仕送り減額、奨学金やバイトでカバー 高校から大学まで約900万円

政府系金融機関である日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」によると、高校入学から大学卒業までに掛かる教育費は、約900万円に上ることがわかりました。自宅外通学者への仕送りは、前年度より年間で15万4,000円も減少する一方で、奨学金を受けたり、アルバイトしたりする学生が増えています。仕送りなどの不足分を、奨学金やアルバイトで補っていることがうかがえます。

  • ※「教育費負担の実態調査結果」(平成27年度)
  • https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h27.pdf

調査は2015(平成27)年11月、高校生以上の子どもを持つ保護者を対象に、インターネットを通じて実施し、合計4,700人から回答を得ました。子ども1人当たりの年間在学費用(授業料など学校教育費と学習塾など家庭教育費の合計)は、平均で高校が66万9,000円、大学が141万1,000円となっています。このうち国公私立大学別に見ると、国公立大学は93万9,000円、私立大学文系は142万2,000円、同理系は178万円で、国公立と私立の大学の間には大きな差がありました。

高校入学から大学卒業までに必要な教育費は、899万4,000円で、前年度より20万円増加しています。大学別に見ると、高校入学から国公立大学卒業までが689万9,000円(前年度より31万3,000円減)、私立大学文系卒業までが907万9,000円(同5万6,000円増)、私立大学理系卒業までが1050万4,000円(同52万9,000円増)となっています。

アパートなど自宅外通学者への生活費などの仕送り額は、平均で年間124万9,000円(月額10万4,000円)で、前年度より15万4,000円も減りました。自宅外通学者の場合、教育費とは別に4年間で約500万円、余計にかかる計算になります。いずれにしろ、保護者にとっては頭の痛い問題でしょう。

教育費をどう捻出しているのか尋ねたところ(複数回答)、「教育費以外の支出を削っている」が29.9%、「預貯金や保険などを取り崩している」が27.9%で前年度とほぼ同じだった一方、「奨学金を受けている」が前年度より2.1ポイント増の22.0%、「子供(在学者本人)がアルバイトをしている」が同4.0ポイント増の20.1%と増えています。大学での教育費や生活費などの負担は、もう保護者だけでは追いつかなくなりつつあるようです。

教育費以外で支出を削っているという項目(複数回答)を見ると、「旅行・レジャー」は61.6%、「外食費」は59.3%と、いずれもほぼ前年度並みだったのに対して、「衣類の購入」は44.9%(前年度比3.7ポイント増)、「食費(外食費を除く)」は34.5%(同2.2ポイント増)に増えています。レジャーや外食などの節約では追いつかず、衣食住のうち衣と食にまで節約が及んでいることがうかがえます。一方で、「バッグ、アクセサリーなどの身の回り品や装飾品の購入」は26.4%(同5.7ポイント減)、「保護者のこづかい」は22.9%(同6.5ポイント減)と節約する割合が減っています。衣食などの節約が進んでいることを考えれば、これらは節約する必要が減ったのではなく、これ以上節約できないという状況なのかもしれません。

大学では、さまざまな諸費用も無視できません。なるべく子どもが小さなうちから、計画的に教育費などについて考えておくことが大切でしょう。

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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