幼児期の生活習慣、後々の健康に影響!

幼児期に正しい生活習慣を身に付けることの重要性は、さまざまな団体や機関が提言していますが、果たして幼児期に身に付けた生活習慣は、実際にどの程度の影響を及ぼしているのでしょうか。
厚生労働省が発表した「21世紀出生児縦断調査」で、幼児期に保護者がおやつとして子どもの食べるものに気を付けている場合とそうでない場合では、むし歯による子どもの歯科医への通院者の割合が大きく変わってくることが明らかになりました。幼児期にきちんとした生活習慣を身に付けることの重要性が改めて証明されたと言えるでしょう。

13年間の連続調査で明らかに

同調査は、2001(平成13)年に生まれた子どもたちを対象に毎年実施されているもので、21世紀を生きる子どもたちの実態と経年変化を観察することを目的としています。21世紀になって生まれた子どもたちは、中学1年生(13歳)となっています。

歯科医への通院者の割合は、2歳当時で6.9%、その後急速に増加して5歳で35.7%となり、7歳で40.2%とピークに達してから減少に転じて、11歳で32.2%、12歳で24.9%と減少していきます。

これを、保護者が幼児期からおやつの「時間を決めている」「甘いものは少なくするようにしている」かどうかの有無で通院率を比較すると、明らかな違いがあることがわかりました。2歳当時では大きな差はないものの、ピークの7歳では、おやつの「時間を決めていない」と「甘いものは少なくするようにしていない」という子どもの通院率はいずれも4割を超えているのに対して、おやつの「時間を決めている」と「甘いものは少なくするようにしている」という子どもの通院率は、いずれも4割以下となっています。

おやつについて「栄養に注意している」「手作りのものにしている」という保護者の子どもは、そうでない保護者の子どもと比べて、「時間を決めている」「甘いものは少なくするようにしている」ほどの大きな差は見られませんでしたが、やはり通院率が低くなっています。

きちんと身に付けた生活習慣は確実によい影響を及ぼす

さらに、3歳当時に保護者が「仕上げ磨き」をしていたか、また4歳当時に「歯磨きを自分からしていた」かどうかで、むし歯による通院率の違いを見ると、保護者が仕上げ磨きをしていなかった子どもは、7歳当時の通院率が5割近くまで上昇したのに対して、保護者が仕上げ磨きをしていた子どもの通院率は4割以下となっており、やはり違いが出ました。

また、4歳当時に歯磨きを「自分でしない」「言われれば自分でする」という子どもよりも、「自分からする」という子どものほうが、4~12歳までのいずれの年齢においても、通院率が低くなっています。

おやつを食べる時間をきちんと決める、甘いものをあまり食べないようにする、きちんと自分で歯を磨けるようにするといった生活習慣を幼児のうちから身に付けた子どもは、虫歯になることが少なく、歯科医への通院率が低いということが、毎年同じ子どもたちを調査することによって裏付けられました。子どもの成長において、幼児期のうちに保護者がきちんした生活習慣を身に付けさせることの大切さが、改めて浮き彫りになったと言えるでしょう。

※21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)特別報告の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/13tokubetu/index.html

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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