就職に有利? 専門学校に2014年度から「職業実践専門課程」‐斎藤剛史‐

2014(平成26)年度から専門学校(専修学校専門課程)に、企業などと連携した実習や実技の授業を重視する「職業実践専門課程」が誕生することになりました。より実践的な職業教育を重視することが目的で、各専門学校が生徒実数・中退者数などをホームページで情報公開することになっています。専門学校を志望している高校生には新しい進路の一つとなりそうです。

職業実践専門課程について文部科学省は、「先導的試行」と位置付けています。大学など日本の高等教育機関は、歴史的背景から学問的な教育を重視する一方、職業に関する教育を軽視する傾向がありました。このため文科省の中央教育審議会は2011(平成23)年1月にキャリア教育や職業教育の充実を求める答申を出し、高等教育段階で実践的な職業教育を行う「新たな学校種の制度」の創設などを検討するよう求めました。しかし、新しい学校制度の創設には大学関係者などが強く反対したため、最終的に専門学校に「職業実践的な教育のための新たな枠組み」をつくり、高等教育段階における職業教育の在り方を研究していくことになったものです。

ところで、「もともと専門学校は、実践的な職業教育をする学校では?」「従来の専門学校とどう違うの?」と疑問に思うかたもいるでしょう。職業実践専門課程の大きな特徴は、「職業に必要な実践的な能力」を育成することを目的として、企業などと連携して授業科目や教育課程を編成し、さらに連携先の企業で実習・実技・実験などの実践的教育を学校外で受けることです。つまり、教育内容を決める段階から企業などと連携しており、企業などでの実習・実験などもそこで計画的に盛り込まれます。

職業実践専門課程の内容を検討した文科省の協力者会議では、企業などと連携した実習・演習などの具体例として、「接客・販売実習」「マーケティング実習」「ホテル実習」「電気工事実務」「IT・ゲーム作品制作実習」などを挙げています。
また学校内の授業でも、企業の専門家が講師となってより実際の現場に即した講義をしたり、実習・実験をしたりすることなども想定されているほか、専門学校の教員についても企業と連携して実務に必要な知識・技能や指導力などの向上を図るため組織的な研修をすることも求めています。修業年限は2年以上、全課程の総授業時間数は1,700時間以上(または62単位以上)と規定されています。

学校評価などの情報公開としては、教育内容や生徒定員のほかに、生徒実数・専任教員数・中退者数・中退理由といった情報を原則としてホームページで公開することが求められています。専門学校志望者や高校の進路指導担当者には学校選びの参考材料となりそうです。

実際の職業現場でより実践的な能力を身に付けたいという人は、職業実践専門課程を進路選択の一つに考えてもよいかもしれません。


プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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