「よかれと思って」が赤ちゃんの睡眠を妨げている意外な事実

ご自身も長男の寝かしつけで苦労されたことから、赤ちゃんの睡眠コンサルタントの資格を取り、乳幼児の睡眠で悩みをもつ母親の相談にあたっている愛波文さんに、お話を伺いました。

「よかれと思って」が睡眠の妨げになっていることも

多くの赤ちゃんは、眠ることはできても、自分で寝つくことはできません。だからこそ、お母さんが抱っこをしたり、添い乳をしたりして寝かせているご家庭がほとんどだと思います。生まれてから半年くらいまでは、この寝かしつけを楽だと思って続けているお母さんが多いかと思いますが、月齢が上がるにつれて、「授乳や抱っこじゃないと寝てくれない」「添い寝で長時間の寝かしつけをしないと寝てくれない」という悩みが出てきます。
我が子の寝かしつけで悩んでいるお母さんはとても多く、私もそのうちの一人でしたが、「寝てほしい」と思ってやっていることが、実は赤ちゃんの睡眠の妨げになっていたり、赤ちゃんが自分で寝つくのを邪魔している可能性があるのです。

〝寝言泣き〟はまずは3分見守って

例えば、赤ちゃんは、寝ているときも「あぁー」「うぅー」という〝寝言泣き〟をしたり、寝ている間もよく動いたりします。そのときに、お母さんは「起きたかな?」と思って、「大丈夫だよ」と言いながらおっぱいあげたり、抱っこしたりするかもしれません。でも、実は、このとき赤ちゃんはまだ寝ていることがほとんど。その行動こそが赤ちゃんを起こしてしまっていることもあるのです。これは、就寝中の赤ちゃんの脳波を測った玉川大学の研究でも明らかにされています。
ですから、お母さんからすると「起きたかな?」と思う場面でもまずは3分ほど待ってみてください。ただ寝ぼけているだけで、再び一人で寝ることもよくあります。

夜中のおむつ替え、照明を明るくすると覚醒の原因に

夜中に、部屋の照明をパチっと明るくして「◯◯ちゃんおむつ替えだよー」などと言いながらおむつ替えをしていることはありませんか? これを繰り返していると、赤ちゃんも「この時間に起きてもいいんだ」と思うようになってしまい、ふたたび寝かしつけるのが大変になることも。就寝中におむつを替える際は、足元をぼんやり照らす「おやすみライト」を利用し、声をかけずにさっと替えます。また、日本のおむつの性能は本当によいので、かぶれていたりしない限りは、夜中におむつ替えをする必要はありません。

掛け布団は2歳から 乳幼児突然死症候群のリスクも

日本では、赤ちゃんの布団セットを出産準備品として用意することが多いですが、赤ちゃんの寝床の安全面からすると、布団やまくらを使用するのは2歳になってからをおすすめしています。というのも、まだ思うように身動きが取れない月齢の赤ちゃんの場合、掛け布団が窒息事故の原因になったり、熱がこもって起こる可能性のある乳幼児突然死症候群のリスクを引き起こすこともあるからです。
寝返りを打てるまではおくるみを、寝返りが打てるようになってからはスリーパーやスリープサックを利用するのがいいでしょう。

プロフィール

愛波文(あいばあや)

愛波文(あいばあや)

子どもの睡眠コンサルタント。APSCアジア/インド代表。IMPI日本代表。一般社団法人日本妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント協会代表理事。慶應義塾大学卒業。2012年に長男出産。夜泣きや子育てに悩んだことから乳幼児の睡眠科学の勉強をはじめ、米国IMPI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。2015年に次男を出産。現在、2人の男の子の子育てをしながら、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルティングや個別相談、日本人向けに子どもの睡眠教育プログラムを提供。IMPIと提携し、妊婦と子どもの睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社)がある。

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