世界大学ランキング日本版 国際化の進む大学は?

世界大学ランキング日本版 国際化の進む大学は?

新年度に入り、受験勉強を意識し始めたお子さんも少なくないことでしょう。18歳人口の減少や高大接続改革で、大学教育も急速に変わっています。
これまでのような有名大学が、そのまま安泰とは限りません。国内外の社会が急速にグローバル化を進めるなか、「国際性」も大学選びの重要な観点になるかもしれません。何を参考にすればよいのでしょうか。

「教育力」に着目、「国際性」の評価を強化

複数ある世界大学ランキングの中でも最も権威のある英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は、2017年からベネッセグループなどの協力で「THE世界大学ランキング日本版」を作成しています。
THEでは世界ランキングの他、地域版(欧州・アジア・ラテンアメリカ)や「新興国」、「創立50年以内」など、さまざまなランキングを出しており、国別ランキングは米国に次いで二つ目です。しかも国別の特徴は、「教育力」に重点を置いているところです。

大学には研究と教育という二つの機能がありますが、世界中の大学を同じ尺度で評価しようとすると、どうしても研究面が中心になります。学術に国境はなく、研究者同士の評判や論文の引用数など、客観的に比較する指標も比較的簡単に設定できるからです。
それに対して教育は、文化的な違いもあって、なかなか客観的な比較ができません。しかし、世界中で学生や研究者が国境を越えて大学を求める動きがますます加速するなか、大学選びの情報が必要です。そこでTHEでは、まず国内で教育に関するデータがそろっている米国に着目。2番目の国として、日本に白羽の矢を立てたのです。

年間延べ12億人が閲覧するTHEのランキングに名前が載るということは、世界中の留学生にとって大学選びの対象になるということを意味します。逆に言えば、ランキングに載らなければ対象にすらならず、国際的には存在しないも同じになってしまいます。

京大だけじゃない…意外?な大学も上位に

2回目となるTHEランキング日本版では、前年3位だった京都大学が東京大学と並んで同率1位になったことが注目されました。THEを運営するTES Global社によると、両大学とも国際化に力を入れているものの、京大の伸びのほうが著しかったと言います。
評価方法に変更があったことも見逃せません。評価の観点である4分野のうち「国際性」(他に「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」)の比率が、16%から20%に引き上げられました。これまでの外国人学生比率や外国人教員比率に加え、「日本人学生の留学比率」「外国語で行われている講座の比率」を加えたことに伴うものです。

日本版では、世界版には載らなかった秋田市の公立国際教養大学(2017年20位→18年12位)、東京都三鷹市の私立国際基督教大学(各15位→16位)、国立東京外国語大学(27位→17位)、大分県別府市の私立立命館アジア太平洋大学(各24位→21位)などが上位にランクインされています。分野別ランキングもあり、「国際性」ランキングにはこれら4大学や私立上智大学に、私立の京都外国語大学(20位→6位)、名古屋商科大学(28位→7位)などが続いています。

海外からも注目されるということは、国内にいながらグローバル人材となれるチャンスを広げてくれる大学だと見ることもできます。古くからのブランドや偏差値だけに頼らない大学選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

(筆者:渡辺敦司)

※THE世界大学ランキング日本版
https://japanuniversityrankings.jp/

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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