【これからの時代に必要な力】「言葉にする」をサポートする声のかけ方

 新しい時代に必要なのは「自ら学び続ける力」だといわれます。そのような力を育てるために、家庭では、子どもとどう関わるのがよいのでしょうか。具体的な声のかけ方の例を、ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室の木村治生室長が、解説します。

 

 

【ケース1】日常の学校生活

NG「今日、学校楽しかった?」

GOOD「今日新しく勉強したことは、何?」

 

 小学生のお子さんは、自分で話したいことがあっても、それをうまく言語化できず、もどかしく感じているかもしれません。そこで、おうちの方には、YES/NOで答えられる質問ではなく、「中身を聞く」問いかけ方を心がけていただけたらと思います。

NGの例では、きっとお子さんの答えは「別に」「普通」などに限られてしまいがちです。しかし、問いかけを変えるだけで、お子さんは一生懸命「言葉にする」ことを考え始めます。お子さん自身が考えるということが、とても大切です。お子さんの答えが変わってくれば、その後のやりとりも変わってきます。

 

このような会話から、「すごいね!もっと教えて!」と続けられれば、お子さんも「自分は今日、新しく知ったことがあったんだ」という自信や、「明日は何を知るのかな」という意欲を育てることができるでしょう。

 

 

【ケース2】テストが返ってきた

NG「この前より点数悪いじゃない?」

GOOD

(良い結果なら)「頑張ったね!どうやって勉強したの?」

(あまり結果が良くなかったら)「できなかったところ、どうしたらいいかな?」

 

 保護者のかたが結果だけを見て評価してしまうと、お子さんも結果ばかりを気にする子どもになってしまいます。大切なのは、結果よりもプロセスです。そして、間違いを振り返って、これからどう直したらいいかと思うことです。

テストの結果がよかったら、頑張ったことをほめ、「どうやって勉強したの?」と成功のプロセスを話してもらうとよいでしょう。点数があまり良くなかった場合は、プロセスのどこに改善の余地があるかを考えるサポートをしてあげましょう。

 

 

【ケース3】宿題がわからない!

NG「先生の話、ちゃんと聞いていたの?」

GOOD「私もわからないな。何を見たらわかるかな?」

 

 高学年になってくると、お子さんの学習内容も複雑になってきます。保護者のかたにも、うまく答えられない問題もあると思います。

そんな時は、親自身が、「うまく教えられない自分」にイライラしないことが大事です。保護者のかたが正解を知っているかどうかは、まったく問題になりません。なぜなら、親は正解を教えてあげる人である必要はないからです。「何を調べたらいいと思う?」「ノートにはどう書いたの?」など、お子さん本人が調べることで、一緒に理解していけばいいのです。

たとえば、声に出して教科書を読んであげるだけでも、お子さんが自分でつまずきの原因に気づくことがあります。インターネットで調べるのを手伝ってあげるのもいいでしょう。「わからない」ということに一緒に向き合ってあげることで、「わかる」というプロセスを学ぶことができるはずです。

保護者のかたが直接答えを教えなくても、一緒に考えてくれるという心強さが、お子さんの積極性を育てることにもなるのです。

 

 

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