視力1.0未満の小学生が過去最高に 文科省の保健統計調査

裸眼視力1.0未満の小学生の割合は30.97%で、過去最高となったことが、文部科学省の2015(平成27)年度「学校保健統計」(速報)でわかりました。子ども全体では、身長は横ばい傾向にあるものの、体重は減少傾向を続けており、現代っ子はスリムになっていることがうかがえます。むし歯なども、保護者世代と比べると、格段に少なくなっています。

  • ※学校保健統計調査--平成27年度(速報)の結果の概要
  • http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/1365985.htm

現在の子どもたちの平均的な発育状況を見ると、身長は、小学6年生男子が145.2センチ(前年度比0.1センチ増)、同女子が146.7センチ(同0.1センチ減)、中学3年生男子が165.1センチ(前年度同じ)、同女子が156.5センチ(前年度比0.1センチ増)、高校3年生男子が170.7センチ(前年度同じ)、同女子が157.9センチ(前年度同じ)で、横ばい傾向となっています。

これに対して体重は、小6男子が38.2キロ(前年度比0.2キロ減)、同女子が38.8キロ(同0.2キロ減)、中3男子が53.9キロ(前年度同じ)、同女子が49.9キロ(前年度比0.1キロ減)、高3男子が62.5キロ(同0.1キロ減)、同女子が53.0キロ(同0.1キロ増)で、逆に最近ではほぼ減少傾向を示しています。身長は変わらずとも、体重は減少しているということで、現在の子どもたちはよりスマートになっているようです。肥満傾向の子どもの割合も、年齢によるばらつきはあるものの、ほぼ減少傾向にあります。

一方、懸念されるのが、視力の低下です。裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、幼稚園児が26.82%、小学生が30.97%、中学生が54.05%、高校生が63.79%で、小学生では過去最高を記録しました。

逆に少なくなっているのが、むし歯です。保護者世代に当たる30年前の1985(昭和60)年度当時と比較すると、むし歯がある子どもの割合は、小学生が50.76%(85<同60>年度は91.36%)、中学生が40.49%(同92.34%)、高校生が52.49%(同94.29%)で、高校生では過去最低を記録しました。食後の歯磨き指導や、家庭での習慣付けなどが、効果を上げているようです。情報化社会の進展などに伴い、視力の低下傾向という問題はあるものの、むし歯をはじめとして、子どもたちの疾病は確実に減少していると言ってよいでしょう。

視力低下の次に気になるのが、「ぜん息」の子どもの割合です。2011~13(平成23〜25)年ごろにかけてピークとなり、そのまま高止まり状態を続けています。2015(平成27)年度と保護者世代当時の1985(昭和60)年度を比べると、小学生は3.95%(85<昭和60>年度は0.93%)、中学生は3.00%(同0.67%)、高校生は1.93%(同0.24%)と、大幅に増加しているのがわかります。またアトピー性皮膚炎は、小学生と中学生でほぼ横ばい状態ですが、高校生では減少傾向にあり、2015(平成27)年度は2.05%で過去最低となりました。

この他、2015(平成27)年度を最後に、座高測定と寄生虫卵検査が廃止となります。座高はデータ活用の例がほとんどないこと、測定に時間がかかることなどから、16(同28)年度以降は検査項目から除外されます。同様に寄生虫卵検査も、衛生環境の改善により役割を終えたと判断されました。2016(平成28)年度からは、スポーツのし過ぎによる関節などの変形、運動不足による体の硬化などを見つけるための検査が導入されることになっています。

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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