保護者と育む小学生の進路意識


みなさんのお子さまは、将来どんな職業につきたいと考えていますか? 今回は、小学5年生の将来つきたい「職業」や、「進学」「受験」について考えてみます。

小学5年生の将来
 男子は「野球選手」、女子は「保育士、幼稚園の先生」
Benesse教育研究開発センターで実施した「第4回学習基本調査」によると、小学5年生の男子の場合、将来つきたい職業は、1位「野球選手」、2位「サッカー選手」、3位「サラリーマン」。女子は1位「保育士、幼稚園の先生」、2位「ケーキ屋さん、パティシエ」、3位「看護師」でした(図1)。

小学生がつきたい職業には2つの特徴があります。ひとつは、最も身近な職業人である親や幼稚園・学校の教員がモデルになっていること。もうひとつは、テレビドラマやアニメ、マンガで描かれる、華やかで特別な技能をもつ人物がモデルになっていることです。職業を考えるには、その職業が具体的にどのような内容の仕事なのか、ある程度イメージできないと難しいと思います。そのため、今回の結果のように、身近な大人の職業やテレビなどで接する職業の中から選ばれていることは、ある意味では当然の結果ともいえるでしょう。

【図1】将来つきたい職業のランキング
図1-1 将来つきたい職業のランキング(男子)
図1-2 将来つきたい職業のランキング(女子)
注1)サンプル数は男子1,397名、女子1,310名。
注2)( )内は回答実数。
※第4回学習基本調査
調査概要 ◎調査主体:Benesse教育研究開発センター/調査対象:小学5年生・全国3地域〔大都市(東京23区内)、地方都市(四国の県庁所在地)、郡部(東北地方)〕第1回・2,578人、第2回・2,665人、第3回・2,402人、第4回・2,726人/調査時期:第1回・1990年9~10月、第2回・1996年5~6月、第3回・2001年5~6月、第4回・2006年6~7月

高学歴志向がやや増加
小学5年生は、高校や大学など、どの段階まで進学したいと希望しているのでしょうか。図2は90年に実施した第1回調査から今回の第4回調査までを比較したものです。ご覧いただきたいポイントは3つあります。

まず、短期大学、大学、大学院まで進学を希望している小学5年生生は34.3%であること。3人に1人は、現時点で大学に進みたいと考えており、その傾向は16年前の第1回調査とあまり変化していません。文部科学省の調査によると、2007年度の大学、短大の志願者は約54%。2人に1人が大学、短大を志願しています。

次に、専門学校、各種学校まで進学を希望している小学生は19.4%で、その割合がだんだん増加してきていること。先の大学進学希望の割合を合計すると、過半数の小学生は、高校卒業後も、進学して勉強を続けたいと考えているようです。

最後のポイントは、「わからない」と回答した小学生は18.8%で、だんだん減ってきており、第1回調査と比べると、その割合は半分程度にまでなっていること。今の小学生は、以前よりも自分の進路のことをしっかり考えていることがわかります。

いま、小学校でも「総合的な学習の時間」などを中心に、勤労意識や職業意識を高めるための「キャリア教育」の授業が行われるようになってきました。地域の人たちがどんな仕事をしているのかを取材したり、実際にその仕事を体験したりしながら「仕事」をリアルに実感し、自分自身の進路を考える機会をもっているのです。こうした取り組みが、小学生の進路意識に影響を与えているのかもしれません。

【図2】希望する進学段階(時系列・性別)
図2 希望する進学段階(時系列・性別)
注1)– 該当項目なし
注2)( )内はサンプル数。

中学段階での学校選択
子どもの進路について考えるうえで、もうひとつ重要なことをご紹介します。データは掲載していませんが、弊社の調査によると、首都圏を中心に私立中学を希望する子どもが増えています。また、公立中高一貫校を希望する子どもが増えていることも事実です。こうした状況に加えて、現在公立学校では「学校選択制」が進んでいます。中学校を例に見ると、自治体1,448(学校が一つしかない場合を除く)のうち、学校選択制を導入しているのは161自治体で、全体の11.1%です(図3)。つまり、中学入学段階で、中学校を主体的に選択できるようになってきたのです。

どの中学校に進むのかを決めるのは、子どもの意思だけではなく、保護者の教育観や、社会観なども大きく影響します。もちろん私立中学受験の場合は家計への影響も大きな要素です。進路の選択肢が増えるからこそ、身近な大人である「保護者」が子どもといっしょに進路について考えることがとても大切なのです。「将来の仕事」という遠い目標を話すこと、すぐ先にある「中学校」について話すことのどちらも大切です。そしてもっと大事なのは、いきいきと生活している親の姿を子どもに見せることかもしれませんね。

【図3】小・中学校における学校選択制等の実施状況について
図3 小・中学校における学校選択制等の実施状況について
※導入時期が不明なものは、便宜上平成16年度分に計上している。



プロフィール

Benesse教育研究開発センター 小泉和義

「進研ゼミ小学講座」は1980年に開講して以来、「チャレンジ」の愛称とともに全国の小学生のやる気をひきだす自宅学習教材として親しまれてきました。現在、小学生の約5人にひとりが会員という、最も利用されている自宅学習教材です。

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