お友だち同士の喧嘩、親はどう対処すればいい?

自我がだんだんと芽生え、保育園や幼稚園で生活することでお友達とのコミュニケーションも増えてくる、4歳から5歳の時期。この頃になると、おもちゃを取りあったり、順番を守れなかったりなど、園生活を通し喧嘩が今までよりも増えてくるお子さまもいらっしゃるでしょう。
ここでは、お子さまが喧嘩を通して、お友達と上手にコミュニケーションがとれるようになる方法を、保育士として15年以上、保育業務に携わってきた監修者・市川由美子さん監修のもとにご紹介します。保護者がどのように教えればいいかということも併せて解説しましょう。

お子さま同士が喧嘩したとき保護者はどう対処したらいい?

仲良く遊んでいても、突然起こるのが喧嘩。お子さま同士が喧嘩したときに困るのは保護者の対処方法です。すぐに仲介に入るのではなく、様子をしっかり見極めることが重要なポイントになります。

◆喧嘩への保護者の対処法
1.見守る
喧嘩が始まったら、思わず保護者として「止めなきゃ!」という気持ちが出るはずです。しかし、そこでぐっとこらえて、お子さまたちの様子をしばらく見守りましょう。お子さまの手が出ていたり、物を使って相手を叩いたりしているときはもちろん別ですが、保護者が間に入らない方がお子さまのコミュニケーション力を成長させることにつながります。お子さま自身の力で解決する方法を身につけさせるために、そっとしておく姿勢も大切です。

2.理由を聞く
見守っていても喧嘩が終わりそうになければ、どうして喧嘩が始まったのか理由を聞いてあげましょう。喧嘩になった相手同士、それぞれの立場で譲れない気持ちがあるはずです。質問を重ねれば、徐々になぜそうなったのかを聞き出せるでしょう。本当はどうしたかったのかをお子さまに話させることで、うまく表現できない気持ちが次第にほぐれていきます。

3.お子さまの気持ちに共感する
保護者が状況を把握できれば、お子さまも気持ちを理解してもらえたと感じます。お子さまにもわかる言葉で、「悲しかったね」「うまく貸せなかったんだよね」などと話しかけてあげましょう。そうすることで、お友達の気持ちもわかる冷静な状態にお子さまを近づけてあげられます。

4.解決を手助けする
最終的に解決するためには、「じゃあどうすればいいかな?」「なんて言ってあげる?」とお子さまに問いかけて、自分で考えさせることが大切。解決のための手助けをするのが、保護者の役割です。仲直りができたら、また遊びを再開しましょう。

場合によっては叱ることも大切

喧嘩の度合いによっては、見守るのではなく保護者が叱る必要がある場合もあります。以下のケースに当てはまる場合は、叱ることも必要です。

◆叱ることが必要なケース
・相手のお子さまに怪我をさせた
・周囲にあるおもちゃや物を壊そうとしている
・他人の物を盗んでいる
・他人に迷惑がかかる行動をした

喧嘩の中で上記に当てはまる状況になっていれば、まず保護者が相手に謝罪し、本人からも謝らせましょう。
喧嘩が幼稚園や保育園で起き、あとから事実を知って謝罪ができなかった場合や、物を壊した場面で持ち主がいなかったときは、手紙で丁寧に謝罪するのもひとつの方法ですが、その日のうちにすぐに電話で謝罪することも大切です。
直接会って重ねて謝罪することも忘れないようにしましょう。また、保護者が謝罪している姿を見たお子さまは、どうして謝らなければいけないのかという理由がわかりやすくなります。

叱る際には「なぜしてはいけないのか」について、しっかり教えてあげましょう。そうしなければ、お子さまは何が悪かったのかをきちんと理解できません。今後も同じことを繰り返してしまう可能性があるため、理由はしっかり伝えるようにしましょう。

喧嘩は悪いことではない

喧嘩はしてはいけないものではなく、悪いことでもありません。
相手の気持ちを考えるいい機会であり、自分の気持ちを我慢することも必要である、ということを理解するための時間でもあります。
自分がいやなことは他人にはしない、自分はなんとも思っていなくても他人にとってはいやである場合もあるなど、いろいろな視点が必要なことが徐々にわかってくるのです。喧嘩から学ぶことはたくさんあり、お子さまの心を育むきっかけになるので、保護者も避けることなくしっかり向き合いましょう。いいことや悪いことを正しくその都度教えてあげることで、心の成長のためのいい機会になります。

お子さまは、人との関わりの中で喧嘩を何度も経験することで、より心が豊かになっていきます。多くの人と接する機会に積極的に触れさせて、他人と上手にやりとりする術を身につけさせましょう。
また、喧嘩の際の保護者の立ち振る舞いとして、まずは見守ること、そして理由を聞くこと、共感すること、必要なときには叱ることなどが重要になります。無理やり喧嘩をやめさせたりしないという心構えも必要です。温かい目で見守ってあげましょう。

プロフィール

監修:市川由美子

保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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