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Benesse進学フェア2013講演会

2013(平成25)年5月、東京国際フォーラムで開催された『Benesse進学フェア2013』講演会をダイジェストでお送りします。 講師は、『チーム・バチスタの栄光』の作者で医学博士、作家の海堂尊さん、パナソニックのCM「エボルタ」くんの生みの親でロボットクリエーターの高橋智隆さん、「メシの食える大人になるために」で保護者から支持されている花まる学習会代表高濱正伸さん、中学受験市場の第一人者で森上教育研究所所長の森上展安さん、時事問題のスペシャリスト、文教大学の早川明夫さんの5名です。
2014(平成26)年度入試にすぐ役立つ情報から、中学受験を乗り越えるための日々の学習法、さらには、受験生を支える親の心構えなど、ぜひ参考にしてください。

「勉強する理由(ワケ)」

講師:海堂 尊 氏

医師であり小説家でもある海堂尊氏が、わかっていそうでわかっていない、勉強する本当の理由をお話しします。

1 なぜ勉強するのか?

自分が好きな仕事に就くために勉強するのだということはよく言われることだが、人の役に立つためにするのだという観点を忘れてはならない。

2 小説家になった理由

子どものころにだれか大人から聞いた、ある言葉がきっかけであり、その人には非常に感謝している。だから大人になったわたしはここへ、子どもたちに勉強する理由を伝えに来た。

3 医学という学問(1)

人にとっていちばん大事な「命」を守る仕事が医者。医師国家試験に向けてこなす勉強量を思えば、医師になりたい人は中学受験の勉強などで自分を鍛えておくのは必要なこと。

4 医学という学問(2)

体の臓器の「地図」は描けて当たり前。自分の体の輪郭を知っておくことは受験よりはるかに大事なこと。それを土台にして、その上に勉強を築き上げる。

プロフィール

海堂 尊

千葉大学医学部卒業。千葉大学医学部医学大学院修了。外科医、病理医を経て、重粒子医科学センター Ai情報研究推進室室長。著書には、『チーム・バチスタの栄光』(第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞)、『ジェネラル・ルージュの凱旋』など、ドラマ化、映画化作品も多数あり。人の体や医学に興味のある子どもたち向けに、体の取り扱い説明書、『トリセツ・カラダ』を刊行。

【ロボットと暮らす未来がやってくる!】

講師:高橋 智隆 氏

人間型ロボットの開発で世界中から注目を浴びる高橋智隆氏に、ロボットクリエーターになった経緯や、設計において大切にしていることなどをお話ししていただきました。

1 ロボットクリエーターという仕事

従来の二足歩行ロボットはひざが曲がったまま腰を落として歩いていた。わたしはそれはおかしいと思って自然な歩行をするロボットを開発し、特許を取った。

2 今まで作ってきたロボットたち

サッカーをする自律型ロボット、女性らしい動きをする女性型ロボット……わたしは勝手に考えて勝手に作っている。それを「見せびらかして」いると製品化の依頼が来る!

3 ロボットクリエーターになった理由

大学生のときにバブル経済が終わるのを目の当たりにして、自分が本当に何をやりたいのかを問い直した。京都大学工学部に入り直して、ロボット作りが始まった。

4 ロボットと暮らす未来って?

人間型ロボットの最大の役割は、人とのコミュニケーション。ロボットに作業をしてもらおうと考えるとなかなかいいものが浮かばなくなる。遊びごころをもつことが大切。

プロフィール

高橋 智隆

京都大学卒業後、京大学内入居ベンチャー第一号「ロボ・ガレージ」を創業。米TIME誌「Coolest Inventions 2004」、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定される。パナソニックのCMに登場していた「エボルタ」くんも高橋さんの作品。現在、(株)ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授。

【「幸せな中学受験」をつかむ力】

講師・高濱 正伸 氏

「メシの食える大人」になるための教育方法で、保護者の高い支持を受けているカリスマ塾講師、高濱正伸氏が、中学受験における親子の関わり方についてお話しします。

1 メシが食える大人になるための中学受験

「あなたと仕事がしたい・あなたと一緒にいてよかった」と周りの人たちから言われる大人になること、そこにつながる中学受験ならばそれは良い中学受験だと言える。

2 「幸せな中学受験」のための親子の関わり方(1)

お母さんがハッピーで、子どもと温かい関係が築けていることが大事。お父さんの役割は、妻が「ニコニコ」でいられるように、どう支えるかということ。

3 「幸せな中学受験」のための親子の関わり方(2)

小学校高学年になった娘に対して、お母さんは女性としてどう生きるか、という本音トークをしてほしい。娘と母親の人生観が近づくと、とても良い中学受験になる。

4 受験校をどう選ぶか(1)

説明会には必ず行って、理事長など決裁権のある人の話を聞くこと。そして実際に通っている子の話を聞くこと。そういう「肉声」を聞くのは保護者の仕事である。

5 受験校をどう選ぶか(2)

情報を集め受験を決めたら、両親が一枚岩になってほしい。中学受験をやめるならやめる、やるとなったら最後まで徹底してやる。

プロフィール

高濱 正伸

東京大学・同大学院修士課程卒業。1993年より設立した「花まる学習会」では、「数理思考力」「国語力」「野外体験」に重点をおいた教育を実践し、魅力ある子ども、自立する子どもを育成。算数オリンピック委員会理事。

【2014年度入試 後悔しない受験校選び】

講師・森上 展安 氏

私学教育研究の第一人者、森上展安氏が、受験校選びの秘訣について詳しく解説します。

1 受験校選びのポイント(1)

家庭の価値観と同じ価値観をもつ学校を選ぶことが大切。伝統校以外でも、縁があって入学した学校なら、入学後に何をするかが重要。入学することが目標になってはいけない。

2 中学受験をするかどうかを考える視点(1)

受験にわずらわされずに好きな道に進めるのが付属校の良いところ。将来なりたい職業が明確な場合(プロに育てる)には、中学校で受験したほうが良い。

3 中学受験をするかどうかを考える視点(2)

中学受験で力を発揮する子、高校受験で火がつく子……と個人の成長段階によってさまざまである。ただ親が軸になって進められるのは中学受験のときだけなので、する意味はある。

4 中堅校・難関校の特徴

偏差値40以下の学校の受験で問われるのは知識。中堅校では、知識を動員して問題を解決する技能が問われる。難関校はいかに深く物事を考えているかを試そうとしている。

5 受験校選びのポイント(2)

保護者と学校の価値観が合うかどうかは、伝統校ならその学校の先生がたのタイプとクラブのフィーリングで判断できる。偏差値の低い学校も努力をしているから可能性がある。

プロフィール

森上 展安

早稲田大学法学部卒業。1988(昭和63)年に民間の教育研究所「森上教育研究所」を設立。私立中学校の動向に詳しく、民間教育の立場から幾多の提言を行う私学教育研究の第一人者。「わが子が伸びる親の『技』研究会」で、受験生の父母のための講演会を実施している。

【2014年度入試 押さえておきたい時事問題】

講師・早川 明夫 氏

時事問題のスペシャリスト、早川明夫氏が入試に役立つ時事問題対策について、詳しく解説します。

1 時事問題とは

一般的に、受験する前の年の夏休み前に、どの時事問題を取り上げるのかが決められる。夏休み中に問題が作成され、9月以降に社会科の先生たちで吟味をする。

2 時事問題の傾向

夏休み以降に起こったことでも、非常に重要な問題ならば出題される場合もある。たとえば2012(平成24)年12月の京大・山中教授のノーベル賞受賞など。

3 2013年度時事問題 出題のポイント

2013(平成25)年度入試における時事問題出題ベスト10を紹介。また、「家族で新聞を読んで、印象に残った記事について話し合う」など、家庭でできる時事問題対策について提案する。

4 2014年度時事問題予想(1)

「水俣条約が国連で合意」「日本に関する領土問題」「2012(平成24)年度の衆議院選挙 初の無効判決」など。時事問題は、それが発生した場所を地図帳で確認しておくことも重要である。

5 2014年度時事問題予想(2)

「政府、『主権回復の式典』強行、沖縄では反対集会」「憲法改正の動き」「参議院議員選挙」など。それぞれの問われるポイントとともに解説する。

プロフィール

早川 明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、現在、文教大学専任講師として社会科の教員養成にあたる。『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』などテキストや参考書の監修・執筆多数。「ジュニアエラ」の総監修者。