「科学の甲子園」は2017年3月! 教育改革でチャンスも広がる?

「夏の甲子園」全国高等学校野球選手権大会は、今年も8月から熱戦が始まります。ところで「○○の甲子園」は、今や野球はもちろん、スポーツだけではありません。俳句甲子園(20日~21日)、書の甲子園(2017<平成29>年1月)など、文化系にも広がっています。そして、理科系も負けてはいません。「科学の甲子園」の全国大会は2017(平成29)年3月に開かれますが、早いところでは6月から県大会が始まっています。しかも、大学入試などで評価されるチャンスが広がるかもしれない……というのですから、気になります。

筆記と実技で「活用」の力を競う

科学の甲子園は、文部科学省所管の科学技術振興機構(JST)の主催で、2011(平成23)年度から開催されており、国公私立の高校生(中等教育学校後期課程や高専の生徒を含む)を対象とした大会です。全国の科学好きな生徒に活躍の場を与えることで、裾野の拡大とトップ層を伸ばすことを目的としています。

第6回となる今年度の全国大会は、2017(平成29)年3月17~20日、茨城県つくば市で開催されます。都道府県代表に選ばれた学校1チーム(1・2年生6~8人で構成)が、理科・数学・情報に関して、筆記と実技に取り組みます。ただし筆記といっても、習得した知識をもとに活用する力を問うもので、教科・科目の枠を超えた融合的な問題も出題されることがあるといいます。実技にしても、科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やコミュニケーション能力などにより、課題を解決する能力を競い合います。

高校生だけではありません。中学生には「科学の甲子園ジュニア」が用意されています。第4回となる今年度の全国大会は12月2~4日、東京都江東区内で行われ、早い県では7月から予選が始まっています。

高校では「理数探究」新設、新テストでも出題

科学の甲子園は、既にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)をはじめ、理科好きな生徒の活躍の場として定着しています。そして、いま進められている二つの教育改革により、そうした生徒のチャンスはますます広がりそうです。

まずは「教育課程改革」です。改訂論議が大詰めを迎えている次期学習指導要領(高校は2022<平成34>年度入学生=今年度の小学4年生=から全面実施)では、理科と数学にまたがる選択科目「理数探究(仮称)」が新設される予定です。SSHのミニ版ともいうべき科目で、理数系の大学に進学して研究を継続したい生徒の履修を想定しており、研究機関や企業などの協力も得ながら、設定した課題の探究に取り組みます。

理数探究は、「高大接続改革」の一環として、大学入試センター試験に替わって創設される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」でも、出題されます。さらに、個別大学の入学者選抜では、高校での学習・活動履歴書や、入学後の「学修計画書」など、多様な選抜資料の提出が見込まれており、調査書にも各種大会・コンクールの記録が記載できることになっていますから、「甲子園」経験は大きなアピールポイントになり得ます。

夏休みの自由研究で、理科や数学の課題に取り組もうというお子さんも少なくないことでしょう。そうして培った意欲や興味・関心を、大会へのチャレンジから大学入学者選抜へと、自然な形で伸ばしていってあげたいものです。

※科学の甲子園
http://koushien.jst.go.jp/koushien/

※科学の甲子園ジュニア
http://koushien.jst.go.jp/koushien-Jr/

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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