中高生にとって「五輪」はスポーツだけではない! 「科学五輪」でチャンスも!?

2020(平成32)年の東京オリンピック・パラリンピックが徐々に近付いていますが、中高生にとって「五輪」は、スポーツだけではありません。数学オリンピックをはじめ、七つもの科学五輪があります。文部科学省はこのほど、推進委員会を設置。各団体も「日本科学オリンピック委員会(仮称)」の設立を準備しています。科学五輪の現状を見てみましょう。

2016年は「地学」が日本で開催

七つの科学五輪(かっこ内は国際五輪の略称)とは、数学(IMO)・物理(IPhO)・化学(IChO)、情報(IOI)・生物学(IBO)・地理(iGeo)・地学(IESO)です。地理も入っていることを意外に思うかもしれませんが、もともと地理学には自然地理学と人文地理学などがありますし、そもそも学問を文系と理系に分けること自体、日本的な発想です。

最も歴史が古いのは数学五輪で、1959(昭和34)年に東欧諸国を中心に7か国の52人が参加して、第1回大会がルーマニアで開かれました。それが昨年の第56回タイ大会(チェンマイ)では104か国の577人が参加する、大きな大会に発展しています。日本は、1990(平成2)年の中国大会(北京)から参加。国内大会(日本数学五輪)の予選(1月)には毎年3,000人を超える参加者があり、本選(2月)と、中学生以下を対象としたJJMO(日本ジュニア数学五輪)成績優秀者も含めた春合宿(3月)を経て、日本代表選手6人が選出されます。大会とは別に、夏季セミナーも開催され、全国の数学好きな中高生が、1週間の数学漬け合宿生活を送ります。

今年の注目点は、地学でしょうか。国際大会が、8月に日本(三重県)で開催されるからです。昨年12月、1,748人が参加した国内予選が開かれ、3月の本選を経て、日本代表4人、ゲスト生徒5人が選ばれました。参加は過去最大の30か国約120人に上る見通しです。

科学五輪の他にも、インテル国際学生科学技術フェア(国内大会は日本学生科学賞と高校生科学技術チャレンジ)など「課題系」の国際科学技術コンテストもあります。

既に29大学が入試で評価

科学五輪は、成績を競うのはもちろん、日本中や世界中から科学好きな同世代が集まって交流を行い、お互いに刺激し合えることが、何よりの魅力です。将来その分野の研究者はもとより、他の分野に進んだ人とも交流が続き、国際的なネットワークづくりのきっかけにもなっています。

日本ではどうしても大学受験のことが気になってしまいますが、既に東京大学をはじめ29大学が、何らかの形で科学五輪など国際科学技術コンテストの成績を入試で評価しています(昨年12月現在、科学技術振興機構調べ)。高大接続改革でも、科学五輪の成績などを積極的に評価するよう求めていますから、入試での優遇措置は今後さらに広がっていくことでしょう。

このように、好きな勉強に徹底して打ち込むことが、更なるチャンスとメリットをもたらしてくれる環境が整いつつあります。お子さんが興味を持ったら、ぜひ励ましてあげてください。

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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