夏休み後半を有意義に過ごす方法

今回は、2005年7月27日〜2005年8月3日にアンケートを実施し、751名の方からご回答いただきました。回答者の約9割がお母様からのご回答でした。ご協力ありがとうございました。
さて、今回のテーマは前回の速報版に引き続き、「夏休みの過ごし方」について。保護者の方が気がかりに思っていらっしゃるお子様の夏休みの学習や、夏休みの後半をどのようにすれば有意義に過ごせるかについて考えていきたいと思います。

夏休み後半を有意義に過ごす方法


夏休みに子どもに身につけさせたいのは自立的な生活とチャレンジ精神
今からでも遅くない!夏休み後半を有意義に過ごす方法
保護者の方はどんなことを心がけて夏休みを過ごしているのか?

 夏休みに子どもに身につけさせたいのは自立的な生活とチャレンジ精神

たくさんの自由に囲まれた長い夏休みの中で、保護者の方々はお子さまにどのような力を身につけてほしいと思っていらっしゃるのでしょうか。アンケートのなかで、自由記述でご回答いただきました。

  • 遊びも勉強も、自分で計画を立て楽しんでほしい。そして、達成感を感じてほしい。
  • 自分で目標を立て、それをやりぬく気力をつけてほしい。広い視野が持てるよう、親が話してみるものの、経験が少ないので、なかなか実感がわかない様子です。世の中にはいろんな人がいていろんなチャレンジをしている。自分はどうだろう・・・と考えて、目標・夢に向かって取り組める力が育ってほしいです。
  • 何かに挑戦して「できた!」という達成感を味わってほしいです。それが今後の自信になれば、と思います。
  • 一生懸命遊び、一生懸命学ぶというバランスの大切さを実感してほしい。
  • 集中して勉強に取り組む姿勢
  • 自分で疑問を持ち、自分で学習する力を身につけてほしい。


自然体験や、人間関係に関することなども含め、さまざまなご回答を寄せていただきました。なかでもやはりよく学び、よく遊ぶ、メリハリのついた生活を送ってほしい、そして何かにチャレンジしてほしい、といったご意見が多く見受けられました。長い夏休みだからこそできる貴重な体験をし、また、学習面でも目標を持って自主的に取り組んでほしい、という保護者の皆様の願いが感じられます。

夏休みもいよいよ中盤にさしかかってきましたが、前半を振り返ってみて、お子さまはどのように過ごされていたでしょうか。勉強・遊び共に充実していた、生活リズムを崩してしまった、宿題の自由研究や読書感想文が残ってしまったなど、いろいろなお子さまがいらっしゃることと思います。これから残りの夏休み、どんな生活を送ることが、有意義な夏休みを過ごした!という結果につながるのでしょうか。これから一緒に考えていきましょう。

 今からでも遅くない!夏休み後半を有意義に過ごす方法

アンケートを実施した夏休みの前半、お子さまの学習について気がかりなこととして、次のような悩みを挙げていらっしゃる方が多く見受けられました。

  • 宿題に追われてしまい、自分から何かに取り組むといった自発的な行為ができなくなってしまうのではないかと、少々不安です。
  • 自分で計画を立ててはいるが、それを実行できるか?教科によって異なる効果的な学習方法を理解しているか?苦手なこと、嫌いな教科は何もせずに終わり、すべて忘れてしまうのではないかと心配です。
  • 時間はたっぷりあるはずなのに、なかなか有効に時間を使えない。
  • 進学塾で、夏期講習を受けている子たちと差がつくのではないかと気がかりです。受験をさせようとは、今の段階では思っていないのですが・・・。
  • 与えられた課題はこなせるが、自由研究や読書感想文などはやろうとしない。
  • 自由研究に取り組ませたいが、なかなか本人がやる気になる題材がみつからない。もっと読書の時間をとってほしいと思っているが、うまく時間を取れない様子。


この文章を読んでいらっしゃる今、お子さまの学習の進み具合はいかがでしょうか。家庭学習・宿題が思うように進まず、焦りを感じている方もいらっしゃることと思います。でも、今からでも遅くはありません。ここではBenesse教育研究開発センターの
八木義弘顧問のアドバイスをご紹介します。

八木先生

★まずは夏休みの計画の見直しを

八木先生は、「夏休みの折り返し地点で、夏休みの計画の振り返りをする必要がある」といいます。
「夏休み前半にやろうとしたことがどこまでできているかを見直すことが大切です。残っている学習課題の中で取り組む順番をつけ、必ずやろうと思うこととその期日を決めてしまうと、取り組みやすくなる」とアドバイスしています。

★自主学習面でのサポート
また、小学校1年生から4年生くらいまでのお子さまは、食事の片づけが終わったテーブルで親の側で勉強させる、といった一工夫で勉強に対する集中力が高まります。わからないところがでてきたときに、保護者の声かけやサポートがあれば、そこで嫌になってやめてしまうこともなくなります。ときには褒め、子どものやる気をアップさせることも大切です。

★自由研究・読書感想文などが残ってしまっていたら
アンケートのなかで、お子さまの夏休みの宿題を「よく手伝う」「ときどき手伝う」と答えた方に、何の宿題を手伝うかたずねたところ、3人に1人の保護者の方が「自由研究」を手伝う、と答えています。また、図画・工作や読書感想文を手伝う方も多くいらっしゃいました。

「どのような宿題を手伝いますか?」(数値は%)



では、こうした宿題に、保護者の方はどう関与すればよいのでしょうか。

八木先生は、「取り組もうとしている課題の分量を見直すこと、また、お盆で家族がそろうときに協力して取り組むと時間を有効に使える」といいます。自由研究は、当初はたくさんのことをやろうとしがちです。でも、残された時間のなかで、できる分量を決めることが大切です。自由研究は、もともとやりたいことをやるものなので、まだ取り組めていないお子様には、何でそのテーマを選んだのかといったことを親子で振り返り、当初やろうと思い立ったときの気持ちにお子様を戻してあげるとやる気が上がります。漠然としたテーマのイメージができているならば、それを具体的レベルに落としてあげると取り組みやすくなります。

また、読書感想文が残ってしまっている場合は、親子が同じ時間に同じ場所で一緒に本を読んだりすると、子どもの集中力が高まります。読んだあと、お母さんやお父さんがストーリーを聞いたり、感想を聞いてあげると、よりいっそう感想文が書きやすくなります。

★生活面でのサポート
では、生活面ではどうでしょう。前半に規則正しい生活のリズムが崩れてしまっていないでしょうか。八木先生は、「夏休みの最後の1週間は2学期への移行の準備をさせる時期」といいます。食事の時間、起床・就寝の時間などを再度決め、家族みんなでその時間を守ることが大切です。身体的なリズムを取り戻しておくと、2学期への移行が難しくなくなります。

これからの夏休み後半の過ごし方しだいで、時間を有効に使い、遊びも勉強もメリハリのついた生活を送ることは十分可能です。夏休み後半は、ぜひ、2学期の学校生活にスムーズに順応できるよう、生活リズムにも気をつけたいところです。保護者の皆様のちょっとした声かけやサポートがお子様の有意義な夏休みにつながります。

 保護者の方はどんなことを心がけて夏休みを過ごしているのか?

では、そんな保護者の方はこの夏休み、どんなことを心がけて毎日を過ごしていらっしゃるのでしょう。自由記述でご回答いただきました。

【規則正しい生活】

  • 食事をバランスのよいものにする。起床、就寝の時間は守るように。休みだからと遅くまで寝ていたり、起きていたりということがないようにする。
  • 暑さに負けて、親もダラダラとすごさないように。
  • 規則正しい生活を送るように心がけています。学習習慣もしっかりつけ、たくさん遊びもしてほしいと思います。家でテレビをごろごろ見ることのないように、朝の学習が終わったら、プールなどへ連れて行きたいと思います。



【親子のふれあい】

  • できるだけ、話し相手になったり、遊んだり、よく触れ合うことだと思います。
  • 子どもと過ごす時間が十分にあるので、日ごろできないことを一緒に経験したいと思っている。子どもと本読み大会(図書館でお互いよいと思う本を決めて借り、家で読みあう)とか、一緒に町内の公園探検をして地図を作ろうかと思っている。



【自主性】

  • 小言を減らす。
  • できるだけ自分でできることは子どもたちにさせる。
  • 時間を守れば、本人の自由にさせています。始めに、自分で計画を立て、1日の時間割(?)を親子で確認するので、自己責任能力をつける意味も含めて過ごしています。親も時にははめをはずさせつつ、子どもの決めた時間に協力するようにしています。



【健康・安全】

  • 外遊びが多くなると思うので、熱射病の予防、及び、防犯面に気をつけて子どもたちに声をかけたり、一人にさせないようにする。



このように、生活面でのサポートを始め、健康・安全面、子どもの自主性を尊重するなど、保護者の方が家庭で子どもを気遣う様子がよく伝わってくるご回答がたくさんありました。

夏休みはこどもたちの大きな成長のきっかけになる時期です。
Benesse教育研究開発センター(旧未来教育センター)の2002年度の調査(第2回子育て生活基本調査)では、中学入学を期に「家庭学習の習慣化」や、「整理整頓のできない様子」を気がかりにしている保護者の割合が伸びています。しかし急に中学段階で規則正しい生活態度に変わったり、自主性が身につくことは難しいでしょう。そこでは、小学校段階からの「自主的にものごとに取り組む」「計画的に宿題や学習に取り組む」「規則正しい生活をおくる」ことが大切であることを物語っていると思います。


残り半分となった夏休み。遊びも学習も、そして家族の思い出作りも。どれも充実したものになることを願ってやみません。たくさんの思い出とともにひとまわりたくましくなったお子様が2学期を迎えられるよう、どうか残りの夏休みを有意義に過ごしてください。

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