実は間違いだった⁉ 卵と健康に関わる最新常識

今は、情報がいろいろなところから溢れている時代です。「一体どれが正しいことなの?」と、頭を抱えてしまうこともあるかもしれません。
それは、食事と健康という分野も同じで、溢れる情報量に振り回される一方で、古い情報は更新されず、そのまま勘違いの常識として認知されていることもあります。
今回は、そんな勘違いが多い「卵」の摂り方について、子育て食についての本を著した小児科医の伊藤明子先生にお話を伺いました。

離乳食でも「卵」は注目のキーワード

乳児がいらっしゃるご家庭では、アレルギーを起こしやすい食材(卵、そば、エビ、カニ、ピーナッツ、大豆、小麦、牛乳など)をいつ頃からあげればいいのか、お悩みのかたも多いと思います。とくに、「卵は1歳を過ぎるまであげるのは控えたほうがいい」という情報が出回っており、卵を食べさせるのを躊躇しているご家庭もあるかもしれません。でも、これは実は古い常識なのです。

最新の情報では、離乳食は「生後5~6か月から卵を食べさせたほうが卵アレルギーになりにくい」という声明が日本小児アレルギー学会から出ており、卵も同じ頃から食べ始めることを推奨しています。逆にいえば、離乳食をの開始、卵の摂取の時期を遅らせると、アレルギーリスクが上がってしまうことが考えられます。
卵を乳幼児に与えないことには、もう1つ問題があります。それは、卵から摂れるはずの栄養が摂取できないので、栄養障害のリスクが上がるということです。
卵にはタンパク質をはじめ、特に黄身には鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンEなど18種類もの微量栄養素がびっしり入っています。栄養欠乏や貧血、くる病などを予防するという意味でも、卵から栄養を摂ることはおすすめなのです。

卵は1日1個じゃなくていい

卵に関するお話をもう1つしたいと思います。
子どもの頃、「卵は1日1個まで」と言われたことのある保護者のかたもいるのではないでしょうか。実は、これは古い常識なのです。以前まで、厚生労働省では、1日のコレステロールの摂取基準を女性600mg、男性750mgというように設けていました。卵1個のコレステロール値はおよそ200mgなので、コレステロールの高い卵は1日1個までがよいとされていたのです。
今では、食事摂取基準にコレステロールの基準は撤廃されています。コレステロールは、肝臓で一定量作られていることがわかり、食べ物が与える影響に科学的根拠がなくなったからです。
卵は、上で説明した通り、貴重な栄養源ですから、保護者のかたもぜひおいしく食べられるといいですね。

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プロフィール

伊藤明子(いとう みつこ)

伊藤明子(いとう みつこ)

小児科医、公衆衛生専門医、同時通訳者。
東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で臨床研修。同病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻終了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children,Healthy Lives代表理事。
著書・共著に『天然ヘルシー「調和食」レシピ』『イタリアン・テルメ』など。

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