ゆとり教育で「学力改善」は本当?……教育課程実施状況調査
文部科学省が実施した「平成17年度高等学校教育課程実施状況調査」の結果、いわゆる「ゆとり教育」による学力低下が懸念されていた高校生の学力が、やや向上していることが明らかになりました。
「学力」とは何かということを含めて、いまだに学力問題は議論が絶えません。そこに、現行学習指導要領で学んだ子どもの学力は低下していない、という調査結果が出たわけです。
新聞などのマスコミは「学力改善方向」「学力下げ止まり」など大きく報道しましたが、そこには何か歯切れの悪さがありました。
完全学校週5日制、「総合的な学習の時間」の導入、教育内容の削減など、「ゆとり教育」の頂点とも言える現行学習指導要領と学力の関係を、どう見たらよいのでしょうか。
実は小・中学校についても、2003(平成15)年度の教育課程実施状況調査(2005(平成17)年4月発表)で、学力は向上しているという結果が出ていました。
しかし当時は学力低下批判が盛んだったため、大きな話題にはなりませんでした。
今回の調査結果によって、小・中学校に加えて高校でも、現行学習指導要領で学力低下は起きていない、というデータが揃ったのです。
学力低下批判を繰り広げてきたマスコミばかりか、学力低下を認めた文科省さえも、この結果をどう解釈したらよいのか頭を抱えている、というのが実情です。
調査結果に関する「ゆとり教育」と学力との関係について、マスコミや教育関係者の代表的な意見を見てみましょう。
1番目は、テストの正答率は確かに改訂前の前学習指導要領で学んだ子どもたちよりも上昇していますが、正答率が低下している科目もあるほか、記述式問題の正答率も低いままであり、これでは学力が向上しているとは言い切れない、そもそも前回の学力自体が低すぎるので比べても意味はない、という意見です。
2番目は、テストの正答率が上がったのは、学力低下を深刻に受け止めた学校現場が、学力向上のためにさまざまな取り組みをしてきたからであり、現行学習指導要領のおかげで学力が上がったのではない、という意見です。
学力低下批判を受け、当時の遠山敦子文科相は2002(平成14)年に学力向上を目指した「学びのすすめ」アピールを発表し、「確かな学力」を身に付けさせるよう指導しました。
これによって、土曜日補習、授業時間数の確保、基礎基本の反復学習などの取り組みが、各学校で進んだのも事実です。
3番目は、同じ「ゆとり教育」でも、現行学習指導要領と、それ以前の学習指導要領は、全く性格が異なるという意見です。
つまり、単に授業時間数を減らしただけの以前の学習指導要領では確かに学力が低下したが、完全学校週5日制を前提に教育内容を精選し、総合学習などで体験学習を重視した現行学習指導要領なのだから学力は上がる、という見方です。
4番目は、勉強する子どもたちのグループの成績がさらに上がり、反対に勉強しない子どもたちの成績がより落ちている、という学力の二極化が進んでいるため、平均点だけ見るとやや学力が上昇したように見えるのではないか、という意見です。
マスコミなどでは「現行学習指導要領には課題は多い」とする見方が主流のようですが、いずれの意見もそれを裏付けるデータが不十分で、どれが正しいとは言い切れません。
4月24日に約40年ぶりとなる全国一斉学力テストが、文科省によって実施されました。これから毎年実施されるこのテストによって、いずれ「ゆとり教育」と学力の関係が明らかにされていくことでしょう。
「学力」とは何かということを含めて、いまだに学力問題は議論が絶えません。そこに、現行学習指導要領で学んだ子どもの学力は低下していない、という調査結果が出たわけです。
新聞などのマスコミは「学力改善方向」「学力下げ止まり」など大きく報道しましたが、そこには何か歯切れの悪さがありました。
完全学校週5日制、「総合的な学習の時間」の導入、教育内容の削減など、「ゆとり教育」の頂点とも言える現行学習指導要領と学力の関係を、どう見たらよいのでしょうか。
実は小・中学校についても、2003(平成15)年度の教育課程実施状況調査(2005(平成17)年4月発表)で、学力は向上しているという結果が出ていました。
しかし当時は学力低下批判が盛んだったため、大きな話題にはなりませんでした。
今回の調査結果によって、小・中学校に加えて高校でも、現行学習指導要領で学力低下は起きていない、というデータが揃ったのです。
学力低下批判を繰り広げてきたマスコミばかりか、学力低下を認めた文科省さえも、この結果をどう解釈したらよいのか頭を抱えている、というのが実情です。
調査結果に関する「ゆとり教育」と学力との関係について、マスコミや教育関係者の代表的な意見を見てみましょう。
1番目は、テストの正答率は確かに改訂前の前学習指導要領で学んだ子どもたちよりも上昇していますが、正答率が低下している科目もあるほか、記述式問題の正答率も低いままであり、これでは学力が向上しているとは言い切れない、そもそも前回の学力自体が低すぎるので比べても意味はない、という意見です。
2番目は、テストの正答率が上がったのは、学力低下を深刻に受け止めた学校現場が、学力向上のためにさまざまな取り組みをしてきたからであり、現行学習指導要領のおかげで学力が上がったのではない、という意見です。
学力低下批判を受け、当時の遠山敦子文科相は2002(平成14)年に学力向上を目指した「学びのすすめ」アピールを発表し、「確かな学力」を身に付けさせるよう指導しました。
これによって、土曜日補習、授業時間数の確保、基礎基本の反復学習などの取り組みが、各学校で進んだのも事実です。
3番目は、同じ「ゆとり教育」でも、現行学習指導要領と、それ以前の学習指導要領は、全く性格が異なるという意見です。
つまり、単に授業時間数を減らしただけの以前の学習指導要領では確かに学力が低下したが、完全学校週5日制を前提に教育内容を精選し、総合学習などで体験学習を重視した現行学習指導要領なのだから学力は上がる、という見方です。
4番目は、勉強する子どもたちのグループの成績がさらに上がり、反対に勉強しない子どもたちの成績がより落ちている、という学力の二極化が進んでいるため、平均点だけ見るとやや学力が上昇したように見えるのではないか、という意見です。
マスコミなどでは「現行学習指導要領には課題は多い」とする見方が主流のようですが、いずれの意見もそれを裏付けるデータが不十分で、どれが正しいとは言い切れません。
4月24日に約40年ぶりとなる全国一斉学力テストが、文科省によって実施されました。これから毎年実施されるこのテストによって、いずれ「ゆとり教育」と学力の関係が明らかにされていくことでしょう。














