入試改革に備えて、ますます日常の会話にコーチングを![やる気を引き出すコーチング]

いよいよ、大学入試も2020年から大きく変わるようですね。
単に、知識を問われるだけでなく、思考力や表現力、課題解決力などが問われるようになるとのことですが、「いったい、どんなふうに勉強させたらよいのでしょう?」と、心配される保護者のお声も耳にします。
一方で、「やっと、コーチングが入試対策にも本領発揮する時代が来た!」と、私などは期待をしてしまいます。「子どものやる気を引き出す」だけでなく、コーチングは、「自分で考える力」、「自分の言葉で伝える力」、「課題を建設的に解決する力」などを育むうえでも非常に効果的です。日常のコミュニケーションにどんどん採り入れていただいたら、来たる入試改革も怖くないと思うのです。

答えが一つではない質問を投げかける

例えば、親子でテレビを見ていたとしましょう。ドラマの登場人物が、急に怒り出しました。子どもが質問してきます。
「どうして、あの人、怒っているの?」
「友達にだまされたからだよ」
こちらの解釈を答えます。すると、子どもは、よほどの興味関心がない限り、それ以上、深く考えてみることをしなくなります。

「どうして、あの人、怒っているの?」ときかれたら、こちらの考えを述べる前に、子どもにも質問してみます。
「どうしてだと思う?」
質問されることで、思考が巡り始めます。
「友達にだまされたからかな」と、子どもが答えても、さらに探究を促してみます。
「そうかもね。この人、他には何に怒っているんだろうね?」
「うーん…だまされた自分にも怒っているとか」
「なるほど、他には何かあるのかな?」
「悔しいとか、悲しいとか、そういう気持ちもあるんじゃないかな」

こんなささやかなやりとりの中でも、目の前の事象を観察し、様々な角度から考え、自分の言葉で表現する体験ができます。

正解は何なのかは、実際、ドラマの中の本人か、脚本家にきいてみないとわからないのですが、正解を出すことより、答えが一つではないテーマについて、折々に対話をする機会をもつことが重要なのです。自分で考え、自分なりの見解を述べる習慣が自然と身についていきます。

課題解決型の質問を投げかける

次の例として、忘れ物が多いお子さまへの対応について考えてみましょう。最近、特に多いようです。どう対応しますか?

つい、「今日も忘れ物していったよね。ちゃんと、連絡帳に『明日持っていく物』を書いて、毎日、必ず見るようにして!」と、こちらが解決策を指示してしまいたくなりませんか?しかし、それでは、自分で解決する力は育まれません。ここでも質問をしてみます。
「どうしたら、忘れ物がなくなると思う?」
自分で解決策を編み出すよう促すのです。子どもが自分で考えた方法でやってみます。忘れ物がなくなれば、その方法は解決策として機能したわけですが、それでも忘れ物をしてしまう場合は、適切な解決策ではなかったということになります。再び、課題解決に焦点を当てた質問で思考を促します。例えば、このような質問です。
「どうすればよかったと思う?」
「他の方法でやってみるとしたら何だろう?」
「『明日持っていく物』を思い出せるしかけを作るとしたら何ができる?」
「誰かに協力してもらうとしたらどうする?」

質問を投げかけて対話をすることは、確かに、少々根気が要ります。「こうしなさい」、「こうすればうまくできるから」と言ってしまったほうが早いこともあるでしょう。しかし、それは、こちらが持っている「答え」を与えているに過ぎません。誰かが考えた答えや教科書に書いてある理論の暗記だけでは、もうこれからの入試は乗り切れないようです。日頃から自分で考え、言葉にする習慣をもつことは、きっと、今後の入試対策の一つとなるでしょう。

(筆者:石川尚子)

プロフィール

石川尚子

石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。近著『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A