らし合わせることがない場合は「自分が主人公の立場だったらどうしていただろう?」と想像をふくらませてみましょう。
Q:今、どんなことを考えている?
本を読み終えた結果、「身近な人に『ありがとう』と伝えたくなった」「登場人物のように冒険がしたくなった」など、自分にどう活かしたいかなどをまとめることができます。
Q:作者や登場人物に言ってあげたいことはある?
「私も主人公のように、いろいろな国へ冒険に行きたい」「この本を読んだことで、かわいがってくれたおじいちゃんのことを思い出しました」など、まとめとなる部分を整理できます。
感想文を読む先生の立場になると……?
一生懸命書いた読書感想文ですから、先生にもきちんと読んでもらいたいですよね。そこで親野先生に「さらに読む気になる読書感想文」について伺いました。コンクールに出そうと考えているかたも要チェックです!
読む気になる読書感想文 |
●提出する原稿用紙は、コピーした用紙にしない コピーした黒枠の原稿用紙に黒い字だと、正直なところ読みにくく、読んだ印象も薄くなります。コンクールなどでは、たくさんの作品を読むので、市販の茶や緑の枠の原稿用紙を使って、読みやすくしましょう。 ●文字は太くしっかりと! 書き文字が薄いのも、読み手にとってはつらいものです。2Bの濃いえんぴつで、しっかりと書きましょう。シャープペンで書いた字も、細くて読みにくいので避けたほうが良いでしょう。 ●文章量も大切です できれば400字詰め原稿用紙に3枚びっしり書きましょう。ここまで書けると、文章のうまさよりも中身の濃さが目立つ場合が多く、読みごたえのある内容になります。 |
『親野智可等の学力が伸びる「作文力」教室』 <宝島社/親野智可等(著)/780円=税込み> |