子どもの部活、試合前はどう声をかければいい?

運動部で頑張るお子さまを持つ保護者必見! 子どもが試合を迎える前、親は子どもにどんなふうに声をかけ、励ますことができるでしょうか。オリンピック選手などトップアスリートを支えるメンタルコーチ・ファシリテーターの小田桐翔大さんにお話をうかがいました。


何を言うか以前に、何のために声をかける必要があるか

 まず、メンタルコーチとしてオリンピック選手をサポートした経験から、僕が意識しているポイントについてお話しします。

 

2014年のソチ五輪で、リュージュ競技に出場した金山英勢選手をサポートしました。金山選手が本番で100%の力を発揮するためのメンタル面のサポートが、僕が帯同した目的でした。

 

そこでもし、選手が「いや、今は何も話さなくていいよ」と思っているのであれば、僕は話さないほうがいい。目的に沿って考えれば、そのほうが正しいはずです。ところが、いざオリンピックという大舞台に立ち会ってみると、僕自身の中で「せっかくここまで来たんだから、なるべく選手に関わりたい」というエゴが出てきました。

 

ソチまで帯同して、選手と何も話さないで帰ってきたら、「おまえは何しにいったんだ?」と批判されるかもしれません。それでも、選手の立場に立って考えた結果、「今は話さない方がいい」という選手の気持ちを汲み取れたのなら、話さないことが一番のサポートなんだと思います。ですから僕は、ソチで「必要なときにはいつでも声をかけてほしい」と伝えて、いつでもサポートができるように準備をしていました。結果、レース当日までサポートを必要としてもらったことは、メンタルコーチとしてとても嬉しいことでした。

 

 

エゴが目的を超えてしまわないように

 「試合前にどんな言葉をかけたらいいですか?」という質問を、講演のときなどによくいただきます。でも「これを言えばいい」という普遍的な正解はありません。その選手が、その場で、何を言われたら、どう感じるのか。ケースバイケースで、選手の立場に立って、イメージするしかありません。マニュアル通りではなく、「選手にとってプラスになる関わり方」をイメージすることが大切です。

 

お父さんもお母さんも、「子どもに何か言ってあげたい自分」を満足させる言葉を考えるのでなく、子どもにとって「少しでもプラスになる言葉」を考えてあげてほしいと思います。

 

そのうえで、最終的には言葉を超えた関わり方が必要です。子どもには、周囲の大人の心持ち、熱意、愛情などが言葉を超えて伝わるものだと実感しています。「いい言葉」「いいメッセージ」よりも、子どもを信じる気持ちや振る舞いなどが大きく影響すると思います。たとえ言葉が洗練されていなくても、子どもの可能性を信じる気持ちを強く持っていれば、必ず想いは伝わると思います。

 

 

プロフィール

小田桐 翔大(SHOTA ODAGIRI)

FLY HIGH 代表 メンタルコーチ・ファシリテーター。1985年青森県生まれ。中学校・高校は岩手県にて野球部に所属。筑波大学体育専門学群卒業。在学中はバスケットボール部に所属し、全国ベスト8を経験。 (株)JTB法人東京で約4年間勤務した後、2013年1月に「FLY HIGH」を起ち上げ、アスリート・スポーツチーム向けにメンタルコーチング・チームビルディングプログラムを提供している。

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