片付けられない子どもを片付け上手にするコツ

言いたくなくても、気付けば毎日どうしても言ってしまう「片付けなさい」の一言。
幼稚園や外出先でも、きちんと片付けができているのか心配になることもあるでしょう。
お子さまが自分から片付けてくれたら、保護者のイライラや心配もだいぶ減るのではないでしょうか。そこで、お子さまがなぜ片付けられないのかを理解して、さらにお子さまが自分から片付けられるようになるための対策をご紹介します。

なぜ片付けられないの?

どうしてお子さまは片付けが苦手なのでしょうか?
その理由を理解することで、自分から片付けてくれるようになる糸口が見えてくるものです。さまざまある理由の中からいくつかあげてみましょう。

・おもちゃは遊ぶものという認識
お子さまにとっておもちゃは「遊ぶもの」であり、片付けるものという意識はありません。そのため、片付けようという気持ちになりにくいのではないでしょうか。
保護者にしてみれば、遊んだ後は元の位置にしまってほしいと思うのですが、お子さまは「片付けなさい」と言われただけでは、そういう気持ちになりにくいようです。

・遊びを中断したくない
お子さまは楽しいことに夢中になります。気付くと保護者の声も届かないほど、ずっと遊んでいた、ということもあるでしょう。遊んでいるときが一番楽しい時間ですので、「そろそろ片付けなさい」と言われても、遊びを中断してまで片付けたいとは思えない場合も少なくありません。

・片付ける前に「片付けなさい」と言われ、やる気が失せている
保護者はどうしても、「この子は遊ぶばかりで片付けない」という気持ちが強く残ってしまうことがありますが、片付けなくてはいけないことをしっかりと理解しているお子さまもいるのです。
お子さまには、片付ける気持ちがあるにもかかわらず、保護者から「早く片付けてね」などと、片付けようとする前に言われてしまうことで、やる気が失せてしまうということもあるでしょう。

どうして片付けないといけないのか教えよう

まず、片付けることにはきちんと理由があることを説明しましょう。おもちゃを出しっぱなしにすると、足で踏んでケガをしてしまう危険性や、壊れて遊べなくなるかもしれないなど、お子さま本人にとっての悲しい出来事を話してあげることが大切です。
そして、片付けをすると部屋が広くなり、綺麗になることでまた気持ちよく遊べるなど、お子さまが楽しい気持ちになるような、いいことも教えてあげるとよいでしょう。片付けの意味を伝えることで、自分から片付けられるようになるきっかけを作ってあげられるよう意識してみてください。

片付けるコツ~準備編~

自分から片付けやすいように、まずは環境を整えてあげましょう。簡単に片付けられることがわかれば、自分から進んで片付けやすくなります。

・おもちゃ箱に目印をつける
まずは、おもちゃ箱にイラストや写真などで目印をつけ、何をどこにしまえばよいのか、お子さまが見てわかるようにしましょう。
人形やおままごと、電車や車など、おもちゃはさまざまな物がありますので、おもちゃと同じイラストや写真が貼ってある箱の中に片付けるように教えてあげると、次からは何をどこにしまうのかを判断することができるようになります。絵合わせのような遊び感覚でできますので、お子さまが楽しく片付けられるように保護者も一緒に手伝うとよいでしょう。

・フタなしのおもちゃ箱にする
ポイっと簡単に入れられるように、おもちゃ箱をフタのないものにするというのもおすすめです。フタがあると、開け閉めが面倒に感じたり、フタの開け閉めに時間がかかったりなど、お子さまによっては片付けの妨げになってしまう可能性もあります。最初は保護者も一緒に片付けながら、「簡単」に片付けられるということをお子さまの楽しさにつなげていけるとよいでしょう。

・絵本の片付けは目で見て楽しむ
絵本をしまうときは目で見てお子さまが楽しめるように、表紙が見えるような片付け方をしてもよいでしょう。可能であれば、ディスプレイできる本棚を使用する方法もありますし、その場合は出し入れがしやすく、スムーズに片付けられます。
普通の本棚では、すべての本の表紙が見えるようにすると棚のスペースを取ってしまいますので、お気に入りの1冊だけを見えるようにするのもよいでしょう。他の本はタイトルのある背の部分にお気に入りのシールを貼るなど、見える側に楽しめるものを取り入れるという方法もあります。
また、棚にインデックスを使うことで、保護者と一緒に本屋さんごっこをしながら種類ごとに片付けるという方法もよいかもしれません。

・何をどこにしまうかはお子さま自身が考える
子供部屋がある場合には、どこにしまうのかお子さま自身が考えることで、片付けが上手になるきっかけにもなります。自分で決められる楽しさや、そこに片付けることで、自分の部屋がキレイになる喜びを感じられるようにしていくとよいでしょう。

片付けるコツ~声掛け編~

・遊びから片付けに気持ちを誘導する
おもちゃで遊んでいる時間はとても楽しい時間です。その時間を急に中断し片付けさせることは、お子さまの気持ちの切り替えを難しくしてしまいます。お子さまの気持ちを遊ぶことから片付けに誘導させるためには、片付け始める時間をお子さまと一緒に決め、最初は片付けるときに「一緒にお片付けしよう!」と誘ってみましょう。

・お片付けに遊びを取り入れる
片付けを遊びの延長にしながら進めるのもよいでしょう。時間のわかるお子さまならば、「何分までに片付けよう!」などと時間制限を設ける遊び方で片付けることもできます。また、個数を多く片付けた方が勝ちというルールを作り、「いち、にい、さん…」と数えながら競ってみるなど、ゲーム感覚で保護者と一緒に片付けることで、楽しくすすめることができるでしょう

・片付けができたらシールを貼る
お片付け表を作って、片付けができたら好きなキャラクターシールを貼るようにするなど、片付けが楽しくなるような方法もあります。「今日はどのシールを貼る?」とお気に入りのシールを複数枚用意して選ばせてあげると、より楽しめるかもしれません。シールを貼ることで達成感を覚え、好きなシール貼りができる喜びも感じられるでしょう。

・間違えても叱らず、褒めることを忘れずに
片付ける場所を間違えても、叱らないようにしましょう。怒られると思うと、片付けをしたがらなくなってしまいます。間違ったとしても、優しく「こっちだよ」と言ったり、後でこっそり直してあげることが大切です。
そして、さらに重要なのが、片付けられたら必ず褒めてあげること。褒められることは嬉しいことですので、また褒められようと、自主的に片付けるようになるでしょう。

片付けの習慣は小さいうちに

小さいうちからおもちゃを片付ける習慣が身に付いていれば、自分の服や勉強道具の整理整頓なども自然とできるようになり、床などに物が散らかっていることでの危険性を回避できたり、何がどこにあるかということが把握できるようになったりと、日常生活や社会生活において非常に役立ちます。
片付けができるようになるまでは、怒らず、焦らず、根気よく教えてあげることが大切です。ただし、遊んでいる間は出すだけ出して遊びたい子、ひとつずつ片付けてから遊べる子など、お子さまそれぞれの遊び方、片付け方のスタイルがあります。それぞれのお子さまのスタイルを受け入れながら、片付けの習慣がつくようにまずは一緒に片付けることから始めましょう。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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