研究レポート
Research Report

「予期せぬ偶然」に価値はあるか?(1)—セレンディピティは、創造性の大事な源泉である—

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公開2025/3/28

自然科学の研究者たちは、予期せぬ偶然から生まれる偉大な発見を「セレンディピティ」と呼んで愛し、常日頃からの努力とひらめきへの柔軟性を大切にしてきた。セレンディピティは、もちろん社会科学の領域、例えばビジネスの現場でも生じるし、近年、創造性の源泉として注目されるようになりつつある。本レポートは、これから2編に渡って、セレンディピティと創造性の間の関係性について、論じていく。第1回では、筆者の体験や幾つかの良く知られたエピソード、関連する既存研究群を参照しながら、不確実性をキーワードにセレンディピティの理解を深める。第2回では、筆者の研究結果を参照しながら、セレンディピティの価値について考察する。

1.創造性は、想像しないところからやってくる

創造性に関心のある方なら、セレンディピティという言葉を聞いたことがあるだろう。セレンディピティとは、簡単にいえば、予期せぬ偶然のできごとから得られた偉大な発見のことだ。

「セレンディピティ」という言葉は、1754年、イギリスの小説家ホレス・ウォルポールによって初めて使われたとされる。その着想の源となったのは、ペルシア(現在のスリランカ)に伝わる寓話『セレンディップの三人の王子』である。この物語では、旅を続ける三人の王子たちが、道中で偶然に出会うささやかな出来事や手がかりを注意深く観察し、それらを組み合わせて鋭い洞察を得ることで、困難な状況を幾度となく切り抜けていく。ウォルポールは、王子たちの観察力と洞察力、そしてそこから導かれる偶然の発見に深く感銘を受け、このような「意図せざる発見」を「セレンディピティ」と呼んだのである1

筆者はこれから2回に渡って、セレンディピティと創造性の間の深い関係性について、語っていきたい。セレンディピティと創造性の間の関係は新しいトピックはいえないが、ここ数年、「セレンディピティを意識的に目指すことはできるのか」という自己矛盾を抱えた問いが、ビジネスの現場や経営学の世界で考えられるようになってきているから、ホットなトピックではある。

第1回は「セレンディピティは、創造性の大事な源泉である」と題して、セレンディピティと創造性の関係性について、理解を深めていきたい。そして第2回は、「セレンディピティが導くチーム創造性」と題して、筆者自身の研究成果を引用しながら、「予期せぬ偶然」を「意図的にマネジメントする」ことの難しさや価値について、探求していきたい。

まずは、筆者自身のとても些細なセレンディピティを共有させて頂こう。

2.「はさみの神様」がスマートフォンを見つけてくれた

2019年の夏頃、当時の勤務先の大学の研究室で、私はスマートフォンを見失った。会議の時間が迫っているのに、どれだけ探してもスマートフォンが出てこない。研究室に持ち込んだことは自信があったし、研究室でグループワークをしていた学生も目撃してくれていたが、どこをひっくりかえしても、学生たちが一緒になって探してくれても、みつからなかった。

そんな様子を見て、遅れてやってきた学生が「はさみの神様って知ってますか?」とのんびりと言った。なんでも代々、その子の家庭に伝わるおまじないで2、頑張って探しても見つからないときに、利き手とは逆の手ではさみをチョキチョキしながら、「はさみの神様、はさみの神様、私のなくし物を見つけてください」とお願いしながら探すと、すぐに見つかるというのだ。

半信半疑ではあったが、絶対見つかると断言するその学生の真剣さに圧されて、私は従ってみることにした。デスクからはさみをとりだし、利き手ではない左手に持ち、チョキチョキしながらはさみの神様へお願いした。すると、デスクから立ち上がった私は、まっすぐに、それまで一度も探索範囲に含んでいなかった冷蔵庫を急に開けて、そこによく冷えたスマートフォンを見つけたのだった。はさみの神様にお願いしてから、10秒も経っていなかったと思う。私も大変に驚いたし、一緒に探してくれていた学生たちも目を丸くしていたが、おまじないを教えてくれた学生は「ほらね」と落ち着いた様子だった。

大変な衝撃だったので、その時の光景を今でもよく覚えている。その学生は白いシャツにダメージジーンズを合わせていて、遅刻してきたのにふてぶてしくソファで足を組んでいた。そして、グループワークの準備をしながら、「でも、なんで見つかるんですかね?」と質問をしてきたのだった。

3.デフォルトモード・ネットワークとひらめき

はさみの神様は、いったいどうして、私のスマートフォンを見つけてくれたのだろうか。どこかにはさみの神様が本当にいて導いてくれたと考えるのも素敵だが、学生が期待していたのはもう少しもっともらしい説明だった。学生に解説を求められた私がとっさに思いついたのは、デフォルトモード・ネットワークと呼ばれる脳の状態だ。たまたま、ちょうどその直前に、2018年に訳本が発売されたばかりの『ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法』3という本を読んで、その知識を仕入れていたからだ。

同著によれば、私たちの脳は、具体的なタスクに意識的に取り組んで居る状態(中央実行ネットワーク:Central Executive Networkが活性化されている状態)と、具体的なタスクに意識的に取り組んではいないけれども脳が活動している状態(デフォルトモード・ネットワーク:Default Mode Networkが活性化されている状態)の2つの状態を行き来しながら問題解決をするという。ごくおおざっぱに、集中しているか、集中していないか、という状態をイメージすればここでは十分だ。

デフォルトモード・ネットワークの働きにはさまざまなものがあるが、創造性の観点からは、ひらめきの発生との関わりが興味深い。集中からふっと解放されたとき—つまり中央実行ネットワーク優位の集中した状態から、デフォルトモード・ネットワーク優位の集中していない状態に移行したときに、「ひらめき」が起こりやすいのだという4

たしかに昔から、緊張からの緩和はひらめきの宝庫だとよく言う。例えば、創造性と三上(馬上、枕上、厠上)の関係性は、よく引用される。北宋時代の文学者にして政治家であり、名文家としてられる欧陽脩が、良い文章がよく生まれる場所として三上を挙げたのだ。スティーブ・ジョブズも、何かアイデアを考えなければいけないときにはよく散歩をしていたという5。ちょっと具体的な出典は忘れてしまったが、私が大好きな作家が、「良いアイデアは考えて考えて考え抜いたあとに、シャワーを浴びたり便所に行ったりしたときに思いつくもんだ」とエッセイで書いていたことを記憶している6。似たような話は、日本に限らずたくさんある7

散歩をしたり、馬に乗ったり、トイレに行ったりすると、私たちは集中から解放されて、リラックスする。このとき、私たちは集中していたときとは異なる頭の使い方をするから、それがひらめきにつながる。集中して焦りながらスマートフォンを探していた私は、はさみの神様に祈るという異質な作業に従事することでリラックスし、デスクでもシェルフでもゴミ箱でもソファの下でもなく、冷蔵庫の中を見てみようという気になった。はさみの神様は、私の焦りと緊張の糸を断ち切って、探索範囲を常識の外8に押し出してくれたのだ。

4.努力+偶然のひらめき=セレンディピティ

昔から、自然科学の世界には、偶然のできごとが偉大な科学的発見を導いてきたことがよく知られており、それを科学者たちはセレンディピティと呼んで、愛してきた9。汚染された実験器具からペニシリンを発見したエピソードや、バイアグラが心臓病治療薬の意図せぬ副作用の副産物であるエピソードは、有名だ。

偶然のできごとによる偉大な成果を、単に幸運と呼ばずセレンディピティと呼ぶのには、理由がある。 偉大な科学者であるパスツールが語ったとされる「偶然は準備の整った精神のみに微笑む (Le hasard ne favorise que les esprits préparés)」10の警句が示唆するように、事前に十分に努力しなければ偶然のできごとに反応することはできないということが、経験的に知られているからである。

これらの名の知られた偉人たちがデフォルトモード・ネットワークに頼ったかどうかは伝わっていないが、フレミングがペニシリンを発見したのは1928年の夏に、休暇旅行から帰ってきた直後だった。もしかしたら、リラックスした状態で休暇明けに研究所に戻り、デフォルトモード・ネットワークが優位になったおかげで、普段なら目もくれない汚染された実験器具をしみじみと眺めてみたのかもしれない。そして、偶然のインパクトに隠れてしまいがちだが、第一次世界大戦に従軍中に兵士達の死を目の当たりにして感染症の治療法の研究を決意してから10年以上の努力を経てからの発見であったことも忘れてはいけない11

長い努力と、予期せぬ偶然がもたらす瞬間のひらめきが、セレンディピティをもたらすのである。

5.セレンディピティは個人的だが、チーム創造性に貢献できる

セレンディピティは、個人的な体験だ。そもそも「予期せぬ偶然」の「予期せぬ」は、主観的な解釈に基づくものだ。

2001年にSuicaが登場する前、私たちは鉄道を利用するときに磁気の切符を買って、それを自動改札機に通していた。自動改札機は大変に創造的な機械で、切符をどんな向きで挿入しても、正しい向きに直されて受け取り口に排出されるという機構を備えていた12。この機構の開発は大変に困難で、担当したエンジニアは長い間、大変に苦労した。ブレークスルーのきっかけは、開発が停滞して行き詰まっている時期に、休暇で息子と行った渓流釣りだった。川を流れる笹の葉が障害物にぶつかるたびにくるくると向きを変えながら流れていく様子を見て、切符の向きを揃える機構を思いついたのだ13。休暇で渓流釣りをしていて、笹の葉を見て創造的なアイデアを思いつくなんて、まさにセレンディピティの典型例だ。長い努力の末のデフォルトモード・ネットワークがひらめきをもたらしたのだ、という風に解釈することもできる。

エンジニア個人に訪れたセレンディピティのおかげで、開発チームや、開発を受注した立石電気(現・オムロン株式会社)は、1967年に世界初の無人駅システムの開発を達成した。筆者の専門とするビジネスの世界では、このように、個人に訪れたセレンディピティがチームや組織の創造性やイノベーションに繋がる事例は枚挙に暇がない。

私はプロジェクトXでこの事例を見て、「創造性とは、こういうものだ!」と深く感動したが、オムロン社の沿革を見ると、この偶然については触れられていない。「阪急電鉄の北千里駅で定期乗車券と普通乗車券の両用自動改札機の導入に挑戦し、ついに1967年、世界初の無人駅システムが実現しました。」と、実にあっさりしたものだ14

6.チームや組織のレベルでは、セレンディピティは隠れやすい

誰かにとっての偶然は、別の誰かにとっては偶然ではない、ということはよくある。特に、偶然のできごとに居合わせたのではなく、誰かから伝え聞いたときには、予期せぬ偶然の驚きや、偶然が生じた経路が上手に伝わらなくなってしまう。だから、科学者や芸術家の個人的なエピソードではセレンディピティはよく語られるけれども、チームや組織を語る時にはそれほどには語られなくなってしまう。

例えば、こうだ。あるエンジニアが、ユニークな方法で新技術を開発して、それがインパクトのあるイノベーションになったとしよう。そのエンジニアは、研究所の改装の時に一時的に別のフロアに間借りして仕事をしていたときに、それまで接点のなかった別の部署から同じく間借りしてきていたエンジニアと雑談するうちに新技術の大きなヒントを貰ったことがきっかけで、ブレークスルーをはたした。本人は何重にも重なった偶然に驚いたし、ヒントを与えたエンジニアも嬉しく思った。予期せぬ偶然がもたらした、素敵なセレンディピティだ。

しかしながら、エンジニアたちに直接に取材した記事でもない限り、こうしたエピソードは捨象されてしまう。例えば、上司に取材したら「部下のエンジニアが大変な苦労をして、素晴らしい技術を開発してくれました」と語ったり、さらに上層の経営陣に取材したら「研究所への長年の投資がやっと報われて、ようやく結実しました」と解釈したりするだろう。たとえエンジニア本人に取材したとしても、「隣の席のエンジニアにヒントを貰ってさ…」と、偶然の色彩を消して語ってしまうことは大いにありえる。

ビジネスの現場におけるセレンディピティを語った、『The Science of Serendipity: How to Unlock the Promise of Innovation』15という書籍で、経営コンサルタントである著者のマット・キングドンは、「後から成功を語ると、まるで全てが計画されていたかのように見えてしまうが、実際にはそうではない」と後知恵バイアスについて語っている。

このように様々な理由から、セレンディピティのエピソードは、時間の経過や伝聞の影響で、努力のエピソードへと書き換えられてしまう。個人レベルではエピソードとして目立つセレンディピティは、チームや組織の集合レベルでは目立たなくなってしまうのだ。しかしながら、それでもなお、セレンディピティの痕跡は文献に残されている。

7.ビジネスにおけるセレンディピティ

著者は、大学院時代からテキスト分析を自分の主要な研究手法の一つにしてきており、たくさんの文献を読んできた。その中の一領域が、ビジネス・ケースだ。ビジネス・ケースとは、ビジネスに関連する様々なできごとを読み物としてまとめたである。ビジネス・ケースの著者は様々で、研究者はもちろん、経済誌や専門誌の記者もそうだし、企業がPR活動の一環として執筆することもある。

大量のビジネス・ケースを何年も読み続けるにつけ、私の中に一つの素朴な疑問が湧いた。それは、「偶然」「たまたま」などの表現が文章中にたくさんあるのに、それほど注目されていないのではないか、という疑問である。自然科学の世界ではセレンディピティという表現でずっと愛されてきているが、経営学の世界では必ずしもそうではなかった。主要誌に掲載されたセレンディピティを主題にしている論文をレビューしたBalzano (2022)によれば16、セレンディピティが注目されだしたのはここ最近のことだ(図表1)。

図表 1:「セレンディピティ」をトピックにした論文掲載数の推移

Balzano (2022)より筆者作成17

注目を集めてこなかった理由の一つは、できごとを振り返る際の後知恵バイアスだろう。あるいは、当事者ではなく第三者に取材した際に、当事者ならではの偶然の鮮烈さが薄れてしまう、ということもあるだろう。自然科学の世界では偉大な発見をした研究者に研究過程を直接取材することも多いだろうが、ビジネスの世界ではそれほど開発者に取材することは多いとはいえなさそうだ。当事者、取材対象、取材者、執筆者と複数の解釈を経て、偶然の色彩が消えてしまうことは想像に難くない。

さらに、そもそも経営学の関心はマネジメント可能な現象にあるので、そうではない偶然への関心が小さかったというのも理由としてあげられるかもしれない。偶然が生じる余地、すなわち不確実性を縮減することは、マネジメントの重要な目的の一つでもある18。不確実性を減らすためには? マックス・ウェーバー19、ジェームズ・マーチ & ハーバート・サイモン20、ガルブレイス21、などの著名な学者が、標準化、ルーチン、規則、官僚制、などをその手段として論じている。

8.不確実性はセレンディピティをもたらすが…

なるほど、これらのキーワードは、どうにもセレンディピティとは相性が悪そうだ。不確実性を縮減することを重視するなら、汚染された実験器具は直ちに片付けるべきだし、そもそも汚染されないようにプロトコルを整備してそれを遵守すべきだ。もしフレミングがそのような人物であったら、ペニシリンの栄誉は別の人間のものになっていたかもしれない。誤解を恐れずに言えば、セレンディピティには不確実性が必要なのである22

不確実性やルーチンからの逸脱23がセレンディピティを産み出すことは知られているが、それは不確実性を減らすというマネジメントとの間に、正面からぶつかるトレードオフを産み出してしまう。2026年に、経営学の主要学術誌であるStrategic Management Journalが、Chance, Luck, and Serendipityと題された特集号を予定している24。そのCall for Papersのイントロダクションにて、「予期せぬ偶然を追求すると不確実性が高まり、それはしばしばルーチンの破壊を招くため、組織はその方向に投資しにくい」といった趣旨のことが書かれている25

不確実性にくわえて、セレンディピティは約束されていない、という事実も、組織が投資しにくい理由の一つだ。セレンディピティを招くような予期せぬ偶然が生じることも、たとえ生じたとしてもそれを活用できるかどうかも、活用して新製品を創造できたとしても競合他社に遅れてしまわないかどうかも、保証はないのである。イノベーションを追求するチームや組織が「保証がなければ投資してはならない」
とまで言うとは思えないが、成功の見込みを論理的に説明できないなら投資に積極的になれない気持ちはよくわかる。だが、「予期せぬ偶然」を論理的に説明することは、事前には難しい。2019年の夏に、冷蔵庫にスマートフォンが隠されていることを、はさみの神様以外は誰も知らなかったのだ。

整理しよう。マネジメントの主要な目的の一つは、不確実性の縮減である。不確実性は、セレンディピティを産み出す大事な土壌である。しかしながら、不確実性の土壌は、セレンディピティを約束はしない。それでもなお、チームや組織はセレンディピティを目指す意義があるのだろうか? 次回のレポートでは、この点について、筆者の研究成果を引用しながら、考えていきたい。

1 栗山正光. (2021). 社会学と図書館情報学の一接点: マートン & バーバー 『セレンディピティの旅と冒険』 を中心に.人文学報, 517(1), 35–49.
2 後で調べてみたら、いろいろなバリエーションがあるようだが、それなりに知名度のあるおまじないのようだ。「はさみ探し物」などのキーワードをGoogle で検索すると、細部は異なるけれどもいろいろな体験談を見つけることができる。例えば、「じゅんな. (2024/9/28). 【なくしもの】ハサミさんの魔法. Note. https://note.com/sia_sl_jun/n/n9d1084c8cd23」など。
3 Pillay, S. (2018). ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法 (千葉敏生, Trans.). ダイヤモンド社.
4 NIKKEI STYLE.(2022/6/30)「ひらめき脳」は「居眠り」と「ながら」で作られる?脳科学者に聞く「脳」の活性化術.
https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXZQOLM150R80V10C22A6000000/
5 Oppezzo, M., & Schwartz, D. (2014/4/24). Stanford study finds walking improves creativity. Stanford News.
https://news.stanford.edu/stories/2014/04/walking-vs-sitting-042414
6 歴史小説や冒険小説など、ハードボイルドな小説を書く、昭和の頃から活躍する男性の作家さんのエッセイかインタビューだったと記憶している。出典が本棚の中にあることは確かなので、また研究を発表する機会があって、その時に思い出していたら、出典を紹介したい。
7 Vinilon Group. (2022/12/30). Causes of creative ideas appearing in the bathroom. Vinilon Group.
https://vinilon.com/en/news-events/causes-of-creative-ideas-appearing-in-the-bathroom/
8 ネットで検索してみると、「熱くなったから冷やすために入れて忘れた」「酔っ払って」などのつぶやきが幾つか見つかるが、やはり冷蔵庫にスマートフォンを置き忘れることは一般的ではなさそうだ。私自身、あるいはその場に居合わせた学生たちにとっても初めての経験だったから、合理的な探索範囲に入っていなかった。その後もたびたびスマートフォンを見失うたびに冷蔵庫も探すようになったが、以後、海外出張の時に羽田空港に置き忘れたことはあるのに、冷蔵庫に置き忘れたことはない。
9 Myers, M. (2015). セレンディピティと近代医学 - 独創、偶然、発見の100 年 (小林 力, Trans.). 中央公論新社.
10 在日フランス大使館 [@ambafrancejp_jp]. (2022 年5 月18 日). 今年生誕200 周年となるルイ・パスツールは、ワクチンの予防接種という方法を発明し、狂犬病やニワトリコレラワクチンを発明しました。 [Tweet]. X.
https://x.com/ambafrancejp_jp/status/1526857572396826626
11 梶本哲也. (2019). ペニシリンの発見から製品化までの道のり. 化学と教育, 67(11), 550–553.
https://doi.org/10.20665/kakyoshi.67.11_550
12 吹田市立千里ニュータウン情報館. (2021 年11 月21 日). オンラインセミナー「千里ニュータウンと交通」第1 回「自動改札機開発秘話」 [セミナー記録].(https://senri-nt.com/cms/wp-content/uploads/2022/02/20211121senri-online-4_kaisatsu.pdf)
13 NHK エンタープライズ. (2001). 新価格版 プロジェクトX 挑戦者たち 通勤ラッシュを退治せよ ~世界初・自動改札機誕生~ [DVD].
14 オムロン株式会社. (n.d.). 市民生活の革新をめざして. オムロン株式会社.
https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/history/ayumi/innovation.html
15 Kingdon, M. (2012). The science of serendipity: How to unlock the promise of innovation. John Wiley & Sons.
16 Balzano, M. (2022). Serendipity in management studies: a literature review and future research directions. Management Decision, 60(13), 130–152.
17 自著論文「積田淳史(2024)ビジネスにおけるセレンディピティは普遍的か?:ビジネスケース56編のテキスト分析.成城大学社会イノベーション研究, 19(1-2), 67-80.」より転載。
18 例えば、Galbraith (1973)で、組織の情報処理能力を高めるために不確実性を縮減するべきといった内容が論じられている。
19 Weber, M. (1992). 支配の諸類型 (世良晃志郎, Trans.). 岩波書店. (Original work published 1947)
20 March, J. G., & Simon, H. A. (2014). オーガニゼーションズ 第2 版---現代組織論の原典 (高橋達男, Trans.). ダイヤモンド社. (Original work published 1958)
21 Galbraith, J. R. (2002). 組織設計のマネジメント: 競争優位の組織づくり (日本生産性本部, Trans.). 日本生産性本部.
(Original work published 1973)
22 Busch, C. (2020). The Serendipity Mindset: The Art and Science of Creating Good Luck. Penguin Random House.
23 セレンディピティとの関係性を直接は論じていないが、逸脱とイノベーションの関係性について「高田直樹. (2022). 逸脱と革新. 組織論レビュー, Ⅲ, 149–171.」が詳しい。
24 Strategic Management Journal. (2024). Special Issues. Strategic Management Society. Retrieved from
https://www.strategicmanagement.net/publications-resources/sms-journals/strategic-management-journal/special-issues/
25 具体的には、”Unexpected events frequently produce change and uncertainty that disrupt individual and organizational routines. Consequently, it is often challenging to invest in extensive systematic search and execution,...”と書かれている

積田 淳史

プロフィール

成城大学社会イノベーション学部 准教授、博士(商学)。 イノベーション・マネジメントを専門とし、オンライン・コミュニティ、チーム、組織といった集合的な創造性に関心をもつ。近年は、創造性が求められる局面におけるマネジメントや、「偶然のできごと(幸運・セレンディピティ)」の創造性への貢献に着目して研究を進めている。主な業績に『オンライン・コミュニティにおける協働と調整』(2017年、論文)、『研究開発組織における個人の創造的成果』(2018年、学会発表)、『KDDI: au design projectがめざしたデザインケータイによるブランド刷新』(2020年、ビジネス・ケース)などがある。