次期指導要領、保護者などにも「参画」求める

小学校は2020(平成32)年度から、中学校は21(同33)年度から全面実施となる次期の学習指導要領は、パブリックコメント(意見公募手続)を経て、3月中に告示される見通しです(高校は1年遅れで来年3月の予定)。
今回の改訂は学校にとって、指導要領の扱いをより一段パワーアップさせるものですが、実は、保護者や地域住民など、先生以外の学校関係者にとっても無縁ではありません。「家庭や地域社会との連携及び協働」が、指導要領上も明記される見通しになったからです。

「社会に開かれた教育課程」目指して

これまでの改訂でも文部科学省は、保護者をはじめとした社会一般の人たちにも改訂の趣旨を理解してもらおうと、リーフレットを作成するなどして啓発に努めてきました。

しかし今回は、そんなレベルにとどめるものではありません。「社会に開かれた教育課程」が、改訂のキャッチフレーズです。子どもたちが、社会とのつながりを意識しながら教科などを学んでいくことはもとより、実際にも社会との関わりの中で、子どもたちの学びをつくっていくことを目指しています。

そのために指導要領案では「家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携」という一節を設け、教育課程の編成・実施に当たっては、必要な人的・物的な体制を、家庭や地域の人々の協力を得ながら整えることを求めています。

それには、まず家庭や地域に、改訂の趣旨自体を十分理解してもらったうえで、各学校でどういう教育活動を行うか先生方と話し合い、さらに授業が始まってからも参画を求めよう……というわけです。

これまでも学校の教育活動に、PTAやボランティアとして協力を求められることは、よくあったと思います。しかし次期指導要領では、むしろ<当事者>として参画が求められることになりそうです。

まずは学校の先生に説明を聞いて

改訂を提言した昨年12月の中央教育審議会答申では、指導要領を「学びの地図」として、学校の先生はもとより、保護者や子ども自身にも、身に付けるべき資質・能力などをわかりやすくすることを提言していました。しかし、実際に示された指導要領案は、これまでと同様に文章の羅列で、「地図」として読み込むには、依然として学校の先生並みの専門性が必要なようです。今後、正式告示後に文科省が出す解説書や、一般向けのパンフレット等で、もっとわかりやすく全体像や細部を図示した模式図(いわゆる「ポンチ絵」)が示されることになるでしょう。

これから、各学校でどういう資質・能力を育成するのか、そのためにどういう教育課程を編成し、どのような教育活動を行い、誰が何を担うのかを、学校の先生たちと、保護者や地域住民が話し合って、決めていかなければいけません。まずは学校の先生から、今回の改訂では何を目指し、どういう指導要領になっているか、「地図」の読み方を詳しく聞くことから始める必要があるでしょう。小中学校での全面実施は3~4年後ですが、「あと3~4年しかない」と考えるべきなのかもしれません。

※小・中学校学習指導要領案
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?OBJCD=100185

※中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1380731.htm

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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