全国立大で検定と記述式を活用へ 共通テスト

2021年1月から大学入試センター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」では、国語と数学に記述式問題を導入するとともに、英語では筆記とリスニングの他、「聞く・読む・話す・書く」の4技能をすべて評価するため、大学入試センターが認定した外部の資格・検定試験(受験の年の4~12月に2回まで)を併用することになっています。
結果をどう活用するかは各大学に委ねられていますが、国立大学協会(国大協)は、一般選抜で両方を全受験生に課すとするガイドラインを策定しました。他の公私立大学にも、大きな影響を与えるものと見られます。

記述式は一般選抜の全受験生に

ガイドラインでは、まず資格・検定試験について、5教科7科目と同様、一般選抜の全受験生に課すことを確認。
具体的には、(1)一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする(2)CEFRによる対照表に基づき新テストの英語試験の得点に加点し、点数等の具体的な設定は各大学・学部等が主体的に定める……のいずれか、または両方を組み合わせて活用するとしています。

CEFRとは、「ヨーロッパ言語共通参照枠」のことです。外国語を教えたり学んだりする際にどれだけ使える力があるかを、A1~C2の6段階で示したものです。Aは「基礎段階の言語使用者」、Bは「自立した言語使用者」、Cは「熟練した言語使用者」で、それぞれ1が下位、2が上位です。中央教育審議会は、2022年度までに中学校卒業段階でA1レベル相当以上、高校卒業段階でA2レベル相当(英検準2級等)以上を達成した生徒の割合を50%以上にすることを国の目標に盛り込むよう答申をまとめています。資格・検定試験のスコアを文部科学省が作成したCEFRと対照させることで、受験生がいろいろな資格・検定試験を受けていても、同一基準での活用が可能になるわけです。

一方、国語の記述式問題は段階別で成績が表示されますが、国立大学ではこれを点数化し、マークシート式の得点に加点することを基本にするとしています。数学はもともとマークシート式問題と一体で出題されるため、同センターの配点に従います。

入学後にも必要な能力

ところで国大協の方針をめぐっては以前、資格・検定試験の配点を最大でも1割弱にするとの一部報道がありました。しかし最終的には先に見た通り、各大学の判断に委ねられています。

東京大学は、福田裕穂副学長(入試担当)が3月の記者会見で、資格・検定試験のスコア提出は求めるものの、合否判定には使わない考えを表明していました。ただ、これは国大協がガイドラインを公表する前です。

その東大も、4月から学生の「国際総合力」を伸長させるため、認定制度「Go Global Gateway」を始めました。五つの要素で構成される国際総合力の第1には「コミュニケーション能力」を挙げています。資格・検定試験で問われる4技能が、たとえ入試段階ではそれほど評価されなかったとしても、入学後に必要になってくることは間違いありません。
記述式も、大学教育で求められる思考力・判断力・表現力が備わっているかどうかを測るものです。配点などに惑わされず、今からしっかりと高校の授業で取り組みたいものです。

(筆者:渡辺敦司)

※国立大学協会 「大学入学共通テストの枠組みにおける英語認定試験及び記述式問題の活用に関するガイドライン」の公表について
http://www.janu.jp/news/teigen/20180330-wnew-guideline.html

※文部科学省 大学入試英語成績提供システムへの参加要件を満たしている資格・検定試験とCEFRとの対照表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/1402610.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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